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36. 臆病者。そして愚か者
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36. 臆病者。そして愚か者
そして放課後になり聖菜さんたちと一緒にカラオケ店に向かうことになっている。オレが校門まで歩いていくと、そこには東雲さんがいた。
「あれ?東雲さんだけか?」
「あら?聖菜と一緒じゃなかったのかしら?ちなみに彩音は職員室に呼ばれているわ」
「そうか。じゃあ待つか」
「…………」
無言でオレを見つめたまま立ち尽くす東雲さん。どうしたんだろうか?
「なにか?」
「ここで待ってないで聖菜を探してきたら?私といても面白くないでしょ」
「いや面白いとかじゃないと思うが、まぁそうだな。まだ教室にいるのかも」
オレはそのまま聖菜さんを探しに教室に戻るが、聖菜さんの姿はない。
「あれ?どこにいるんだ?」
スマホを取り出し、聖菜さんにメッセージを送る。しかし少し待っても返事がない。おかしいな。もしかしたらすれ違ったかな?オレが校門に戻ろうとすると空き教室で聖菜さんを見かける。
「あ。聖菜さ……」
その異様な光景を見てオレは声をかけるのをやめて、そのまま隠れる。その空き教室には聖菜さんと隣のクラスの男子がいた。これはもしかしなくても……
「高宮さん。ずっと好きでしたオレと付き合ってください!」
やっぱり告白!?マジかよ!?聖菜さんは人気があって密かに狙っている男子がいるのは知ってたが……。まさかそんな現場に出くわすとは。
「えっと……」
「ダメかな?もしかして神坂君だっけ?付き合ってるのか?」
そう言われた聖菜さんは少し俯いて答えた。
「……いや付き合ってはいないね」
その言葉を聞いてオレは胸が痛くなった。確かに聖菜さんと付き合っていない。それはオレが……
「……少し考えたいかな。返事は少し待ってほしい」
「分かった。それじゃ」
「うん」
聖菜さんはそのまま空き教室を出ていく。その時の聖菜さんの顔はオレに痛いくらい刻まれた。その顔は今まで見たことない寂しい顔をしていたから。
そしてその足で校門に戻る。するとそこにはみんなが集まっていた。もちろん……聖菜さんもだ。
「遅いぞ神坂!」
「あっああ。悪い」
「優斗君。ごめんね。メッセージ気づかなくて……」
「……何してたの」
「え?ちょっとね?」
「そっか……」
いつもと同じ笑顔をオレに向ける聖菜さん。でも今日は違う。その笑顔がとても辛い。
そして駅前のカラオケ屋まで歩いていくことにする。男1人に女3人。端から見れば西城さんの言う通りハーレムなのかもしれない。そんな状況がさらに追い討ちをかける。オレは本当に好きな人にすら告白できない臆病者だから。
『将来は君の奥様やらしてもらってます!』
オレは聖菜さんのその言葉に安心していたんだ。キスやお泊まりだってしてる。特別なんだ。と。
その慢心が聖菜さんに寂しい顔をさせてしまった。そして聖菜さんは今までもきっと……。それに今頃気づかされた愚か者だオレは。そんなことを考えていると西城さんが思い付いたかのように提案する。
「あっ!飲み物買ってかない?聖菜と舞子さ先に行っててくんない?神坂。荷物持って」
「え?」
「じゃあ私は烏龍茶で。聖菜は?」
「私も同じでいいよ」
「オッケー。じゃあコンビニに行くぞ神坂!」
そう言ってオレの腕を引っ張る西城さん。正直、今この場から離れられるなら……聖菜さんと一緒じゃないなら助かる。そう思っている自分がいた。
そして放課後になり聖菜さんたちと一緒にカラオケ店に向かうことになっている。オレが校門まで歩いていくと、そこには東雲さんがいた。
「あれ?東雲さんだけか?」
「あら?聖菜と一緒じゃなかったのかしら?ちなみに彩音は職員室に呼ばれているわ」
「そうか。じゃあ待つか」
「…………」
無言でオレを見つめたまま立ち尽くす東雲さん。どうしたんだろうか?
「なにか?」
「ここで待ってないで聖菜を探してきたら?私といても面白くないでしょ」
「いや面白いとかじゃないと思うが、まぁそうだな。まだ教室にいるのかも」
オレはそのまま聖菜さんを探しに教室に戻るが、聖菜さんの姿はない。
「あれ?どこにいるんだ?」
スマホを取り出し、聖菜さんにメッセージを送る。しかし少し待っても返事がない。おかしいな。もしかしたらすれ違ったかな?オレが校門に戻ろうとすると空き教室で聖菜さんを見かける。
「あ。聖菜さ……」
その異様な光景を見てオレは声をかけるのをやめて、そのまま隠れる。その空き教室には聖菜さんと隣のクラスの男子がいた。これはもしかしなくても……
「高宮さん。ずっと好きでしたオレと付き合ってください!」
やっぱり告白!?マジかよ!?聖菜さんは人気があって密かに狙っている男子がいるのは知ってたが……。まさかそんな現場に出くわすとは。
「えっと……」
「ダメかな?もしかして神坂君だっけ?付き合ってるのか?」
そう言われた聖菜さんは少し俯いて答えた。
「……いや付き合ってはいないね」
その言葉を聞いてオレは胸が痛くなった。確かに聖菜さんと付き合っていない。それはオレが……
「……少し考えたいかな。返事は少し待ってほしい」
「分かった。それじゃ」
「うん」
聖菜さんはそのまま空き教室を出ていく。その時の聖菜さんの顔はオレに痛いくらい刻まれた。その顔は今まで見たことない寂しい顔をしていたから。
そしてその足で校門に戻る。するとそこにはみんなが集まっていた。もちろん……聖菜さんもだ。
「遅いぞ神坂!」
「あっああ。悪い」
「優斗君。ごめんね。メッセージ気づかなくて……」
「……何してたの」
「え?ちょっとね?」
「そっか……」
いつもと同じ笑顔をオレに向ける聖菜さん。でも今日は違う。その笑顔がとても辛い。
そして駅前のカラオケ屋まで歩いていくことにする。男1人に女3人。端から見れば西城さんの言う通りハーレムなのかもしれない。そんな状況がさらに追い討ちをかける。オレは本当に好きな人にすら告白できない臆病者だから。
『将来は君の奥様やらしてもらってます!』
オレは聖菜さんのその言葉に安心していたんだ。キスやお泊まりだってしてる。特別なんだ。と。
その慢心が聖菜さんに寂しい顔をさせてしまった。そして聖菜さんは今までもきっと……。それに今頃気づかされた愚か者だオレは。そんなことを考えていると西城さんが思い付いたかのように提案する。
「あっ!飲み物買ってかない?聖菜と舞子さ先に行っててくんない?神坂。荷物持って」
「え?」
「じゃあ私は烏龍茶で。聖菜は?」
「私も同じでいいよ」
「オッケー。じゃあコンビニに行くぞ神坂!」
そう言ってオレの腕を引っ張る西城さん。正直、今この場から離れられるなら……聖菜さんと一緒じゃないなら助かる。そう思っている自分がいた。
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