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29歳
親父の死。そして、新生の扉。
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親父が亡くなった。
大雨の日だった。大分港で緊急下船した私は名古屋へ帰っていった。
新幹線に乗っている間も涙が止まらなくなっていた。あんなに生前の親父に冷たかったにも関わらず。
享年60歳。九州の山奥から名古屋へやってきた親父は若いうちに独立した。
そして、人情家だった親父をしたう人は多く人望もあった。
斎場に着いた。親族、知人などたくさんの人が来ていた。
お袋と妹が優しい目でこちらをみていた。
親父の遺体にふれた。冷たくなっていた。親父は気持ちよさそうに眠っているようだった。
また、涙があふれた。
親父のあの最後の表情をまた思い出した。
【息子よ。後はよろしく頼んだぞ。】
火葬場から自宅へ帰ってきた。
今までの人生で泣くことを禁じてきたが、涙は際限なくあふれてきた。
涙によって、ありとあらゆるものが浄化されていった。
鏡をみれば、親父に似た自分の顔があった。親父の魂とずっと対話していた。
車に乗った。クラシック音楽が心地よく胸に響き、すべての景色が美しいことに気づいた。
翌日の目覚めは快適だった。
連日連夜の涙は私の中のあらゆる老廃物を洗浄していた。
景色が美しく見え続けた上に、この上なく活力がみなぎっていることに気づいた。
生まれて初めての活力と感性。まるで私自身が光っているような錯覚さえあった。
また、異次元にやってきたような感覚もあった。
生まれて初めての感覚におどろきつつもとにかく私はがむしゃらに動いていた。
気づけば、直感のままに家の中のあちこちを掃除していた。
掃除するたびに気持ちよくなり、さらにそれを楽しんでいた。
Yを思い出した。メールしたくて仕方がなくなった。
いよいよ我慢できずとうとうYにメールした。
Yへメールするのは2カ月ぶりだ。しばらくしてYから返信が来た。
[お久しぶり。(^^)
先月、結婚式あげて小牧に新居しました。お父様のご冥福をお祈りします。]
来ないと思っていたYからの返信におどろいた。
[Yちゃん。お幸せにな🎵]
その後、通話着信があった。Yからだ。
「もしもし。」
8ヶ月ぶりに聴くYの声は変わらず高く可愛い声だった。
「おー🎵Yちゃん🎵」
舞い上がった私はぺらぺらとしゃべっていた。
そして、
「今度会おうよ‥。」
「え?とゆうより、君はもう結婚してるだろ。」
「いいじゃん‥‥!会おうよっ!」
Yは感情むき出しに言った。
静かで感情的な声だった。
「いいじゃん‥!会おうよっ‥!」
「おお‥。そうだな。。🎵」
思いもせぬYの一言におどろきながらも私は内心喜んでいた。
もしや、両想いなのかもしれないか、。
そして、Yとの関係をまた続けられることに安堵した。
{だが、実際一度も会うことはなかった。}
Yとの文通は復活した。以前ほどの仲ではないにしろ、さらに1年以上続いた。
{当時のYの心情を現在の私が推測。
Yはこのとき新婚だったが、
私に会ってはいけないという[理性]と会いたいという[感情]の間でゆれていたのではないかと。
また、当時の私も無意識に、私たち以外のまわりの人たちを不幸にするのを避けていたかった。}
親父亡き後にも関わらず、私とお袋の対立は続いた。
妹もお袋とは仲良くないが、生まれつき片足不自由なお袋の方をかばった。
ある日、妹が提案してきた。
「占い師さんの話では兄ちゃんとお母さんは相性悪いらしいから離れて暮らした方がいいって。」
私もその方がいいと思った。
片足不自由ながらワガママで激情家のお袋には腹が立っていた私は
妹の提案に乗り、ボロの平屋家を離れて素早く新居へ。
遠い名港の方。
新居アパートの新鮮さはさらに私に活力を与え、私の超好調ぶりはまだ続いた。
それからしばらくして、再び、山口で乗船。
[飛躍の30歳]の年をむかえた。
大雨の日だった。大分港で緊急下船した私は名古屋へ帰っていった。
新幹線に乗っている間も涙が止まらなくなっていた。あんなに生前の親父に冷たかったにも関わらず。
享年60歳。九州の山奥から名古屋へやってきた親父は若いうちに独立した。
そして、人情家だった親父をしたう人は多く人望もあった。
斎場に着いた。親族、知人などたくさんの人が来ていた。
お袋と妹が優しい目でこちらをみていた。
親父の遺体にふれた。冷たくなっていた。親父は気持ちよさそうに眠っているようだった。
また、涙があふれた。
親父のあの最後の表情をまた思い出した。
【息子よ。後はよろしく頼んだぞ。】
火葬場から自宅へ帰ってきた。
今までの人生で泣くことを禁じてきたが、涙は際限なくあふれてきた。
涙によって、ありとあらゆるものが浄化されていった。
鏡をみれば、親父に似た自分の顔があった。親父の魂とずっと対話していた。
車に乗った。クラシック音楽が心地よく胸に響き、すべての景色が美しいことに気づいた。
翌日の目覚めは快適だった。
連日連夜の涙は私の中のあらゆる老廃物を洗浄していた。
景色が美しく見え続けた上に、この上なく活力がみなぎっていることに気づいた。
生まれて初めての活力と感性。まるで私自身が光っているような錯覚さえあった。
また、異次元にやってきたような感覚もあった。
生まれて初めての感覚におどろきつつもとにかく私はがむしゃらに動いていた。
気づけば、直感のままに家の中のあちこちを掃除していた。
掃除するたびに気持ちよくなり、さらにそれを楽しんでいた。
Yを思い出した。メールしたくて仕方がなくなった。
いよいよ我慢できずとうとうYにメールした。
Yへメールするのは2カ月ぶりだ。しばらくしてYから返信が来た。
[お久しぶり。(^^)
先月、結婚式あげて小牧に新居しました。お父様のご冥福をお祈りします。]
来ないと思っていたYからの返信におどろいた。
[Yちゃん。お幸せにな🎵]
その後、通話着信があった。Yからだ。
「もしもし。」
8ヶ月ぶりに聴くYの声は変わらず高く可愛い声だった。
「おー🎵Yちゃん🎵」
舞い上がった私はぺらぺらとしゃべっていた。
そして、
「今度会おうよ‥。」
「え?とゆうより、君はもう結婚してるだろ。」
「いいじゃん‥‥!会おうよっ!」
Yは感情むき出しに言った。
静かで感情的な声だった。
「いいじゃん‥!会おうよっ‥!」
「おお‥。そうだな。。🎵」
思いもせぬYの一言におどろきながらも私は内心喜んでいた。
もしや、両想いなのかもしれないか、。
そして、Yとの関係をまた続けられることに安堵した。
{だが、実際一度も会うことはなかった。}
Yとの文通は復活した。以前ほどの仲ではないにしろ、さらに1年以上続いた。
{当時のYの心情を現在の私が推測。
Yはこのとき新婚だったが、
私に会ってはいけないという[理性]と会いたいという[感情]の間でゆれていたのではないかと。
また、当時の私も無意識に、私たち以外のまわりの人たちを不幸にするのを避けていたかった。}
親父亡き後にも関わらず、私とお袋の対立は続いた。
妹もお袋とは仲良くないが、生まれつき片足不自由なお袋の方をかばった。
ある日、妹が提案してきた。
「占い師さんの話では兄ちゃんとお母さんは相性悪いらしいから離れて暮らした方がいいって。」
私もその方がいいと思った。
片足不自由ながらワガママで激情家のお袋には腹が立っていた私は
妹の提案に乗り、ボロの平屋家を離れて素早く新居へ。
遠い名港の方。
新居アパートの新鮮さはさらに私に活力を与え、私の超好調ぶりはまだ続いた。
それからしばらくして、再び、山口で乗船。
[飛躍の30歳]の年をむかえた。
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