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78. 感想もらってないからさ
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78. 感想もらってないからさ
そして午後の時間。聖菜さんの当番も終わったので一緒に文化祭を見て回ることにする。ちなみになぜか聖菜さんはメイド服のままだ。
「着替えないの聖菜さん」
「うん。まだ旦那様から感想もらってないからさ」
「聖菜さんの家で見たよ」
「すぐ脱がされちゃったじゃん」
「いや着たままだったよね?」
「そうだっけ?」
「絶対覚えてるだろ聖菜さん」
そう言ってもなおニコニコしながら腕を組んでくる聖菜さん。
「おい……見られてるって」
「いいの。見せつけてあげようよ。そうしないと私。明日色んな人から告白されちゃうかもよ?」
「それは困る」
「なら堂々と私を彼女として連れ添いたまえ」
聖菜さんは堂々とした態度だ。こういう所もやっぱり聖菜さんらしい。横を歩くオレはきっと顔が赤くて恥ずかしいが嬉しいと感じているに違いない。
「そう言えば怜奈ちゃんとか優斗君の無二の親友のあの可愛い女の子は文化祭来ないのかな?」
「トゲがあるねその言い方」
「優斗君は私専用のベッドを使わせたので私は怒っているのです」
「それはごめん。でもあれは花音が勝手に……」
「え?何?聞こえないんだけど?」
「はい。すみませんでした」
そう言いながらオレは頭をペコペコ下げる。こういう時は謝っておいた方がいい。反論して良いことなど何もないからな。
「怜奈は来るようなこと言ってたな。なんかここを受験したいようなことも言ってたし」
「じゃあ来年は兄妹でこの高校通うんだぁ」
「というか聖菜さん知ってるんじゃないの?『タイムリープ』してるんだし」
「知らないかな。優斗君から怜奈ちゃんの話をあまり聞いてないからさ。私が分かるのは私が経験した未来だけ。この前の彩音ちゃんの件は、花火大会のあとどこでどうやって告白されたか彩音ちゃんから聞いたことがあるから場所が分かっただけだよ」
なるほど。つまり聖菜さんが知っているのはあくまで自分が体験したこと。これから起きることを知っているだけで、オレが本来知るはずの情報までは把握していないのか。
そんなこんなで2人で校内を見て回っているとあっという間に自由時間が終わってしまう。ほとんど楽しめなかったな……もう少し時間があればなぁ。
そんなことを考えながらそのまま教室に戻るとクラスの女子があるテーブルを囲んでいた。なんだ一体?オレがそんなことを思っているとそれに気づいた西城さんが声をかけてくる。
「あ。神坂と聖菜帰ってきた」
その発言にクラスメート全員が一斉にオレたちの方を見る。なんか怖いんだが……。するとそのテーブルには怜奈が座っていた。なにやってんだこいつ?
周りからは『神坂君の妹可愛い』『あまり似てないね』『神坂ってシスコン?』などと聞こえてくる。いや最後のやつ。誰がシスコンだ!するとオレたちが近づいてきたことに気がついたのか、怜奈がこちらに顔を向ける。
「お兄ちゃん……」
「なにやってんだよ」
「いや……会いに来たらなんかこうなっちゃって……」
気まずそうに言う怜奈。どうやら1時間くらい前からずっとこの状態らしい。話を聞くとオレと聖菜さんが一緒に文化祭を見て回ってることを聞いて、ここで待てば良いじゃんという話になってクラスメイトの女子たちが集まってきて現在に至るようだ。
「なら神坂君。怜奈さんと聖菜と文化祭回ってきたら?」
「いや東雲さん。オレと聖菜さんの自由時間は終わりだよ」
「そんくらいあたしが変わってやるし。未来の家族で行ってきな」
「未来の家族?」
「彩音ちゃん。それは恥ずかしいかな」
怜奈は首をかしげる。聖菜さんはこの前のことを思い出して少し恥ずかしそうだ。こうしてオレと聖菜さんと怜奈の3人は文化祭を再び見て回ることになった。
そして午後の時間。聖菜さんの当番も終わったので一緒に文化祭を見て回ることにする。ちなみになぜか聖菜さんはメイド服のままだ。
「着替えないの聖菜さん」
「うん。まだ旦那様から感想もらってないからさ」
「聖菜さんの家で見たよ」
「すぐ脱がされちゃったじゃん」
「いや着たままだったよね?」
「そうだっけ?」
「絶対覚えてるだろ聖菜さん」
そう言ってもなおニコニコしながら腕を組んでくる聖菜さん。
「おい……見られてるって」
「いいの。見せつけてあげようよ。そうしないと私。明日色んな人から告白されちゃうかもよ?」
「それは困る」
「なら堂々と私を彼女として連れ添いたまえ」
聖菜さんは堂々とした態度だ。こういう所もやっぱり聖菜さんらしい。横を歩くオレはきっと顔が赤くて恥ずかしいが嬉しいと感じているに違いない。
「そう言えば怜奈ちゃんとか優斗君の無二の親友のあの可愛い女の子は文化祭来ないのかな?」
「トゲがあるねその言い方」
「優斗君は私専用のベッドを使わせたので私は怒っているのです」
「それはごめん。でもあれは花音が勝手に……」
「え?何?聞こえないんだけど?」
「はい。すみませんでした」
そう言いながらオレは頭をペコペコ下げる。こういう時は謝っておいた方がいい。反論して良いことなど何もないからな。
「怜奈は来るようなこと言ってたな。なんかここを受験したいようなことも言ってたし」
「じゃあ来年は兄妹でこの高校通うんだぁ」
「というか聖菜さん知ってるんじゃないの?『タイムリープ』してるんだし」
「知らないかな。優斗君から怜奈ちゃんの話をあまり聞いてないからさ。私が分かるのは私が経験した未来だけ。この前の彩音ちゃんの件は、花火大会のあとどこでどうやって告白されたか彩音ちゃんから聞いたことがあるから場所が分かっただけだよ」
なるほど。つまり聖菜さんが知っているのはあくまで自分が体験したこと。これから起きることを知っているだけで、オレが本来知るはずの情報までは把握していないのか。
そんなこんなで2人で校内を見て回っているとあっという間に自由時間が終わってしまう。ほとんど楽しめなかったな……もう少し時間があればなぁ。
そんなことを考えながらそのまま教室に戻るとクラスの女子があるテーブルを囲んでいた。なんだ一体?オレがそんなことを思っているとそれに気づいた西城さんが声をかけてくる。
「あ。神坂と聖菜帰ってきた」
その発言にクラスメート全員が一斉にオレたちの方を見る。なんか怖いんだが……。するとそのテーブルには怜奈が座っていた。なにやってんだこいつ?
周りからは『神坂君の妹可愛い』『あまり似てないね』『神坂ってシスコン?』などと聞こえてくる。いや最後のやつ。誰がシスコンだ!するとオレたちが近づいてきたことに気がついたのか、怜奈がこちらに顔を向ける。
「お兄ちゃん……」
「なにやってんだよ」
「いや……会いに来たらなんかこうなっちゃって……」
気まずそうに言う怜奈。どうやら1時間くらい前からずっとこの状態らしい。話を聞くとオレと聖菜さんが一緒に文化祭を見て回ってることを聞いて、ここで待てば良いじゃんという話になってクラスメイトの女子たちが集まってきて現在に至るようだ。
「なら神坂君。怜奈さんと聖菜と文化祭回ってきたら?」
「いや東雲さん。オレと聖菜さんの自由時間は終わりだよ」
「そんくらいあたしが変わってやるし。未来の家族で行ってきな」
「未来の家族?」
「彩音ちゃん。それは恥ずかしいかな」
怜奈は首をかしげる。聖菜さんはこの前のことを思い出して少し恥ずかしそうだ。こうしてオレと聖菜さんと怜奈の3人は文化祭を再び見て回ることになった。
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