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7. 優先してるだけ

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7. 優先してるだけ



「ねぇ先輩。聞いてもいいですか?」

「なんだよ?」

「先輩ってお友達いないんですか?いつも学校からまっすぐ家に帰ってきますけど?」

 うぜぇ……。誰が誰に言ってんだこいつは?

「毎日毎日オレの家に来る。お前だけには言われたくないんだがな?」

「むぅー、私だってたまには遊びに行きたいですよ?でも先輩が外嫌いみたいだし。」

 そう言うと白石はソファーの上で足をバタつかせる。その度に短いスカートが揺れて目のやり場に困るのでやめて欲しい。しかもそういうことじゃないからな?友達の話しはどこいったんだよ。

「そもそもオレはお前と付き合っていない。」

「照れちゃって、可愛いんだから先輩は?」

 あぁもう!なんなんだこいつ!本当に訳がわかんないぞ?何でこんなに懐いてくるんだ?

「そういうお前だって友達いるのかよ?」

「私はいますよ。でも先輩を優先してるんですよ!毎日一緒にいたいですからね?」

 だからいちいち距離が近いって!いい匂いするし、柔らかいものが当たっている気がするんだけど気のせいだよな?

「あれあれ?」

「なんだよ、それうぜぇな。」

「なら先輩は私を優先してるんですか?それとも本当に友達いないとか?んん?」

 くっそムカつく顔してんじゃねぇよ!確かに友達はいないかもしれないけどお前に言われる筋合いはないだろ!?

「うるせぇ!お前に言われたくない!」

「安心してください。私が毎日一緒にいますからね!彼女なので!」

 また出たよ……このやり取りも何度目だろうか。いい加減飽きてきたというのに、こいつの性格上言い出したら聞かないことはわかっているので諦めているのだが。

 ……でも心のほんのほんの少しだけ一人は寂しいから白石がいてよかったと思う自分がいるのだった。
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