異世界ジュラシック・サバイバー

蛇崩 通

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第2話 巨大魔蟲の大軍に包囲された

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  第2話 巨大魔蟲の大軍に包囲された
 巨大魔蟲が、ワラワラとわいてきた。草の茂みの中から。
 巨木と巨木との距離は、百メートルはある。その中間付近は、雑草が生い茂っている。高さが、二メートルから三メートルの雑草もある。
 巨木の周辺、半径二十メートルくらいは、雑草があまりない。上空が木の枝葉に覆われて、日光があまり刺さないからだろう。それ以上先になると、木漏れ日が増加し、雑草が良く茂るようになる。巨木から三十メートル以上離れると、背の高い雑草が密集している。
 大量の魔蟲は、そうした草の茂みから、現れてきたのだ。
 魔蟲は、見たことのある昆虫の巨大版もいるが、見たことのないタイプもいる。
 小さいものは一メートル、大きなものは三メートル超え。巨大蜈蚣むかでは、長さが五メートル以上ありそうだ。
 皆、ティラノサウルスと巨大蟷螂かまきりの死骸を、狙っているのだ。
 これだけの数を相手に、どうするか。
 せっかくティラノの肉が、良い感じで焼けてきたのに。
 ティラノの肉を置いて、逃げるわけにはいかない。
 戦うしか、ない。
 そうだ。火を使おう。
 昆虫は、一般論として、熱に弱い。多くの昆虫の熱致死点は、四十度前後だ。
 昆虫には肺がない。体表面にある気門から空気を取り入れ、体内に張り巡らせた気管を空気が流れる。
 よって、火で熱した熱い空気に触れただけで、体内中の気管を熱い空気が駆け巡り、絶命する。魔蟲も、同様のはずだ。
 巨大魔蟲の大軍が、接近してきた。距離はもう、二十メートルを切っている。
 だが、巨大魔蟲たちの前進は遅い。おそらく、き火を警戒しているのだろう。
 放り投げた。火の付いた焚き木を。次々に、三本。前後と右手側、十数メートル先に。
 自分の左手十メートルほど先には、巨木の幹がある。
 自分の正面三メートルほど先には、解体中のティラノサウルスの死骸がある。その右手側五メートル先に、巨大蟷螂の死骸がある。
 巨大魔蟲の大軍の前進が、止まった。
 だが、地面に落ちた焚き木の火が消えれば、ふたたび接近してくるはずだ。
 とはいえ、時間を稼ぐことができた。この時間を、有効に使わなければ。
 焚き火に焚き木を補充すると共に、たいまつを作り始めた。
 一メートルほどの長さの枯れ枝の先端に、枯れ草を何重にも巻いた。
 次に、二メートルほどの長さの枯れ枝で、槍を作った。先端を打製石器で削って鋭くし、固くするため、焚き火の火で焼いた。
 投げたたいまつの火が小さくなってきた。
 もうすぐ、時間切れだ。
 槍の先端の火を、土をかけて消した。
 すぐに、枯れ草をまき始めた。槍の穂先の根元に。何重にも。
 巻いた枯れ草に、火をつけた。
 炎の槍の完成だ。
 高く掲げた。炎の槍を。右手で。
 左手には、一メートルの長さのたいまつを持った。
 戦闘準備完了だ。
 焚き木の火が消えた。まだ、煙は立ちのぼっているが。
 時間だ。
 さあ、魔蟲退治と、いこうか。
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