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第4章第二話 王女拉致事件
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第4章第二話 王女拉致事件
思わず、立ち上がった。炎姫が。愕然とした表情で。
「どういうことだ!」
思わず口ごもった。炎姫の剣幕に。伝令の兵士が。直立不動の姿勢で。
だが、口を開いた。伝令の兵士が。気を取り直して。
「報告します。第十五砦の屋上で、魔族と交渉していたリリーシア王女殿下が、拉致されました。交渉が決裂して」
怒鳴るように尋ねた。炎姫が。
「いつだ?」
「午後三時過ぎのようです」
「二時間以上も前じゃないか!」
炎姫のその怒声に、縮こまった。伝令の兵士が。
その時間帯は、ちょうど、炎龍王女が敗走した時間だ。
おそらく、炎龍王女と連携した行動だろう。
魔族の角は、ただの飾りではあるまい。
角を通じて、情報のやりとりをしているに違いない。
伝達手段が、電波なのか、超音波なのか、あるいは、テレパシーのような超能力なのかは、不明だが。
炎龍王女の作戦では、第十六砦の屋上に集めた三大魔法剣姫を、スカイ・ドラゴン百匹で、一網打尽にする計画だった。
抹殺する標的は、三大魔法剣姫だけでは、なかっただろう。
トッキロも、その抹殺対象だったに違いない。
なぜなら、その前日に、水魔法のウオーター・カッターで、アース・ドラゴンを五百数十匹も倒したのだから。
だが、炎龍王女の作戦は、失敗に終わった。
百匹のスカイ・ドラゴンも、全滅した。
第十六砦を百匹のスカイ・ドラゴンで焼き尽くしたあと、その百匹を投入して、第十五砦の屋上に集めたS級魔法使いたちを、焼き殺す計画だった。
その計画が、実行不可能になった。
そこで、当初の作戦を変更して、リリーシア王女を拉致したのだろう。
リリーシアは、この王国の第三王女だ。
王立魔法学園北校の一年生なので、年齢は十五歳か十六歳のはずだ。
彼女は現在、第十五砦の臨時司令官で、同時に南城壁の臨時副司令官を兼務している。
南城壁の最高指揮官は、彼女の同母兄の第二王子ユリシウスだ。
ユリシウスは、王国騎士団長で、王都外壁防衛隊の総司令官だ。
王都に侵攻した魔王軍との戦いは、熾烈を極めた。特に、最初の三日間は。
王都の騎士団は、総兵力が四万人だった。
ユリシウスは事前に、予備役二万人を動員した。魔王軍が、中部州南部の要塞を攻略したあとに。
さらに、退役将兵五千名を、いつでも動員できるように準備しておいた。魔王軍が、王都に迫った段階で。
魔王軍の王都侵攻後、最初の三日間の激戦で、現役及び予備役の将兵三万人が死傷した。
その三日目に、ユリシウスは重傷を負った。南城壁上で指揮を執っていたときだ。
魔族の火炎攻撃を受けて、全身に大やけどを負った。
だが、意識はあり、意思の疎通もできるため、騎士団長兼総司令官の地位に留まっている。
しかし、ベッドから離れることはできず、S級やA級ヒーラーによって、二十四時間集中治療が続いている。
そのため、魔族との交渉の現場に、ユリシウスの代わりに、リリーシアが臨んだのだ。
頭を抱えた。炎姫が。
「なんということだ。リリーシア王女殿下は、王国の最後の希望だというのに……」
第三王女リリーシアは、第二王子ユリシウスと共に、人望があるようだ。それに、能力も。
第一王子、すなわち皇太子は、王宮のある王都中央区に、引きこもっている。
中央区の周囲は、王都の外壁とほぼ同じ規模の巨大な城壁に囲まれている。
通称、内壁だ。
皇太子は、一万名の兵力を誇る王国近衛隊の総司令官を務めている。
皇太子、第一王女、第二王女は、ユリシウスとリリーシアの兄妹とは、母親が異なる。
第一王女と第二王女は、すでに嫁いでいる。
よって、最前線で魔王軍と戦っている王族は、ユリシウスとリリーシアの兄妹だけだ。
ユリシウスが重傷を負ってからは、リリーシアが事実上、総司令官の役割を果たしていた。形式上は、南城壁の臨時副司令官だったが。
そのときだった。
トッキロが、口を開いた。
「希望を、取り戻しましょう」
全員が、視線を向けた。炎姫、氷姫、雷姫が。それに、北校と南校の女生徒たちも。
言葉を、続けた。
「拉致されたのなら、奪還するべきです。リリーシア王女殿下を」
思わず、立ち上がった。炎姫が。愕然とした表情で。
「どういうことだ!」
思わず口ごもった。炎姫の剣幕に。伝令の兵士が。直立不動の姿勢で。
だが、口を開いた。伝令の兵士が。気を取り直して。
「報告します。第十五砦の屋上で、魔族と交渉していたリリーシア王女殿下が、拉致されました。交渉が決裂して」
怒鳴るように尋ねた。炎姫が。
「いつだ?」
「午後三時過ぎのようです」
「二時間以上も前じゃないか!」
炎姫のその怒声に、縮こまった。伝令の兵士が。
その時間帯は、ちょうど、炎龍王女が敗走した時間だ。
おそらく、炎龍王女と連携した行動だろう。
魔族の角は、ただの飾りではあるまい。
角を通じて、情報のやりとりをしているに違いない。
伝達手段が、電波なのか、超音波なのか、あるいは、テレパシーのような超能力なのかは、不明だが。
炎龍王女の作戦では、第十六砦の屋上に集めた三大魔法剣姫を、スカイ・ドラゴン百匹で、一網打尽にする計画だった。
抹殺する標的は、三大魔法剣姫だけでは、なかっただろう。
トッキロも、その抹殺対象だったに違いない。
なぜなら、その前日に、水魔法のウオーター・カッターで、アース・ドラゴンを五百数十匹も倒したのだから。
だが、炎龍王女の作戦は、失敗に終わった。
百匹のスカイ・ドラゴンも、全滅した。
第十六砦を百匹のスカイ・ドラゴンで焼き尽くしたあと、その百匹を投入して、第十五砦の屋上に集めたS級魔法使いたちを、焼き殺す計画だった。
その計画が、実行不可能になった。
そこで、当初の作戦を変更して、リリーシア王女を拉致したのだろう。
リリーシアは、この王国の第三王女だ。
王立魔法学園北校の一年生なので、年齢は十五歳か十六歳のはずだ。
彼女は現在、第十五砦の臨時司令官で、同時に南城壁の臨時副司令官を兼務している。
南城壁の最高指揮官は、彼女の同母兄の第二王子ユリシウスだ。
ユリシウスは、王国騎士団長で、王都外壁防衛隊の総司令官だ。
王都に侵攻した魔王軍との戦いは、熾烈を極めた。特に、最初の三日間は。
王都の騎士団は、総兵力が四万人だった。
ユリシウスは事前に、予備役二万人を動員した。魔王軍が、中部州南部の要塞を攻略したあとに。
さらに、退役将兵五千名を、いつでも動員できるように準備しておいた。魔王軍が、王都に迫った段階で。
魔王軍の王都侵攻後、最初の三日間の激戦で、現役及び予備役の将兵三万人が死傷した。
その三日目に、ユリシウスは重傷を負った。南城壁上で指揮を執っていたときだ。
魔族の火炎攻撃を受けて、全身に大やけどを負った。
だが、意識はあり、意思の疎通もできるため、騎士団長兼総司令官の地位に留まっている。
しかし、ベッドから離れることはできず、S級やA級ヒーラーによって、二十四時間集中治療が続いている。
そのため、魔族との交渉の現場に、ユリシウスの代わりに、リリーシアが臨んだのだ。
頭を抱えた。炎姫が。
「なんということだ。リリーシア王女殿下は、王国の最後の希望だというのに……」
第三王女リリーシアは、第二王子ユリシウスと共に、人望があるようだ。それに、能力も。
第一王子、すなわち皇太子は、王宮のある王都中央区に、引きこもっている。
中央区の周囲は、王都の外壁とほぼ同じ規模の巨大な城壁に囲まれている。
通称、内壁だ。
皇太子は、一万名の兵力を誇る王国近衛隊の総司令官を務めている。
皇太子、第一王女、第二王女は、ユリシウスとリリーシアの兄妹とは、母親が異なる。
第一王女と第二王女は、すでに嫁いでいる。
よって、最前線で魔王軍と戦っている王族は、ユリシウスとリリーシアの兄妹だけだ。
ユリシウスが重傷を負ってからは、リリーシアが事実上、総司令官の役割を果たしていた。形式上は、南城壁の臨時副司令官だったが。
そのときだった。
トッキロが、口を開いた。
「希望を、取り戻しましょう」
全員が、視線を向けた。炎姫、氷姫、雷姫が。それに、北校と南校の女生徒たちも。
言葉を、続けた。
「拉致されたのなら、奪還するべきです。リリーシア王女殿下を」
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