【宮廷魔法士のやり直し!】~王宮を追放された天才魔法士は山奥の村の変な野菜娘に拾われたので新たな人生を『なんでも屋』で謳歌したい!~

夕姫

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3. 雇ってもらいます

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3. 雇ってもらいます



  「いやぁ良かったね!村長に許可をもらえて!」

「ええ、ありがとう。あのところで……雇うって言ってたけどエイミーの雇うってなんなのかしら?私は何をすればいいの?」

「え?決まってるじゃん!『なんでも屋』だよ?お姉さんは魔法使えるんでしょ?」

 はい?『なんでも屋』って魔法関係ありますか?疑問に思ったので詳しく聞いてみると、何でも屋とはその名の通り様々な依頼をこなす便利屋のようだ。例えば庭掃除とか、買い出し、荷物運びなどの雑用から、護衛の仕事までこなすらしい。

「そういえば、お姉さんの名前聞いてなかったよね?あといくつなの?」

「私はアイリーン=アドネス。年齢は22。」

「おぉ!私より6つも上だぁ!それならルーシーと同い年だね!」

 なんか新しい名前が出てきたわね。ルーシー?誰?エイミーの仲間は何人かいるのかしら? すると急に彼女は目を輝かせながら私の顔を覗き込んでくる。近い!それになんだか嫌な予感がする……

「アイリーンは改めてよく見ても、やっぱりラディッシュだね!」

 ラディッシュ!?︎なんだこの子は!?どういうこと!?

「ラディッシュは美味しいよね!サラダにしてもよし!煮ても焼いても生でも食べれる万能野菜!見た目はそこまで良くないけど味は最高!まさにラディッシュ!私も大好き!」

「ちょっと!それどういう意味よ!?︎」

「だってそうでしょ?今朝いきなり宮廷魔法士クビになって路頭に迷っていたんだから。ラディッシュみたいにひょろっとしていて頼りなさそうだもんね?」

 悔しいけど全くその通りだ……どうせ追い出されるくらいならあの最悪な貴族コンビを1発殴っておけば良かった。でもこの子何者なんだろう?本当にこんな失礼なこと言う子初めて会ったわよ……?

 私はその後、エイミーの家に行くことにする。中に入ると、明るい美人のお姉さんが迎えてくれた。

「いらっしゃいませ!あれエイミー?」

「ただいま。久しぶりの収穫だよ!ラディッシュみたいな元宮廷魔法士さん!」

 私の事をそう紹介すると奥から他にも3人やってくる。見た目大柄な男性と小柄な女の子、それと気弱そうな男の子。皆優しそうな人たちだった。そして自己紹介が始まる。

「おお新入りか?オレはレイダー。一応、この『なんでも屋』じゃ、力仕事はオレが担当だ。よろしくな。」

「はじめましてー!あたしはミリーナ。治癒魔法士だよ。よろしくね!」

「ぼ、ボクはロイドと言います。魔法錬金ができます。よろしくお願いします……」

「そして私はルーシーよ。この『なんでも屋』の看板娘。よろしく。」

「そして私がエイミー。この『なんでも屋』の代表で野菜を作ってるの!凄いでしょ!」

 ………そうよね。なんとなくそんな気はしていたわよエイミー。

 なるほど、みんな仲が良いのね。なんか幸せそうでいいな。色んなしがらみとか気にせず仲良くできるって素敵だと思う。だから私はここで生きていこう。もう身分の差とか、偏見とかそんなのはもう沢山だ!私は改めて自己紹介をする。

「私はアイリーン=アドネス。元宮廷魔法士。今朝、訳あってフローレンス王宮の宮廷魔法士をクビになりました。それをエイミーが拾ってくれて。あの……まだ良くわからないですけど、この『なんでも屋』で頑張りますのでよろしくお願いします!」

 こうして私は、この農村『ピースフル』で暮らすことになった。これからどんな生活になるのかしら?と初めての暮らしにどことなく楽しみを覚えていた。
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