【たいむりーぷ？】『私。未来であなたの奥様やらせてもらってます！』～隣の席の美少女はオレの奥様らしい。きっと新手の詐欺だと思う……たぶん。～

76. 放課後の教室は禁句

76.　放課後の教室は禁句



　そして文化祭前日。無事に明日の準備を終えたオレは、放課後。聖菜さんと西城さんと東雲さんと共に駅近くのカフェで休憩をしていた。

「いやぁ明日から2日間は遊び放題でしょ！」

「私も楽しみかな」

「私はメイド服着たくないわ……丈が短いし、胸元もあきすぎだし」

「まだ言ってんの舞子？あんなの普通っしょ？可愛い下着つけてこいよ。どうせ見えるんだから」

「だから着たくないのよ！男子生徒の視線とか浴びるなんて……地獄だわ」

　女子の会話って本当に凄いな。オレには絶対に無理だ。というよりオレはここにいるの認識されてますか？

「今どき普通っしょ。どうせ男子なんてそんなところしか見てないんだからさ。なぁ神坂？」

「いやオレは聖菜さん以外見えないようになってるから」

「あはは。いつもあたしの胸見てんじゃん！」

「いつもは言い過ぎだぞ」

　それを聞いた聖菜さんはニコニコしながら話し始める。なんか怖いんだけど……

「……そう言えばさ。文化祭2日目の終わりに校庭でキャンプファイアやるんだよ？そこで好きな人に愛を告白すると上手くいくんだって！ロマンチックだよね！」

「テンション上がりすぎ！聖菜好きそうだもんねそういうの。でも聖菜は告白されないじゃん」

「そう？もしかしたら彼氏がいてもいいから付き合いたいって人が現れるかもだよ？ね？優斗君？」

「聖菜さんはオレを泣かせようとしてるの？」

「そんなことないよ？あとごめんね。見るほどの胸じゃなくてさ」

　また聖菜さんはジト目になりオレを睨み付ける。というか怒ってるじゃんか。そんな話をしているとき、前に座る東雲さんの表情が少し暗いのに気がついた。……これは何かあったのか？聞いてみるか。

「東雲さんどうかしたのか？」

「うるさいわね。相手がいる人はいいじゃない。私は寂しく1人で余生を過ごすのよ……そして孤独死するんだわ」

「それは大袈裟かな舞子ちゃん」

「っていうかあたしもいないし」

「彩音には関原君がいるじゃない。そのキャンプファイアの時に告白されるかもしれないわよ？」

「はぁ？そんなことされても断るし。花火大会の日に振ったばかりなのに。早すぎでしょ。」

「でも関原君は花火が彩る花火大会とかに告白するんだもん。女心を分かってるよね。ロマンチックだなぁ」

　聖菜さんはニコニコしながらオレをチラ見する。すると西城さんは呆れたような顔をしながら聞いてくる。

「はいはい聖菜の理想は分かったよ。ところで神坂は聖菜に告白した時どこでしたの？」

「……駅近くの静かな公園」

「ムードな。しかもそんなところで告るとか。まだ放課後の教室のほうがマシじゃん」

「あの時は必死だったんだよ！あと放課後の教室は禁句だぞ！」

「確か人生最大のピンチだったんだもんね？」

　またまた聖菜さんはニコニコしながらオレをからかう。

「でもやっぱり、告白はロマンチックのほうがいいかな」

「もしかして催促してるの」

「解釈は優斗君に任せるかな」

「そう言われるとしづらいけど？」

「私は優斗君の愛は本物だって信じてるから」

「あはは。もうやめてあげなよ神坂かわいそうじゃん」

　西城さんはケラケラ笑いながらオレをフォローしてくれる。ありがとう西城さん。オレは心の中でそう思った。でも確かにもう一度告白できるなら……いや。もう一度きちんと告白しよう。聖菜さんはそれを望んでいるみたいだしな。