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意識≒無意識
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しおりを挟む「もしかしてもしかして、恋煩い、とか?」
ドキドキ!
「なーんて、そんな訳ないわよねぇ」
「やだぁ、もう」なんて自分の発言に受けたのかケタケタ笑う恵を横目で睨みつけ、押黙る。
そんな俺の態度に、笑い続ける恵の声が次第に小さくなっていき最終「マジ?」と口元を引きつらせた。
「やだ、ちょっと本気? 誰よ。もしかしてこないだ紹介した子達にいい子いたの?」
「いや、別にあいつらの中には……」
「あらそう。じゃあ誰かしら。他にさかえちゃんのお眼鏡に叶う子なんていたかしら?」
同じ様に頬づえをついて首を傾げる恵。
心底不思議そうに首を左右に捻るその姿に、言おうか言わまいか。迷うとこではある。
こいつの事だ、絶対からかってくるに決まってる。高らかに声をあげて爆笑する姿をイメージして勝手にイラッとした。
やめとこう。めんどくさい事になりそうだ。
と、そう思い恵から顔をそらした時だ。
「木本さん」
ふいに聞こえた今一番聞きたくて、一番聞きたくない声が鼓膜を突き抜けビクンッと身体を揺らした。
ま、ま、まさ、か。
ギギギ、とオイルの切れたネジのような音をあげながら声のした方へと視線を向ける。
すると、案の定そこに立っていたのは……。
「あら、茶々副理事長」
名前を呼ばれた恵があらあらと声をあげながら立ち上がる。
「どうしたんです? あたしに何か」
茶々さんに駆け寄りながらこんにちは~と頭をさげる友人の姿を肩越しに見やる。
な、なんでこんなとこに? いや、でも一応運営理事の人間だし普通だよな。うん、いても普通だ。けど、恵になんの用だ?
すすすす、とバレずに(できていると本人は思っている)二人に近付くと耳をすませた。頭には開いた教科書を乗せて変装はバッチリ。
「あーやっぱダメでしたかぁ」
「すみません。私もあちら側に彼を推しては見たのですが社長の目にはとまらなかった様で」
「うーん、まぁ仕方ないですよね。あたしの力量不足だったんですよ。預かりが決まったって喜んでつい手抜いちゃったのかも」
「いえ、貴方がそんな人ではない事は私も理事長も存じています。理事長は来月もう一度本所属のオーディションを受けさせる、と仰っていますし。個人的にも火野江くんは選ばれるに足る人材だと私も思っていますのでね。出来る事はさせて頂くつもりです」
「ありがとうございます」
なんか、真剣な話みたい、だな。
流れ的にさっき言ってた預かりが決まったって言ってた奴の話か?
「わかりました、じゃあまたプラン練り直してみます」
「よろしくお願いします」
お、話し終わったか? よし、今の内逃げよう、とそろり振り返った時だ。
ぼふっと何かかたいものに顔面から突っ込んで「ぶっ」なんて情けない声をあげる。
「いってぇ……」
誰だよこんな所に荷物放置したやつ……なんて内心文句を垂れながら見れば、そこにあったのは紺のスーツを着込んだ胸板。
ん? むな、いた……?
すすす、とそのスーツの襟元から首、顎、と視線をあげていけば最終的に相変わらず感情の読めない目と視線が交わる。
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