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第二章 不死身塚<第1話 御神体>
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<第二章 第1話 御神体>
急勾配の石段を登り続けた。
ミコの登る速度が、だいぶ落ちてきた。
オートの少年たちが、迫ってきた。彼らはすでに、四つ足で石段を登っている。手を使いたくなるほど、勾配が急になってきたのだ。
迫ってきた敵を、蹴り落とした。敵のアゴに、踵を蹴り込んで。
転落した。オートの少年の先頭が。急勾配の石段から。数名の少年を巻き込んで。
さらにその数名が、後方の数名を巻き込んだ。
雪崩のような現象が発生した。オートの少年たちの間で。多くの少年たちが、何段、何十段もの石段を、転がり落ちた。
「後頭部を石段に強く打ったら、死ぬ人もいるかも。大ケガで、すめば良いけど」
サトルのその言葉に、ミコは振り返らずに答えた。
「たぶん、あたしたちのせいにされるわ。明日の今頃は、あたしたち指名手配犯ね。殺人事件の。手配写真が、出回るわよ」
「未成年だから、顔写真は載らないでしょ」
「あまいわね。常識が通用するような相手じゃないわ」
「その敵だけど、何者なの?」
「結界内に入ってから、答えるわ。もう、息切れしてきた。きついわね。この石段を、一時間に二回も登るのは」
登りきった。三百三十三段の石段を。
二つめの鳥居をくぐった。この鳥居は石造りで、江戸時代に建造された。
ミコは両手を両膝にあてて、肩で息をしている。
彼女が、息を整えるのを待った。
オートの少年たちが、迫ってきた。さきほど蹴り落とした者たちとは、別の者たちだ。
「敵が迫ってきたけど、この鳥居の中には、入れないんだよね」
「ええ、そうよ。サトルには、結界が見えるかしら?」
「見えないよ」
「見せてあげるわ」
そう言って、ミコがサトルの手を握った。
「見て。鳥居を。なにが見える?」
「緑色の透明なガラス的なもの」
「正解よ」
先頭の少年が、石造りの鳥居の手前まで来た。
手を伸ばした。鳥居の先へと。
その瞬間、手を引っ込めた。その少年が。まるで、静電気に触れて、バチッときたときのように。
次々にオートの少年が、鳥居の手前に、たどり着いた。だが誰も、結界内に入ろうとはしない。
「人形使いのほうも、気づいたようね。結界を張ってあることに」
「結界が破れることは、ないの?」
「人形使いには、無理ね」
ミコが、神社に向かった。
賽銭箱の前で、二礼した。
「小銭、あるよ」
思わずサトルが、そう声をかけた。ミコが、賽銭を入れようとしないので。
「必要ないわ。神様にお願いに来たのではないから」
そう言うと、ミコは賽銭箱を回り込んだ。
本殿の木製階段を登ると、スライド式の扉に、両手をかけた。
本殿の扉を、開けた。
「まずいんじゃない? 勝手に中に入るのは」
「いいのよ。あたしはミコだから」
巫女、という意味だろうか。
靴を脱ぐと、ミコは本殿の中に入った。
サトルは後方から、中をのぞいた。
ミコが二礼した。御神体に向かって。
御神体は、日本刀だった。
ミコが、両手で手に取った。御神体の日本刀を。
振り返った。ミコが。
「これが、あなたの武器。霊斬刀よ」
急勾配の石段を登り続けた。
ミコの登る速度が、だいぶ落ちてきた。
オートの少年たちが、迫ってきた。彼らはすでに、四つ足で石段を登っている。手を使いたくなるほど、勾配が急になってきたのだ。
迫ってきた敵を、蹴り落とした。敵のアゴに、踵を蹴り込んで。
転落した。オートの少年の先頭が。急勾配の石段から。数名の少年を巻き込んで。
さらにその数名が、後方の数名を巻き込んだ。
雪崩のような現象が発生した。オートの少年たちの間で。多くの少年たちが、何段、何十段もの石段を、転がり落ちた。
「後頭部を石段に強く打ったら、死ぬ人もいるかも。大ケガで、すめば良いけど」
サトルのその言葉に、ミコは振り返らずに答えた。
「たぶん、あたしたちのせいにされるわ。明日の今頃は、あたしたち指名手配犯ね。殺人事件の。手配写真が、出回るわよ」
「未成年だから、顔写真は載らないでしょ」
「あまいわね。常識が通用するような相手じゃないわ」
「その敵だけど、何者なの?」
「結界内に入ってから、答えるわ。もう、息切れしてきた。きついわね。この石段を、一時間に二回も登るのは」
登りきった。三百三十三段の石段を。
二つめの鳥居をくぐった。この鳥居は石造りで、江戸時代に建造された。
ミコは両手を両膝にあてて、肩で息をしている。
彼女が、息を整えるのを待った。
オートの少年たちが、迫ってきた。さきほど蹴り落とした者たちとは、別の者たちだ。
「敵が迫ってきたけど、この鳥居の中には、入れないんだよね」
「ええ、そうよ。サトルには、結界が見えるかしら?」
「見えないよ」
「見せてあげるわ」
そう言って、ミコがサトルの手を握った。
「見て。鳥居を。なにが見える?」
「緑色の透明なガラス的なもの」
「正解よ」
先頭の少年が、石造りの鳥居の手前まで来た。
手を伸ばした。鳥居の先へと。
その瞬間、手を引っ込めた。その少年が。まるで、静電気に触れて、バチッときたときのように。
次々にオートの少年が、鳥居の手前に、たどり着いた。だが誰も、結界内に入ろうとはしない。
「人形使いのほうも、気づいたようね。結界を張ってあることに」
「結界が破れることは、ないの?」
「人形使いには、無理ね」
ミコが、神社に向かった。
賽銭箱の前で、二礼した。
「小銭、あるよ」
思わずサトルが、そう声をかけた。ミコが、賽銭を入れようとしないので。
「必要ないわ。神様にお願いに来たのではないから」
そう言うと、ミコは賽銭箱を回り込んだ。
本殿の木製階段を登ると、スライド式の扉に、両手をかけた。
本殿の扉を、開けた。
「まずいんじゃない? 勝手に中に入るのは」
「いいのよ。あたしはミコだから」
巫女、という意味だろうか。
靴を脱ぐと、ミコは本殿の中に入った。
サトルは後方から、中をのぞいた。
ミコが二礼した。御神体に向かって。
御神体は、日本刀だった。
ミコが、両手で手に取った。御神体の日本刀を。
振り返った。ミコが。
「これが、あなたの武器。霊斬刀よ」
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