紅い空賊リベリオン

lindaman

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旅立

夫婦との別れ、そして離陸準備

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「ふんっ!」

最後の一人の攻撃を受け流し、眉間に鉄拳を喰らわせると男は大きく店内から店外へと吹っ飛び積まれていた藁がクッションとなり埋もれてしまった。

店内に残っているのは15人、その内13人が床に倒れ込んでいる状態。残りの二人は得物は構えているものの襲いかかってくる様子は無い。

「交戦の意思がなければ仲間を連れて立ち去るといい。この時代、暴力で生きていくには既にそれなりの実力と経験が必要になってくる。世の中、賢く生きていかねばならん」

フォークとスプーンを合わせてテーブルに置き、此方も戦闘態勢を解くと残ったゴロツキに忠告と生きる上必要なアドバイスを送ると残った男達は得物を捨てて仲間達を外に運び始めた。

「懸命な判断だ」

その行動に小さく頷き、背を向けてロクサは気絶してしまっているレオンの所へと歩み寄る。

「恐らく店内にいた誰かが警備兵を呼んだかもしれん。早々にここを立ち去る故、この子を返してもらうぞ。君達はこの店の管理者、事情聴取を受けることになるだろうから此処から離れぬ方がいい」

介抱しているイザリアの腕からヒョイとレオンを抱き抱えると予期せぬ事態にこの場から離れる事にしたロクサ、イザリアは手を伸ばそうとするがダグラスがそれを優しく止める。

「ロクサ……その子に自分が父親だといつ告げるんだ?」

「困惑は早くに訪れていた方が解決が早い、意識を取り戻したら直ぐにでも話をするさ」

ダグラスの問い掛けにロクサは既に決めていたかのように離すと店の外へ出ていこうとする、しかし数歩歩くと立ち止まりダグラス夫妻へと振り返った。

「……子を育てるのは、とても大変だと聞いていた。見て分かる通り、優しい子に育ててくれた事を心より感謝する。ありがとう、ダグラス、イザリア」

そう言い終えるとロクサはレオンを抱え直し店を後にする。

「っ……レオン……うぅ……」
「……大丈夫さ、きっと大きくなってまた顔を見せに来てくれるよ。温厚で優しく、何よりも他人を深く思いやれる子なんだから……」

泣き崩れるイザリアを優しく抱き締めるダグラス、既に二人の視界からはロクサの姿は消えていた。




「オーサカ、正門からは出られそうか?」
「駄目やな、より一層警備が頑丈になっとる。入国者だけじゃなくて出国者も取り調べを受け取るで。……拉致があかんから一時国の出入りを禁止する措置を取るかも分からんなぁ……」

裏路地にてロクサは仲間であり外で待機させておいたオーサカに連絡を取っていた、何かのトラブルが起きた場合に門が閉鎖されていた場合を考慮して残してきた訳だがロクサの判断は正解だったようだ。

「ドローンで調べた限りやとどの門も同じような状態や、正規のルートは完全にアウト。水路の方にも今警備隊が向かっとるから間に合わない、もしくは鉢合わせの可能性も大や。どないするん、ここは俺のお笑い108連発で注目を浴びさせてそこを抜け目として脱出するか?」

「それがやりたいだけだろうに、地上が駄目ならば空の逃亡はどうだ?アレを使えば回収も可能だろう。……世界的なニュースになるかもしれんが……兎に角回収地点を決めよう。そっちは事前にドローンで撮影した国の見取り図があるだろう、俺は入国時にパンフレットを貰ったから照らし合わせて決めてしまおう。……なるべく高所を選びたいものだが……」

抱き抱えていたレオンを一旦下ろし紐を手に取ると抱え紐も作り再度レオンを背負う、こうすれば両手が空き行動に移せる。樽の上に入国した際に受け取ったパンフレットを広げると小さいが道順やスポットなどが明記されておりとある建物を指差す。

「イノリー教会、此処は丘の上に建設されているらしいからここにするとしよう。今の時間帯、人も少ない筈だ」

「ガッテン承知の助ぇ!んじゃ今から船に戻って離陸準備をするで!15分ぐらいで到着するからその前に着いてたら隠れて待っとけやボケェ!」

最後の暴言だけが意味不明だが、回収地点は決まった。レオンはまだ目覚めない。

ゴタゴタの中で自分が父親だと言うことは話したくない、早く船に戻り束の間のひとときを過ごしながら伝えたいと思ったロクサだった。
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