6 / 36
5. 水不足解消します
しおりを挟む
5. 水不足解消します
そのまま少し歩き、私とエイミーは村の中心にある広場にやってきた。ここは井戸があり、水汲み場にもなっている。他にも子供達がよく遊んでいる場所でもある。そんな場所になぜ私を連れてきたのか。そこには1人の男性がいた。
「おじさんお待たせ!」
「おおエイミーちゃん。その人がなんとかしてくれるのか?」
「うん!もちろん『なんでも屋』に任せてね!」
何も聞かされていないのだけど?ここは働き方がブラックですか?すると男性が私に向かって話す。
「お姉さん。あそこに大きな貯水タンクが2つあるだろ?最近雨が降らなくて、この村の水がなくなりつつあるんだ。助けてほしい」
なるほど。水を運んで来てくれということか。それならばできるかもしれない。
「あの水場まではどのくらい離れてるの?」
「かなり山を下らないといけない。だから困ってるんだ。大人の男複数人いても水場に行って戻ってを繰り返して、あの貯水タンクを満水にするには1週間はかかる」
「人手は多い方がいいよね?私と一緒に運ぼうアイリーン!100往復位すればイケるって!トマトみたいにパパっとやっちゃお!」
はぁ!?今なんて言った?100往復?しかもトマトのようにってどういうことよ!でも……やるしかなさそうだし……水がないのは危機的状況だろうし。でも待って?私は周りを確認して地面を触る。なるほど。これならいけるかもね。凄くやる気になっているエイミーに私は伝える。
「エイミー。張り切ってるところ申し訳ないんだけど、レイダーさんを呼んできてくれない?あの貯水タンクに水を貯めるわ。ついでにそこの井戸、あとはそこら辺にある水路にも水を貯めてあげる……魔法でね?」
これが私の初仕事になるのか。今まで魔法で人助けをしたことはないし役に立てるのなら悪い気はしない。自分のやりたいことか……そこには『なんでも屋』も悪くないなと思い始める私がいる。
そして、エイミーはレイダーさんを呼んでくる。私はそのまま合流し、2人と共に山を少し登り始める。しばらくすると、かなり開けた場所に出た。私は大きく深呼吸する。うん。ここならマナも豊富だしイケるわね。
「あのさアイリーン!水場は山の上じゃないよ?」
「知ってるわよ。あのレイダーさん、あそこにある岩なんですけど、持ち上がりますか?」
「ああ?あれか、ちょっと待っててくれ」
するとレイダーさんは近くにあった大きな岩を持ち上げる。軽く持ち上げたように見えたけど、かなりの重さがあるはず。本当に持ち上げたわ……すごい力持ちね……
「重さはどうですか?」
「問題ない。あともう少し重いのも持てる」
「分かりました。さて準備を始めるわ。2人とも少し離れていて」
私は解析魔法『サーチ』でその岩を調べてみる。うん。やっぱり思った通りだ。この山全体に薄くだが魔力が通っているようだ。これなら、あの魔法も使えるだろう。
私が準備を始めると、後ろから2人が覗き込んでくる。まずは地面に手をついて魔力を流し込む。そして、その手を中心に直径1m程の円を描くように魔法陣を錬成していく。
「おお!青い光が地面に刻まれてる!」
「これが魔法陣か。間近で錬成されるのは初めて見たな」
そして最後に魔法を発動する。するとさっきの岩と同じ大きさ、質量の水魔法の大玉がその魔法陣から浮かび上がってくる。
「おぉ~!!凄い!!」
「これは……これがアイリーンの魔法なのか?」
2人は驚いているようだが、説明する暇はない。今のうちに水球を大きくしてしまおう。さらに、5倍くらいの大きさにする。うん。これぐらいあれば大丈夫かな。
「すごいすごい!大きくなったよ!?」
「さてこれを運びましょう。あの貯水タンクの大きさから考えればこれをあと10個ほど作る必要があるから、2人は先に村へ運んでおいてくれないかしら?」
「運ぶって?こんなの持てないよ?」
「大丈夫。割れないように風の魔力の膜でおおっているから。転がしても問題ないし、レイダーさんは持てるように質量を調整してますから」
「すごいな。わかった。エイミー運ぶぞ!」
2人はその水魔法の大玉を運び始める。私はその後も魔法で水をどんどん作り出していく。私は自分の魔法で……村のみんなの為になっていることに、どことなく嬉しさを感じていた。
そのまま少し歩き、私とエイミーは村の中心にある広場にやってきた。ここは井戸があり、水汲み場にもなっている。他にも子供達がよく遊んでいる場所でもある。そんな場所になぜ私を連れてきたのか。そこには1人の男性がいた。
「おじさんお待たせ!」
「おおエイミーちゃん。その人がなんとかしてくれるのか?」
「うん!もちろん『なんでも屋』に任せてね!」
何も聞かされていないのだけど?ここは働き方がブラックですか?すると男性が私に向かって話す。
「お姉さん。あそこに大きな貯水タンクが2つあるだろ?最近雨が降らなくて、この村の水がなくなりつつあるんだ。助けてほしい」
なるほど。水を運んで来てくれということか。それならばできるかもしれない。
「あの水場まではどのくらい離れてるの?」
「かなり山を下らないといけない。だから困ってるんだ。大人の男複数人いても水場に行って戻ってを繰り返して、あの貯水タンクを満水にするには1週間はかかる」
「人手は多い方がいいよね?私と一緒に運ぼうアイリーン!100往復位すればイケるって!トマトみたいにパパっとやっちゃお!」
はぁ!?今なんて言った?100往復?しかもトマトのようにってどういうことよ!でも……やるしかなさそうだし……水がないのは危機的状況だろうし。でも待って?私は周りを確認して地面を触る。なるほど。これならいけるかもね。凄くやる気になっているエイミーに私は伝える。
「エイミー。張り切ってるところ申し訳ないんだけど、レイダーさんを呼んできてくれない?あの貯水タンクに水を貯めるわ。ついでにそこの井戸、あとはそこら辺にある水路にも水を貯めてあげる……魔法でね?」
これが私の初仕事になるのか。今まで魔法で人助けをしたことはないし役に立てるのなら悪い気はしない。自分のやりたいことか……そこには『なんでも屋』も悪くないなと思い始める私がいる。
そして、エイミーはレイダーさんを呼んでくる。私はそのまま合流し、2人と共に山を少し登り始める。しばらくすると、かなり開けた場所に出た。私は大きく深呼吸する。うん。ここならマナも豊富だしイケるわね。
「あのさアイリーン!水場は山の上じゃないよ?」
「知ってるわよ。あのレイダーさん、あそこにある岩なんですけど、持ち上がりますか?」
「ああ?あれか、ちょっと待っててくれ」
するとレイダーさんは近くにあった大きな岩を持ち上げる。軽く持ち上げたように見えたけど、かなりの重さがあるはず。本当に持ち上げたわ……すごい力持ちね……
「重さはどうですか?」
「問題ない。あともう少し重いのも持てる」
「分かりました。さて準備を始めるわ。2人とも少し離れていて」
私は解析魔法『サーチ』でその岩を調べてみる。うん。やっぱり思った通りだ。この山全体に薄くだが魔力が通っているようだ。これなら、あの魔法も使えるだろう。
私が準備を始めると、後ろから2人が覗き込んでくる。まずは地面に手をついて魔力を流し込む。そして、その手を中心に直径1m程の円を描くように魔法陣を錬成していく。
「おお!青い光が地面に刻まれてる!」
「これが魔法陣か。間近で錬成されるのは初めて見たな」
そして最後に魔法を発動する。するとさっきの岩と同じ大きさ、質量の水魔法の大玉がその魔法陣から浮かび上がってくる。
「おぉ~!!凄い!!」
「これは……これがアイリーンの魔法なのか?」
2人は驚いているようだが、説明する暇はない。今のうちに水球を大きくしてしまおう。さらに、5倍くらいの大きさにする。うん。これぐらいあれば大丈夫かな。
「すごいすごい!大きくなったよ!?」
「さてこれを運びましょう。あの貯水タンクの大きさから考えればこれをあと10個ほど作る必要があるから、2人は先に村へ運んでおいてくれないかしら?」
「運ぶって?こんなの持てないよ?」
「大丈夫。割れないように風の魔力の膜でおおっているから。転がしても問題ないし、レイダーさんは持てるように質量を調整してますから」
「すごいな。わかった。エイミー運ぶぞ!」
2人はその水魔法の大玉を運び始める。私はその後も魔法で水をどんどん作り出していく。私は自分の魔法で……村のみんなの為になっていることに、どことなく嬉しさを感じていた。
30
あなたにおすすめの小説
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る
神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】
元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。
ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、
理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。
今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。
様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。
カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。
ハーレム要素多め。
※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。
よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz
他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。
たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。
物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz
今後とも応援よろしくお願い致します。
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
無能と追放された鑑定士、実は物の情報を書き換える神スキル【神の万年筆】の持ち主だったので、辺境で楽園国家を創ります!
黒崎隼人
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――勇者パーティーの【鑑定士】リアムは、戦闘能力の低さを理由に、仲間と婚約者から無一文で追放された。全てを失い、流れ着いたのは寂れた辺境の村。そこで彼は自らのスキルの真価に気づく。物の情報を見るだけの【鑑定】は、実は万物の情報を書き換える神のスキル【神の万年筆】だったのだ!
「ただの石」を「最高品質のパン」に、「痩せた土地」を「豊穣な大地」に。奇跡の力で村を豊かにし、心優しい少女リーシャとの絆を育むリアム。やがて彼の村は一つの国家として世界に名を轟かせる。一方、リアムを失った勇者パーティーは転落の一途をたどっていた。今さら戻ってこいと泣きついても、もう遅い! 無能と蔑まれた青年が、世界を創り変える伝説の王となる、痛快成り上がりファンタジー、ここに開幕!
「お前の代わりはいる」と追放された俺の【万物鑑定】は、実は世界の真実を見抜く【真理の瞳】でした。最高の仲間と辺境で理想郷を創ります
黒崎隼人
ファンタジー
「お前の代わりはいくらでもいる。もう用済みだ」――勇者パーティーで【万物鑑定】のスキルを持つリアムは、戦闘に役立たないという理由で装備も金もすべて奪われ追放された。
しかし仲間たちは知らなかった。彼のスキルが、物の価値から人の秘めたる才能、土地の未来までも見通す超絶チート能力【真理の瞳】であったことを。
絶望の淵で己の力の真価に気づいたリアムは、辺境の寂れた街で再起を決意する。気弱なヒーラー、臆病な獣人の射手……世間から「無能」の烙印を押された者たちに眠る才能の原石を次々と見出し、最高の仲間たちと共にギルド「方舟(アーク)」を設立。彼らが輝ける理想郷をその手で創り上げていく。
一方、有能な鑑定士を失った元パーティーは急速に凋落の一途を辿り……。
これは不遇職と蔑まれた一人の男が最高の仲間と出会い、世界で一番幸福な場所を創り上げる、爽快な逆転成り上がりファンタジー!
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
外れスキル【畑耕し】で辺境追放された俺、チート能力だったと判明し、スローライフを送っていたら、いつの間にか最強国家の食糧事情を掌握していた件
☆ほしい
ファンタジー
勇者パーティーで「役立たず」と蔑まれ、役立たずスキル【畑耕し】と共に辺境の地へ追放された農夫のアルス。
しかし、そのスキルは一度種をまけば無限に作物が収穫でき、しかも極上の品質になるという規格外のチート能力だった!
辺境でひっそりと自給自足のスローライフを始めたアルスだったが、彼の作る作物はあまりにも美味しく、栄養価も高いため、あっという間に噂が広まってしまう。
飢饉に苦しむ隣国、貴重な薬草を求める冒険者、そしてアルスを追放した勇者パーティーまでもが、彼の元を訪れるように。
「もう誰にも迷惑はかけない」と静かに暮らしたいアルスだったが、彼の作る作物は国家間のバランスをも揺るがし始め、いつしか世界情勢の中心に…!?
元・役立たず農夫の、無自覚な成り上がり譚、開幕!
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる