神々の依頼、面倒なんですけどっ!

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第3章 航路

65.船を依頼するみたいです

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ハジメは自己紹介をしてからリナリーにお茶を頼み、応接室へと案内する。ソファーへ座るや否なや

「それでどんな軍艦を作りたいんだい?」

と厳しい顔で言う。ハジメとひかり、お茶を運んできたリナリーはきょとんとした表情をモーリーに送る。

「旦那様、なんで軍艦なんです?」

ひかりがハジメに言う。ハジメには思い当たることがないため、そのままモーリーに返す。

「なんで、軍艦って話になったんです?」

「おんや?ジュリの嬢ちゃんから船が欲しいって言ってるやつがおるっていうさかいてっきりそうやと思ったんやけどな・・・。一般の商人が軍艦欲しがるなんて、危険やろって思うてな。受けるかどうか見極めようと気負ったんやけどな。なんや違うんか。それならなんで嬢ちゃんは軍艦専門のワシに言うたんやろか・・・」

と最初の厳しい顔は優しそうな顔へ変わり、不思議そうに考え込む。

「私はあきない用の船が欲しいって言ったんですけど・・・。モーリーさんは軍艦専門なんですか・・・」

とハジメも不思議そうにモーリーを見る。モーリーは気を取り直したように

「まぁ、えぇわ。軍艦ばかり作っているだけで、商船が作れんわけやないしな」

「・・・・あぁ、思い出しました。旦那様。モーリーさんと言えばこの国でも有名な軍艦造船屋さんです。なんでも造られた軍艦は帝国との激しい海戦でも沈められたことはないとか」

とリナリーがハジメに言う。

「お嬢ちゃん、それは間違いやの。ワシは昔普通の船大工やったんよ。ただ戦地がの、陸地から海へ広がったんよ。それで船大工は全員が戦艦を作ることに駆り出されたんや。それでたまたまワシの作った船が沈まんかったっちゅうだけや。まぁその頃食おうと思うたら戦艦作らんといけんかっただけやしの」

と照れたように笑う。

「それでや、どんな船がええんや?」

と方言を隠しもせず言う。まぁハジメの故郷の言葉に近いので懐かしさしかないのだが。

「そうですね・・・帆船で、ポーションとか紅茶とかが乗せることが出来るようにお願いしたいのです。商売に使うので」

とハジメが希望を告げる。

「ふむふむ。それで大きさはどうするんや?」

「軍艦よりは2周りほど小さいくらいで・・・」

とハジメのイメージを伝えると。

「ほんなら漁船と同じ大きさやの」

と言う。ハジメが確認すると軍艦と言ってもこの世界ではマグロの船を1周りほど小さくした大きさで、大砲のようなものはなく、船を横付けして乗り込み戦うというスタイルのようである。それならば軍艦の大きさでいいかと思った。

「なら、軍艦の大きさでお願いします。船室は休憩室が1つくらいでかまいません。あとは船内に商品を入れる倉庫があればいいのですが、あと港は小さいところが多いですので、漁船くらいの大きさの船を装備できませんか?」

と頼む。

「それくらいなら簡単やな。そうやのぉ、1か月もあれば十分やろ。俺が王都に帰ってから作り始めるんで、今からなら2-3か月ってところやね。金額は1億Sってところやの。金額が金額や、先払いでお願いしますわ。支払いは商業ギルドに言うてもろたら出来るようになっとるからな」

「わかりました。今日中に支払いしておきます」

2人は契約書を交わし、握手した。

「ところで、船員はどうするんじゃ?」

と思いついたことをつい言ったという感じでハジメに聞いた。

「あ・・・どうしましょう・・・・」

とハジメが言うと全員が「まさか、考えてなかったの?」と言わんばかりの顔でハジメを見ていた。

「・・・・お前さん、割と抜けとるのぉ・・・。まぁ、船員ギルドに聞いてみたらええんやないか?職の斡旋なんかもしてるからの」

と助け船をモーリーが出してくれた。そしてモーリーは呆れつつもハジメの店を後にした。それを見送ったあと振り返るとそこにはお説教モードの顔をしたひかりが居た。

「・・・旦那様。もう少し先を考えて行動されますようにお願いしますね。わたくし顔から火が出るように恥ずかしく思いました。従業員の事を一番に考えてくださる旦那様ですので、これから気を付けて頂けますよね?」

と言われ

「・・・以後、気を付けます・・・」

としか言えなかった。

その後商業ギルドへ行き、モーリーへの支払いを行い、スムスへハジメの留守中、商談してくれていたお礼としてダス国のハーブティーの茶葉を渡した。ハジメがハーブティーをスムスに出してから彼はハーブティーにハマっているのだ。

ハジメがギルドを後にし中央広場まで来ると役場からウォールが出てきてハジメを見つけ手を振っている。ハジメも手を振り返すと、ハジメの所まで走ってくる。

「ウォールさん、どうしたんですか?用事があるようでしたら、私の方が出向くのに」

と声を掛ける。

「ちょうどハジメさんの所に行くところだったんですよ。ちょうど良かった。ちょっと私の部屋に来ていただいてもいいです?」

と言う。ハジメはウォールと一緒に役場の町長室へと向かった。そこにはウォールの祖父フラップも居た。部屋に入ってウォールが息を整えているうちに紅茶が運ばれてくる。

「実はですね、ハジメさんが元マコンの街をどうするのか聞いておくのを忘れてまして・・・」

と少し恥ずかしそうに言うと、フラップが

「本当にこの馬鹿垂れが」

とウォールの頭に拳骨げんこつを落とす。涙目になりながら頭を押さえている。

「あぁ、マコンの街は船で商品を運べるようにして、市場マーケットにしようかと思っています。そこで各国々や地域の特産品なんかを扱えるようにしたら賑わうかなと思ってます」

とハジメが言うとフラップが

「なるほどの・・・。やっぱり聞いておいて良かったの。マコンの街は国からお主に与える土地じゃ。土地を売ることは出来んじゃよ」

と言う。

「・・・売買は出来ないけど、賃貸なら出来るということですか?」

「・・・ほんに、お主は頭の回転が速いの。その通りじゃ。お主以外があの土地を持つことは認められんのじゃ」

とフラップがハジメの問いに答え、ハジメは考え込む。

「・・・僕はてっきり、ハジメさんの薬草栽培地にするのかと思ってました・・・」

とウォールが言う。ハジメは

「栽培地としては海があるので無理ですね。塩害が起こってしまいますよ。フラップ様、ということは建物などは私が建てなければいけないということですね・・・分かりました」

は笑いながらウォールに言い、フラップに問う。

「うむ。その通りじゃ」

ハジメは

「どちらにせよ人手が居るという事か・・・・。エルムさんとソラさんたちにお願い出来るかなぁ・・・・」

と独りちた。

「あぁ、それは大丈夫ですよ。この時期は閑散期で本来の仕事が少ないので、いつも役場の臨時職員として雇って建築科の指導をお願いしているんです。昨日今年もするのか聞きに来ていたので、大丈夫だと思います。エルムさんは役場の建築科で、ソラさんたちは公共施設の修繕なんかやってくれてるんです」

とウォールが言う。

「それなら彼らは必要なんでは?」

とハジメが言うと、

「確かに彼らが居ると助かりますが、本来なら今いるメンバーで行うのが理想なんです。それに彼らの指導で年々建築科のレベルも上がってきているのでそろそろ独り立ちって話も出てたんですよ」

と職員の頑張りに笑顔になった。部下を誇れる上司なんだなとウォールを微笑ましく見た。

「マコンの街がハジメさんの地になることはまだ秘密ですが、彼らになら問題はないでしょう。常に自分の仕事に誇りを持ち、情報の保持には定評がありますので」

「一応、わしも2人は口止めをしておくかの。それなら、彼らも上の命令で言えないと思えるじゃろうしな」

とウォールの提案にフラップが追加する。

「早い方がいいでしょうし、この後行ってみます」

とハジメは言い、席を立つ。

「えぇ、そうしてください。あ、ハジメさん。マコンの街が貴方の地になるということは来月に発表になると思います」

とウォール言う。

「わかりました。ありがとうございました」

と2人に頭を下げ役場を後にしたのだった。

ハンドブック 12項目目

12-2.船を依頼しよう:Clear!
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