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46. 業務に支障がでない程度に
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46. 業務に支障がでない程度に
とりあえず私とエドは準備のために街に行くことにした。しかしその前にルチアがお願いをしてくる。
「あのリンネ様。お願いがあるんだけど?」
「お願い?」
「うん。リンネ様やエドお兄ちゃんを待っている間、私ねフィーナお姉ちゃんと薬草とかポーションとか作りたいの。素材買っちゃダメ?」
ルチアは草花の知識はあるし、何よりやりたいと言っていることを止める必要もない。そもそもニルバの『奇跡の花』の報酬の金貨はルチアのものだしね。相方がフィーナなのは少し心配だけど……
「ええもちろん良いわよ」
「ありがとう!」
「じゃあ、ついでにエドと一緒に買ってくるわ」
ルチアは嬉しそうにお礼を言う。私はそんなルチアの頭を撫でてあげた後、早速出かけることにした。
私の横を不機嫌そうな顔で歩くエド。こらこら。ルチアが来ないからってそんなに頑なにならなくてもいいじゃない?
「ねぇエド」
「なんですか?」
「ルチアでも調合しやすい素材を選んであげましょう。そしたら『ありがとうエドお兄ちゃん。大好き』とか言ってくれるかもしれないわよ?ってあれ?」
私がそう言ったと同時にエドは私のかなり前にいた。
「遅いですよリンネ様!早く行きましょう!ルチアさんが楽しみに待ってるんですから!」
………単純なやつ。まぁいいわ。それくらいの方が可愛いものよね。しかもなんか機嫌直ってるし。さっきまであんなに不貞腐れてたのに。
「はいはい。わかったわよ」
私は駆け足で追いつき、エドの横に並ぶ。そして一緒にオベロンの市場へと向かった。
「まずは私たちの買い物をしましょうか。水は多めに持っていきたいし、パンの材料も必要だし……」
「リンネ様。パンは焼いて持っていった方が荷物も軽くなりますよ」
「確かにそうね。どうせエドが持つんだからそこは任せるわ。男の子だものね」
「最初から持たせるつもりでしたよねリンネ様は……」
そんなことを言いながら私たちは市場で必要なものを揃えていく。これで問題はない。あとはルチアのための薬草とかポーションの素材だけだ。とりあえず素材屋に向かうことにする。
「何を買ったら良いのかしらね?エドわかる?」
「もちろんですよ!ルチアさんのことはすべて知りたいですから!調べてあります。まずはこちらですね」
そう言って取り出したのは乾燥させた植物だった。その植物の葉っぱには見覚えがあった。
「これってもしかして、ラグラスの葉っぱかしら?それくらいは私でも分かるわ」
「はい。これは初級ポーションを作るための素材なんですよ。あとはラグラスの根っこと……」
「ちょっと待ちなさいエド。まさかあなた、この量を全部買うつもりじゃないでしょうね?」
「え?いけませんか?」
私はエドの持つカゴいっぱいに入っている乾燥した草を見て驚いてしまう。いくらルチアのためとはいえ買いすぎではないだろうか?
「流石に無理よ。こんな量は持ち運べないし、それにお金だって足りなくなるでしょ」
「……確かに。仕方ありません。では半分だけ購入します」
半分でも多いわよ……。まったくエドはルチアのことになると過剰なのよね。結局、私は少量だけをカゴに入れ買い物を終える。それを見たエドはすごく不満そうな顔をしていたけど無視しておいた。
そして帰り道。私はエドとアイスクリームを食べることなく、そのまま真っ直ぐ宿屋に戻ることにする。正直、こういうのは業務に支障がでてからじゃ遅いから一応聞いてみることにする。
「ねぇエドはルチアのこと好きなの?」
「えっ!?ななな何をいきなり言うんですかリンネ様!」
私の突然の言葉に動揺するエド。わかりやすい反応である。
「いやほら。あなたってルチアのことになると、過剰じゃない?」
「そそそそれは!ボクはルチアさんのお兄さんみたいなもので!そこには決して恋愛感情などという邪なものはなく!!」
そこまで力説しなくてもいいんだけど。なんだか可哀想になってきたわね。
「はいはい。分かったから落ち着きなさい」
「むぅ。リンネ様が変なことを聞くから……」
「悪かったわよ。まぁ頑張ってみたら?ルチアもエドの事好きになるかもしれないわよ?」
「だからそんなんじゃないって言っているじゃないですか!」
本当に思春期丸出しで面白いわねこの子。そんな話をしているうちに宿に着いた。まぁ好きな人のためにここまで行動できるエドには素直に感心してしまう。こういう素直なところは私も少し見習わないといけないわね。
とりあえず私とエドは準備のために街に行くことにした。しかしその前にルチアがお願いをしてくる。
「あのリンネ様。お願いがあるんだけど?」
「お願い?」
「うん。リンネ様やエドお兄ちゃんを待っている間、私ねフィーナお姉ちゃんと薬草とかポーションとか作りたいの。素材買っちゃダメ?」
ルチアは草花の知識はあるし、何よりやりたいと言っていることを止める必要もない。そもそもニルバの『奇跡の花』の報酬の金貨はルチアのものだしね。相方がフィーナなのは少し心配だけど……
「ええもちろん良いわよ」
「ありがとう!」
「じゃあ、ついでにエドと一緒に買ってくるわ」
ルチアは嬉しそうにお礼を言う。私はそんなルチアの頭を撫でてあげた後、早速出かけることにした。
私の横を不機嫌そうな顔で歩くエド。こらこら。ルチアが来ないからってそんなに頑なにならなくてもいいじゃない?
「ねぇエド」
「なんですか?」
「ルチアでも調合しやすい素材を選んであげましょう。そしたら『ありがとうエドお兄ちゃん。大好き』とか言ってくれるかもしれないわよ?ってあれ?」
私がそう言ったと同時にエドは私のかなり前にいた。
「遅いですよリンネ様!早く行きましょう!ルチアさんが楽しみに待ってるんですから!」
………単純なやつ。まぁいいわ。それくらいの方が可愛いものよね。しかもなんか機嫌直ってるし。さっきまであんなに不貞腐れてたのに。
「はいはい。わかったわよ」
私は駆け足で追いつき、エドの横に並ぶ。そして一緒にオベロンの市場へと向かった。
「まずは私たちの買い物をしましょうか。水は多めに持っていきたいし、パンの材料も必要だし……」
「リンネ様。パンは焼いて持っていった方が荷物も軽くなりますよ」
「確かにそうね。どうせエドが持つんだからそこは任せるわ。男の子だものね」
「最初から持たせるつもりでしたよねリンネ様は……」
そんなことを言いながら私たちは市場で必要なものを揃えていく。これで問題はない。あとはルチアのための薬草とかポーションの素材だけだ。とりあえず素材屋に向かうことにする。
「何を買ったら良いのかしらね?エドわかる?」
「もちろんですよ!ルチアさんのことはすべて知りたいですから!調べてあります。まずはこちらですね」
そう言って取り出したのは乾燥させた植物だった。その植物の葉っぱには見覚えがあった。
「これってもしかして、ラグラスの葉っぱかしら?それくらいは私でも分かるわ」
「はい。これは初級ポーションを作るための素材なんですよ。あとはラグラスの根っこと……」
「ちょっと待ちなさいエド。まさかあなた、この量を全部買うつもりじゃないでしょうね?」
「え?いけませんか?」
私はエドの持つカゴいっぱいに入っている乾燥した草を見て驚いてしまう。いくらルチアのためとはいえ買いすぎではないだろうか?
「流石に無理よ。こんな量は持ち運べないし、それにお金だって足りなくなるでしょ」
「……確かに。仕方ありません。では半分だけ購入します」
半分でも多いわよ……。まったくエドはルチアのことになると過剰なのよね。結局、私は少量だけをカゴに入れ買い物を終える。それを見たエドはすごく不満そうな顔をしていたけど無視しておいた。
そして帰り道。私はエドとアイスクリームを食べることなく、そのまま真っ直ぐ宿屋に戻ることにする。正直、こういうのは業務に支障がでてからじゃ遅いから一応聞いてみることにする。
「ねぇエドはルチアのこと好きなの?」
「えっ!?ななな何をいきなり言うんですかリンネ様!」
私の突然の言葉に動揺するエド。わかりやすい反応である。
「いやほら。あなたってルチアのことになると、過剰じゃない?」
「そそそそれは!ボクはルチアさんのお兄さんみたいなもので!そこには決して恋愛感情などという邪なものはなく!!」
そこまで力説しなくてもいいんだけど。なんだか可哀想になってきたわね。
「はいはい。分かったから落ち着きなさい」
「むぅ。リンネ様が変なことを聞くから……」
「悪かったわよ。まぁ頑張ってみたら?ルチアもエドの事好きになるかもしれないわよ?」
「だからそんなんじゃないって言っているじゃないですか!」
本当に思春期丸出しで面白いわねこの子。そんな話をしているうちに宿に着いた。まぁ好きな人のためにここまで行動できるエドには素直に感心してしまう。こういう素直なところは私も少し見習わないといけないわね。
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