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旅立
子供の在り方
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「ありがとうございました!またのお越しをお待ちしておりますー!」
テーブルに残る空いた皿をトレイに乗せ、次々と席を立ち会計を済ましていくお客達に礼を述べるレオン。食器を片付け終えた後、テーブルを拭きに戻るととあるグループの客達の話が耳に入る。
「そう言えばよ、今回のエアシップフェスティバルの目玉の戦艦……噂だと盗まれちまったらしいぜ?」
「それって技術者や研究者だけじゃなくてあの世界政府も開発に協力したって戦艦の事か?結構噂になってるけどその戦艦が格納されてたのって空軍本部だろう?蟻一匹忍ばせないで有名な彼処から物を盗むなんて……噂は噂だよ」
だよなぁー、と直ぐに笑い話となり話が別の話題に切り替わるとレオンは話の内容は覚えたにしても特に気にも止めず丁寧にテーブルを拭いていた。
「レオン、ちょっといいかぃ?」
テーブル拭きから戻り、厨房に戻って置かれていた料理を運ぼうとすると不意に神妙な顔付きのダグラスに呼び止められる。手に持ったトレイを置き直し何だろう?と小首を傾げると中くらいの革袋を手渡されずっしりとしたその袋の中身を見てみると何と金貨がたっぷりと入っていたのだ。
「ど、どどどどうしたんですか!?こんな大金を……」
今の今までおねだりなどしてこなかったレオンはあまりの大金に動揺してしまい、目に涙を浮かべながらこの金貨について問い掛けた。
「お前はここまで育っても、一度もおじさんとおばさんにおねだり一つねだって来なかった。だから今日は仕事はもう終えて出店で何が美味しい物や欲しい物を買ってきなさい」
ダグラスはそう言う以外に説明が出来なかった。いずれ来る別れの時、何も持たせてやれないなど不甲斐なさ過ぎる。レオンを預かり、稼業が軌道に乗ってコツコツと貯めたレオンの為の金銭を渡すと彼はレオンの頭を優しく撫でる。
酒場のメインフロアは時間も時間でありだんだんととお客は少なくなってきたが、まだチラホラと席に座り雑談をしている者達が居た。そんな時に来客を知らせるドアの鐘がカランとなり、レオンは一旦金貨入りの革袋をテーブルに置き接客に向かった。
「いらっしゃいませー!お一人様でしょうか?」
黒い髪に紅いコートを羽織り、サングラスを掛けた男はレオンを見下ろした後に酒場のメインフロアを見回した。幼い頃からお客との接客でどのような気持ちになっているのか察する事が出来るレオンでも、この客が何を考えているのか分からなかった。外れかもしれないが「あの店がこんなにも……」と言う気持ちなのかなと思っていると男はレオンの問いかけに答える。
「あぁ、私一人だ。席は……そうだな、あそこの席が空いてあるならばそこを希望したい。それと、この酒場のオーナーであるダグラス氏との面談も希望したい故申し訳ないが呼んできてもらえないだろうか」
自分が一人であると同時に指差した場所への席指定、そして叔父であるダグラスとの面会を希望する男にレオンは首を傾げるも指定された席へと男を誘導する。
「……今お冷をお持ちして、オーナーに声を掛けてきますね?」
「あぁ、宜しく頼む。……時に少年、こんな夜更けに幼い君が接客をしている事に対して私は少しばかり驚いているのだが歳は幾つだね」
席に腰掛けた男はこの時間帯、普通なら寝ている寝ているであろう子供のレオンについて問い掛けた。確かに少し眠気が出てきたものの誰かの為に働く事を苦と感じないレオンは相手の質問に答えた。
「えへへ、ここのおじさん夫婦にはお世話になってまして……あと僕は6歳になったばかりです!ではお冷をお持ちして参りますねっ!」
そう男に告げるとレオンは踵を返し水を汲みに男から離れていった、男はその様子を見送り視線を天井に向けると呟く。
「お世話、6歳……。はてさて、約束はしっかりと果たしてくれたみたいだな……ダグラス」
テーブルに残る空いた皿をトレイに乗せ、次々と席を立ち会計を済ましていくお客達に礼を述べるレオン。食器を片付け終えた後、テーブルを拭きに戻るととあるグループの客達の話が耳に入る。
「そう言えばよ、今回のエアシップフェスティバルの目玉の戦艦……噂だと盗まれちまったらしいぜ?」
「それって技術者や研究者だけじゃなくてあの世界政府も開発に協力したって戦艦の事か?結構噂になってるけどその戦艦が格納されてたのって空軍本部だろう?蟻一匹忍ばせないで有名な彼処から物を盗むなんて……噂は噂だよ」
だよなぁー、と直ぐに笑い話となり話が別の話題に切り替わるとレオンは話の内容は覚えたにしても特に気にも止めず丁寧にテーブルを拭いていた。
「レオン、ちょっといいかぃ?」
テーブル拭きから戻り、厨房に戻って置かれていた料理を運ぼうとすると不意に神妙な顔付きのダグラスに呼び止められる。手に持ったトレイを置き直し何だろう?と小首を傾げると中くらいの革袋を手渡されずっしりとしたその袋の中身を見てみると何と金貨がたっぷりと入っていたのだ。
「ど、どどどどうしたんですか!?こんな大金を……」
今の今までおねだりなどしてこなかったレオンはあまりの大金に動揺してしまい、目に涙を浮かべながらこの金貨について問い掛けた。
「お前はここまで育っても、一度もおじさんとおばさんにおねだり一つねだって来なかった。だから今日は仕事はもう終えて出店で何が美味しい物や欲しい物を買ってきなさい」
ダグラスはそう言う以外に説明が出来なかった。いずれ来る別れの時、何も持たせてやれないなど不甲斐なさ過ぎる。レオンを預かり、稼業が軌道に乗ってコツコツと貯めたレオンの為の金銭を渡すと彼はレオンの頭を優しく撫でる。
酒場のメインフロアは時間も時間でありだんだんととお客は少なくなってきたが、まだチラホラと席に座り雑談をしている者達が居た。そんな時に来客を知らせるドアの鐘がカランとなり、レオンは一旦金貨入りの革袋をテーブルに置き接客に向かった。
「いらっしゃいませー!お一人様でしょうか?」
黒い髪に紅いコートを羽織り、サングラスを掛けた男はレオンを見下ろした後に酒場のメインフロアを見回した。幼い頃からお客との接客でどのような気持ちになっているのか察する事が出来るレオンでも、この客が何を考えているのか分からなかった。外れかもしれないが「あの店がこんなにも……」と言う気持ちなのかなと思っていると男はレオンの問いかけに答える。
「あぁ、私一人だ。席は……そうだな、あそこの席が空いてあるならばそこを希望したい。それと、この酒場のオーナーであるダグラス氏との面談も希望したい故申し訳ないが呼んできてもらえないだろうか」
自分が一人であると同時に指差した場所への席指定、そして叔父であるダグラスとの面会を希望する男にレオンは首を傾げるも指定された席へと男を誘導する。
「……今お冷をお持ちして、オーナーに声を掛けてきますね?」
「あぁ、宜しく頼む。……時に少年、こんな夜更けに幼い君が接客をしている事に対して私は少しばかり驚いているのだが歳は幾つだね」
席に腰掛けた男はこの時間帯、普通なら寝ている寝ているであろう子供のレオンについて問い掛けた。確かに少し眠気が出てきたものの誰かの為に働く事を苦と感じないレオンは相手の質問に答えた。
「えへへ、ここのおじさん夫婦にはお世話になってまして……あと僕は6歳になったばかりです!ではお冷をお持ちして参りますねっ!」
そう男に告げるとレオンは踵を返し水を汲みに男から離れていった、男はその様子を見送り視線を天井に向けると呟く。
「お世話、6歳……。はてさて、約束はしっかりと果たしてくれたみたいだな……ダグラス」
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