上 下
28 / 175
本編

-28- 神器様の本質** オリバー視点

しおりを挟む
ああ、いけない…と気が付いたのは、ちらりとのぞき込んだ彼が自ら放った精液を苦々しい顔で見つめているのを目にしたから。
罪悪感にかられる必要など、全くないというのに、です。
自分の右手を浄化し、彼の手と壁を素早く浄化しました。
驚きを隠せない様子で私を振り向くその顔は、瞳を潤ませて、紅潮した様子がまだ抜け切れていない様子で、とてもそそるものでした。

「気にしてそうでしたから」
「これも、浄化なのか?」
「ええ。ですから、気にされずとも大丈夫ですよ。…それより」
「んんっ……おい、ちょっと」

それに、こちらも。
彼の臀部を手の甲でするりと撫で下ろし、そのままてらてらと蜜を流している内股へ触れると、甘い鼻息と咎める声がかかりました。
甘く、可愛らしく、瑞々しい苺の香り。
口にしたらさぞかし美味なのでしょうが…、今はするべきではないですね。

「ほら、後ろ、見てください。
後ろもしっかり濡れていますね。穴を塞いでいるのにこんなに漏れてますよ?どうします?」
「な、なんで……」
「ん?」

臀部の穴をしっかりと塞ぎながらも、あふれ出てくる蜜。
彼は困惑の表情を浮かべていますが…後ろから蜜が溢れることは、聞いてはいないのでしょうか?

「ペリエの実を口にしたのでしょう?だからですよ。
こんなに甘い匂いのする蜜を垂れ流して、可愛いですね」

耳元で囁けば、一度驚きの表情を美しい顔にのせ、そして、眉を顰めました。
顔色を確認しますが、青ざめてはいないようで、少し頬が赤らんでいることに安心します。
行為を受け入れたり、己の精を吐き出すことに、彼に罪などないのですから。
罪の意識や、恐怖や恐れ、そういった負の感情は少しでも与えたくない、そう思っています。
葛藤しているのは、自分の体と心の受け入れ、でしょうか?
私に対して、心も身体も素直になってもらいたい、今は、急かすことなく、彼の答えを待つだけです。

「抜いて、後ろも抜いて弄ってくれよ……」
「仰せのままに」

彼からの申し出に口元が自然と緩んでしまいました。
臀部の穴を埋めるそれをゆっくりと捻るように手前に抜き出そうとすれば、とたんに可愛らしい声が上がります。

「んんんっ……ああ……」
「お尻の穴、ひくひくしてますね。力、抜いてください、ええ、そうです。上手ですよ」

力を抜くよう声をかけると、少しだけ抵抗が緩みました。
抗う彼も可愛らしいですが、こうやってさらけ出して素直に応じる彼もとても可愛らしい。
後ろに埋まっているプラグは、私が今まで目にしたいくつかのものより長く、形は違いますが、性具の張形…ディルドに近い気がします。
いくつかの玉のように連なるそれらには、幾重にも術式が重なっていて気分が悪くなります。
ですが、ペリエの実を口にしてからまだ数時間。
おそらく産道との結びつきを無理やり広げて、保つものなのでしょう。
それと、『神器様は腹が減らないから、自分の精液を与えればいいだけだ』など、意味のわからないことを聞いたことがあります。
おそらく、産道を随時開いて、空腹を感じさせない効果もあるのだと思います。

少しずつ抜くたびに、あふれ出てくる蜜。
臀部の穴は、収縮するたび内壁の盛り上がりを見せてくれるのですが…しかし。

「抜けましたよ、全部で8つの玉からなるプラグみたいですね、芯はしっかりしてます。結構長いですけれど、痛くはなかったですか?」
「ん……、痛くは、なかった」

ああ、これは……彼は、後ろは初めてではなさそうですね。
色はとても綺麗ですし形もとても綺麗ですが、使い込まれて、慣れているように思えます。
私を招く前に、他のものを受け入れていたのでしょう。

年齢的には、ある程度経験があっても仕方のないことなのかもしれません。
ですが、この可愛らしい顔を、私以外のものに見せていたのだと知ってしまうと、許しがたいものがあります。

「そうですか」
「んん……、っあ、ゆ、指……っ」

人差し指をゆっくりと沈めると抵抗なく迎え入れてくれました。
言葉では咎めるような声があがりましたが、身体はとても素直です。
確かめるように中を探り、指を増やし、広げて、わざとらしく音をたて、彼の羞恥心を仰いでいく。

「んああっ!」
「ああ、ここですか……」

彼の良いところが見つかりました、とたん感じ入る声が上がります。
よかった。
見つからない方もいましたし、それでもわざとらしく喘ぐものもいましたから。
ですが、彼は、本当に気持ちが良いようで安心しました。
水音を泡音に変えて、ほら、触っていないのに前もこんなに立ち上がっています。
とろとろと甘い露をこぼして。

自分で扱きあげたわけじゃないのに…、本当に、可愛らしい。

「あああ、嫌だあ、そこばっかああっ……」
「気持ちがいいですね……、指では足りないでしょうか」

本当なら私のものでうめて、侵してしまいたい…そう衝動にかられますが、今はまだ。
彼が私を好きになるまでは、すべきではない。

埋まっていたプラグをディルド代わりに抜き差しを繰り返し、彼の良いところをこれでもかと刺激してあげました。
穴の内壁も喜びをあげて、より蜜を滴らせ、滑りを良くしていきます。
中は、さぞかし心地の良いのでしょうね。

「あああっ、やめて、駄目、そこ駄目……っ」
「駄目じゃなくて、いいんでしょう?前も後ろもびちゃびちゃですよ」
「ああああっ」

ああ、可愛らしく厭らしい喘ぎと共に、こんなに蜜と露を同時に溢れさせて、甘い苺の香りを充満させるなんて。
まだ誰も知らないあなたの姿を、私だけに見せてほしい。

「あああ、いく、いく……、触って、前、前!ああっ……」
「右手しか使えないから無理です、このままいってください」
「やあああ、無理いー……触って、ちんこ触ってっ…っあああっ」
「大丈夫、後ろだけでいけます。できるでしょう?ほら」
「あああっ……やあああ」

花柄の壁に、白く美しい精液を散らし…まだです、その先を私に見せてください。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

性感マッサージに釣られて

恋愛 / 完結 24h.ポイント:49pt お気に入り:17

最愛の人がいるのでさようなら

恋愛 / 完結 24h.ポイント:59,845pt お気に入り:633

ファントムペイン

BL / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:38

今度こそ穏やかに暮らしたいのに!どうして執着してくるのですか?

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:30,289pt お気に入り:3,446

私の婚約者は、いつも誰かの想い人

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:101,455pt お気に入り:2,629

婚約破棄されましたが、幼馴染の彼は諦めませんでした。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:3,976pt お気に入り:280

鬼上司と秘密の同居

BL / 連載中 24h.ポイント:3,458pt お気に入り:586

雑多掌編集v2 ~沼米 さくらの徒然なる倉庫~

大衆娯楽 / 連載中 24h.ポイント:596pt お気に入り:6

処理中です...