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4. 殿下方がご成婚されることになった
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初めてメルヴィ嬢とダンスを踊った夜会から、二年が経った。
ダーヴィド・フィルップラ侯子はビルギッタ・アハマニエミ伯爵令嬢と婚約をして、殿下のご結婚にあわせてご結婚あそばされることになった。
大体皆そうだ。
殿下がご結婚されたら、遠からず御子が出来る。その乳母となること、もしくは子供を殿下の御子のご友人とかご婚約者にすること。それを皆視野に入れているのだ。
自分とケルッコもそうだ。一応。
殿下のお側近くで働く者たちも増えた。毎年それなりに優秀なもの達が卒業をして、一年程度使い走りをさせて見極めて、職分を決定する。
ありがたいことに、自分とケルッコは殿下のお側近くで役職を得た。より正確に言うとケルッコはフィルップラ侯爵令息の部下であり、自分はヨアキム・ヒエッカランタ伯爵子息の部下になる。ヒエッカランタ伯爵子息はヒエッカランタ子爵となり、今後はフローラ・フフタ伯爵令嬢と結婚し、フフタ子爵になるそうだ。フフタ伯爵家はフローラ嬢が継がれるとの事。
フフタ伯爵になってしまっては、ここで仕事が出来ないから、というのがその理由で、フフタ伯爵令嬢もそれを受入れたというから驚いた。
そうそう、第二子である自分とケルッコも先だって子爵位をいただいた。これがなければ、貴族家出身の文官たちはこちらの指示を受けない場合があるからだ。勿論現在では一代限りの称号で、何かがなければ、子供たちは平民だ。運が良ければ、兄の家や王家で働くことが出来るかもしれない。レヘコスオ学院への招待状は貰えるだろう。
日々は忙殺されて、どんどんと通り過ぎていく。季節ごとの行事の取り仕切りは陛下の側近たちから徐々に自分たちへと移行してきている。殿下が王になるのはまだ先だけれど、まだまだ先ではない。
ケルッコの兄ネストリも先日結婚した。幼馴染同士の結婚で、面白い事は何もない、とは殿下の伝だ。それでも結婚式のためにネストリとケルッコは城を空けるから、その分の穴を作ることと穴を埋めるために忙しくしていた。
「お久しぶりでございます」
優雅な淑女の礼を披露してくれているのは、ふわふわとした薄茶色い髪を優雅にまとめ、大きな薄茶色の目をしたご令嬢。
以前姉にほとんどだまし討ちみたいな恰好でお見合いをさせられた、メルヴィ嬢だ。
「お久しぶりです。お元気そうだ」
毎年夏の始まりに行われる、ヨケラ伯爵主催の夜会に、お招きされた殿下の代わりに参加した時だった。殿下の名前で呼ばれているものは、大体未婚の男が交互に駆り出されている。クラウス殿下のお妃様になられるキーア様が、出席必要と判断した時はお二人でお出ましになるからそのお供をするときもあるけれど。
今日は、殿下の代わりの出席だ。メラルティン家が招待されているかは知らない。兄夫婦か両親を見かけなければ、招待されていないのだろう。
一通りの挨拶を終えたので、侍従から適当にグラスを受け取って、壁の花を眺めて休憩していた。壁には色とりどりのドレスをまとったご令嬢方が、豪華絢爛に咲き誇っている。すでに婚約者のあるご令嬢は、腕を取られてダンス中だ。
壁の花になっているのは、今日は婚約者が来ていないか、未だ婚約者のいないご令嬢方だ。
そしてメルヴィ嬢も、壁の花のお一人だった。さて、つぼみは咲くかしおれるか。
「ダンスになさいますか? それともお飲み物でも?」
ちらりと、メルヴィ嬢の大きな瞳が自分の持つグラスへ向けられた。まだ中身はそれほど減ってはいない。一息つくために壁に寄ったのは、今しがただからだ。
「では私も少し頂こうかしら」
腕を差し出せば掴まってくれたので、淑女をエスコートして近くのテーブルへ。
そっとこちらへと近寄ってくる美しくグラスが乱立したトレイを捧げる侍従を視界の隅へ入れて、メルヴィ嬢へ囁きかける。
「まだお酒は苦手ですか?」
「パーヴァリ様は、飲めるようになられたのですね」
「ええ、少しなら」
困ったように、メルヴィ嬢が笑わられる。さてどっちだ。君はたくさん飲めるから困っているのか、好まないから困っているのか。
「こちら、ユハナを用いたカクテルになります」
「ありがとう」
侍従がチョイスしたのは甘いカクテル。酒精は強くもなく弱くもなく。ご令嬢が手にしている分には、美しいから好んでいるのだと思われるだけで済むものだ。
事実、グラスも自分が持っているシャンパングラスと比べると、ほのかに赤味がかっていて美しい。添えられた赤いユハナの花も、美しく処理されている。
年若いご令嬢が好みそうなカクテルだ。
「僕にもいただける?」
シャンパンを返して、同じくユハナのカクテルを受け取る。
また、メルヴィ嬢が目を大きく見開いていた。
「一度飲んでみたかったんですよ。最近流行っているでしょう? でもご縁がなくて」
「確かに、殿方は好まないかもしれませんわ」
「事実がどうかは別として、そう、されていますね」
ご令嬢と一緒なら、試してみることは可能だ。ご令嬢に付き合ったのだとか、ご令嬢が飲んでいたので興味を持ったので試してみたとか、いくらでも言い訳は立つ。それに実際、新しいものが好きで試してみたい男は多いのだと、男は知っている。
女性向けの趣向を凝らしたカクテルはそう言う、男女の仲を少しだけ近づけるために、開発されたのではないかと勘繰っている。すぐにその勘繰りについても忘れてしまうが。
ユハナの花が落ちないように気を付けて、グラスを軽くぶつけて乾杯の挨拶を交わす。
「あなたに良い夢が訪れますよう」
「あなたに良い出会いが訪れますよう」
乾杯の挨拶は色々あって、その中でも好きなものが色々とある。
「あら、私は振られたのかしら」
くすくすと、メルヴィ嬢が笑う。
自分はカクテルを口に含んで、舌で転がしていたから、少し返事が遅れた。甘い。
「初めて飲むカクテルの時は、そう言うことにしているんです」
くるくると、甘いカクテルの入った赤いグラスを回す。メルヴィ嬢もそっと口を付けるが、あまりお好みではないようだ。眉根にしわが寄っている。
「ユハナのカクテルはお好みではないですか」
「同じ甘いカクテルでも、カーパの方が好きだわ」
カーパは白い果実だ。皮を剥いて食すと、優しい甘さがジワリと口に広がる。水分も多く、夏の終わりから冬の頭にかけて愛されている。
「カーパのカクテルは存じ上げないですね。ご令嬢の間で流行っているのですか?」
「いいえ。領の特産品なの。まだ他領には出回っていないのですけれど」
知らないはずだ。
それに、生まれ育ったところのものが美味しく感じるのは、人の常である。
そしてまた、美味しい酒は人と人の好い出会いのきっかけにもなる。だから自分は心持ち声を低くして、メルヴィ嬢に囁いた。
「キーア様はカーパがお好きですから。これも何かの縁と、贈ってみられてはいかがでしょう」
ご令嬢方の間で、キーア様のお酒好きが知られているかどうかは知らないが。少なくとも自分たちの間では有名な話だ。
殿下に何かをとりなして欲しい時は、キーア様にお酒をお教えすればよろしい。だからこその、良い出会い、だ。
その薄茶色い大きな目を見開いて、メルヴィ嬢が自分を見つめる。それに気が付いているけれど、自分はもう一口、ユハナのカクテルを口に含んだ。
氷が溶けて少し薄くなり、先ほど感じた強烈なまでの甘さは鳴りを潜めている。これなら、飲みやすい。
メルヴィ嬢にそう伝えると、彼女もカクテルを口に含んだ。少しだけ舌の上で転がして、飲み込んで。それからもう一口。今度は舌の上で転がさずに、喉へと送り込む。
「お話を、しながら飲むことを想定されたカクテルなのですね」
「そのようですね」
淑女は炭酸水を飲んでも咎められることはないが、背伸びをしたいお年頃の淑女もそれなりにいる。きっと、そう言う淑女たちのために考案されたカクテルなのだろう。
「好まれませんか」
「……美味しいと思いますわ」
氷が溶けて味の落ち着いたユハナのカクテルは、どうやら合格点を貰えたようだ。
メルヴィ嬢は、す、と視線をそらしたが、その首筋が少し赤くなっている。酒をたしなむご令嬢を、はしたないと好まない向きもそれなりにいる。親しい間柄ではない自分にばれたのは、少しばかり、彼女にとっては気まずいのだろう。
以前のメルヴィ嬢より、話題がありそうでありがたいな、と思った。そう思ったことに、自分で思わず頬が緩む。
ダーヴィド・フィルップラ侯子はビルギッタ・アハマニエミ伯爵令嬢と婚約をして、殿下のご結婚にあわせてご結婚あそばされることになった。
大体皆そうだ。
殿下がご結婚されたら、遠からず御子が出来る。その乳母となること、もしくは子供を殿下の御子のご友人とかご婚約者にすること。それを皆視野に入れているのだ。
自分とケルッコもそうだ。一応。
殿下のお側近くで働く者たちも増えた。毎年それなりに優秀なもの達が卒業をして、一年程度使い走りをさせて見極めて、職分を決定する。
ありがたいことに、自分とケルッコは殿下のお側近くで役職を得た。より正確に言うとケルッコはフィルップラ侯爵令息の部下であり、自分はヨアキム・ヒエッカランタ伯爵子息の部下になる。ヒエッカランタ伯爵子息はヒエッカランタ子爵となり、今後はフローラ・フフタ伯爵令嬢と結婚し、フフタ子爵になるそうだ。フフタ伯爵家はフローラ嬢が継がれるとの事。
フフタ伯爵になってしまっては、ここで仕事が出来ないから、というのがその理由で、フフタ伯爵令嬢もそれを受入れたというから驚いた。
そうそう、第二子である自分とケルッコも先だって子爵位をいただいた。これがなければ、貴族家出身の文官たちはこちらの指示を受けない場合があるからだ。勿論現在では一代限りの称号で、何かがなければ、子供たちは平民だ。運が良ければ、兄の家や王家で働くことが出来るかもしれない。レヘコスオ学院への招待状は貰えるだろう。
日々は忙殺されて、どんどんと通り過ぎていく。季節ごとの行事の取り仕切りは陛下の側近たちから徐々に自分たちへと移行してきている。殿下が王になるのはまだ先だけれど、まだまだ先ではない。
ケルッコの兄ネストリも先日結婚した。幼馴染同士の結婚で、面白い事は何もない、とは殿下の伝だ。それでも結婚式のためにネストリとケルッコは城を空けるから、その分の穴を作ることと穴を埋めるために忙しくしていた。
「お久しぶりでございます」
優雅な淑女の礼を披露してくれているのは、ふわふわとした薄茶色い髪を優雅にまとめ、大きな薄茶色の目をしたご令嬢。
以前姉にほとんどだまし討ちみたいな恰好でお見合いをさせられた、メルヴィ嬢だ。
「お久しぶりです。お元気そうだ」
毎年夏の始まりに行われる、ヨケラ伯爵主催の夜会に、お招きされた殿下の代わりに参加した時だった。殿下の名前で呼ばれているものは、大体未婚の男が交互に駆り出されている。クラウス殿下のお妃様になられるキーア様が、出席必要と判断した時はお二人でお出ましになるからそのお供をするときもあるけれど。
今日は、殿下の代わりの出席だ。メラルティン家が招待されているかは知らない。兄夫婦か両親を見かけなければ、招待されていないのだろう。
一通りの挨拶を終えたので、侍従から適当にグラスを受け取って、壁の花を眺めて休憩していた。壁には色とりどりのドレスをまとったご令嬢方が、豪華絢爛に咲き誇っている。すでに婚約者のあるご令嬢は、腕を取られてダンス中だ。
壁の花になっているのは、今日は婚約者が来ていないか、未だ婚約者のいないご令嬢方だ。
そしてメルヴィ嬢も、壁の花のお一人だった。さて、つぼみは咲くかしおれるか。
「ダンスになさいますか? それともお飲み物でも?」
ちらりと、メルヴィ嬢の大きな瞳が自分の持つグラスへ向けられた。まだ中身はそれほど減ってはいない。一息つくために壁に寄ったのは、今しがただからだ。
「では私も少し頂こうかしら」
腕を差し出せば掴まってくれたので、淑女をエスコートして近くのテーブルへ。
そっとこちらへと近寄ってくる美しくグラスが乱立したトレイを捧げる侍従を視界の隅へ入れて、メルヴィ嬢へ囁きかける。
「まだお酒は苦手ですか?」
「パーヴァリ様は、飲めるようになられたのですね」
「ええ、少しなら」
困ったように、メルヴィ嬢が笑わられる。さてどっちだ。君はたくさん飲めるから困っているのか、好まないから困っているのか。
「こちら、ユハナを用いたカクテルになります」
「ありがとう」
侍従がチョイスしたのは甘いカクテル。酒精は強くもなく弱くもなく。ご令嬢が手にしている分には、美しいから好んでいるのだと思われるだけで済むものだ。
事実、グラスも自分が持っているシャンパングラスと比べると、ほのかに赤味がかっていて美しい。添えられた赤いユハナの花も、美しく処理されている。
年若いご令嬢が好みそうなカクテルだ。
「僕にもいただける?」
シャンパンを返して、同じくユハナのカクテルを受け取る。
また、メルヴィ嬢が目を大きく見開いていた。
「一度飲んでみたかったんですよ。最近流行っているでしょう? でもご縁がなくて」
「確かに、殿方は好まないかもしれませんわ」
「事実がどうかは別として、そう、されていますね」
ご令嬢と一緒なら、試してみることは可能だ。ご令嬢に付き合ったのだとか、ご令嬢が飲んでいたので興味を持ったので試してみたとか、いくらでも言い訳は立つ。それに実際、新しいものが好きで試してみたい男は多いのだと、男は知っている。
女性向けの趣向を凝らしたカクテルはそう言う、男女の仲を少しだけ近づけるために、開発されたのではないかと勘繰っている。すぐにその勘繰りについても忘れてしまうが。
ユハナの花が落ちないように気を付けて、グラスを軽くぶつけて乾杯の挨拶を交わす。
「あなたに良い夢が訪れますよう」
「あなたに良い出会いが訪れますよう」
乾杯の挨拶は色々あって、その中でも好きなものが色々とある。
「あら、私は振られたのかしら」
くすくすと、メルヴィ嬢が笑う。
自分はカクテルを口に含んで、舌で転がしていたから、少し返事が遅れた。甘い。
「初めて飲むカクテルの時は、そう言うことにしているんです」
くるくると、甘いカクテルの入った赤いグラスを回す。メルヴィ嬢もそっと口を付けるが、あまりお好みではないようだ。眉根にしわが寄っている。
「ユハナのカクテルはお好みではないですか」
「同じ甘いカクテルでも、カーパの方が好きだわ」
カーパは白い果実だ。皮を剥いて食すと、優しい甘さがジワリと口に広がる。水分も多く、夏の終わりから冬の頭にかけて愛されている。
「カーパのカクテルは存じ上げないですね。ご令嬢の間で流行っているのですか?」
「いいえ。領の特産品なの。まだ他領には出回っていないのですけれど」
知らないはずだ。
それに、生まれ育ったところのものが美味しく感じるのは、人の常である。
そしてまた、美味しい酒は人と人の好い出会いのきっかけにもなる。だから自分は心持ち声を低くして、メルヴィ嬢に囁いた。
「キーア様はカーパがお好きですから。これも何かの縁と、贈ってみられてはいかがでしょう」
ご令嬢方の間で、キーア様のお酒好きが知られているかどうかは知らないが。少なくとも自分たちの間では有名な話だ。
殿下に何かをとりなして欲しい時は、キーア様にお酒をお教えすればよろしい。だからこその、良い出会い、だ。
その薄茶色い大きな目を見開いて、メルヴィ嬢が自分を見つめる。それに気が付いているけれど、自分はもう一口、ユハナのカクテルを口に含んだ。
氷が溶けて少し薄くなり、先ほど感じた強烈なまでの甘さは鳴りを潜めている。これなら、飲みやすい。
メルヴィ嬢にそう伝えると、彼女もカクテルを口に含んだ。少しだけ舌の上で転がして、飲み込んで。それからもう一口。今度は舌の上で転がさずに、喉へと送り込む。
「お話を、しながら飲むことを想定されたカクテルなのですね」
「そのようですね」
淑女は炭酸水を飲んでも咎められることはないが、背伸びをしたいお年頃の淑女もそれなりにいる。きっと、そう言う淑女たちのために考案されたカクテルなのだろう。
「好まれませんか」
「……美味しいと思いますわ」
氷が溶けて味の落ち着いたユハナのカクテルは、どうやら合格点を貰えたようだ。
メルヴィ嬢は、す、と視線をそらしたが、その首筋が少し赤くなっている。酒をたしなむご令嬢を、はしたないと好まない向きもそれなりにいる。親しい間柄ではない自分にばれたのは、少しばかり、彼女にとっては気まずいのだろう。
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