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 今まで、多少なりともあった余裕などかけらもなく。切羽つまって駆りたてられるように、アッシュはローゼの肌に、指を、舌を沈める。散々、スライムに焦らされていた肌に刻まれる情欲のあと。たまらずローゼは、甘く声をあげながら、アッシュの髪を抱きしめた。

 閉じた膝を割り開かれ、すでに潤みきった入り口に、硬いたかぶりがあてがわれる。散々スライムにほぐされたこともあり、入り口に触れるだけでローゼは甘くしびれた。

「本当に、夢みたいです」

 唇を重ねながら、確かな質量を持ったアッシュの熱がローゼの中を押しひらく。スライムとは桁違いの刺激に、ローゼは意識が飛びそうになった。入れられただけて甘い吐息がもれる。一気に挿れられて、一番奥深くを抉られる刺激に、思わず背筋がのけぞった。
 
「掻き出しますね」
「ああっ……やっ……んぁっ!」

 息が詰まるほどの圧迫感がゆっくりと動くたびに、ローゼの腰が浮く。腰をガッチリと押さえつけられ、強引に抜かれる感触に、背筋がぞくぞくした。粘つく音を執拗にたてて、ローゼの中のスライム胞子が何度もかきだされていく。

「俺のローゼさんに、こんなに」

 苛立ち混じりの声とともに強く腰を打ちつけられて、たまらず身をよじる。それを押さえ込み、アッシュは何度もローゼの奥を求めた。

「んんっ……刺激、つよ、ぃ……やあっ!」
「好き、大好きです。あなただけが、ずっと好きです」

 うわ言のように繰り返される愛の言葉とともに、激しく何度も奥を抉られる。
 スライムに犯される間、ずっとこんな刺激がほしいと思っていた。しかし、実際はローゼが思い浮かべていたよりも何倍も強く激しい。次第に洞窟内にリズミカルな水音が響き渡る。

「はあっ、だめ、だめ、もう、だめ」
「俺も、もう、限界です」

 内側から弾けるような快楽とともに、目の前がチカチカする。ローゼがきつく膣を締めあげると同時に、真奥でアッシュが熱く震える。荒く息をつくローゼの耳元に、何度も甘くキスが落された。

「ローゼさん、大好きです」
「んく……ああっ!」
 
 ずるりと抜かれる感触も、スライムよりはるかに刺激的で、思わず声が漏れる。
 一連の刺激から解放されて、ぐったりと弛緩するローゼに、また熱くて硬いものが押し当てられた。
 
「待って、まだ、するの?」
「もちろん。あなたが孕むまで抱きますから」

 耳元で囁かれ、頬に何度も唇を押し当てられる。
 いつのまに復活したのか。先ほどと変わらぬ硬さと大きさが、またローゼの中を苛む。連続して与えられる強い快楽に、ローゼはすぐに達してしまいそうだった。

「すみません、俺、二回目なのに余裕なくて。キス、したいです」

 求められるままに唇を重ねる。奥まで舐められ、上も下も深く求められて、身体全部が繋がっているみたいだった。ローゼが絡めた指をにぎると同時に、身体を揺さぶる激しさが増す。

「奥、こじ開けますよ。俺の子、孕んでください」

 ローゼの腰を両腕で抱えると、ぐりぐりと押しつけながら、アッシュがまた小さく身体を震わせる。押し殺したようなうめき声に、快楽がにじむ。

「ん……ぁ……すごく、幸せです」

 満足そうに微笑み、アッシュは何度もローゼにキスするのだった。
 
 三回目に至り、ようやくアッシュに余裕が生まれてきた。変わらず絶息吐息状態のローゼをじっくりと攻めながら、ひたすら愛の言葉を囁いてくる。身体を大きく揺さぶられ、体位をゆっくり変えて突かれながら、ローゼはただ喘ぐことしかできない。

「好きです、本当に好き。十年間、ずっと好きでした」
「んっ……あっ……あん!」
 
「もう離しませんから。結婚して俺の子どもを産んでください」
「ふ……熱っ……」

「首都に素敵な教会があるんです。ローゼさんと結婚式するならそこがいいなってずっと思ってて……舌、出してください。もっとキスしたいです」
「んむ……ふ……」

「ダンジョンダイブには連れてってくださいね。俺が邪魔なら、遠くから気配を消して見守るだけにしますから」
「う、うん……やっ……またっ!」


「ローゼさんのおっぱい柔らかくて大きいですね。跡つけますね。ぜんぶ俺のものだって。このまま、食べちゃいたいです」
「あぁ……あんっ……」

「やっぱり、首筋とうなじにも跡つけますね。他の男が見てわかるように。逃げないで」
「そんなに……んんっ」


「あっ、婚姻届を常に携帯してるんでした。俺のぶんは記入済みなんで、ここサインお願いします」
「ま、まって、こんな、状況で、書けない、からっ」

 下から突きあげられながらペンを渡されて、今まで主に喘ぎ声をあげるだけだったローゼが、さすがに口を挟んだ。
 
「じゃあ、俺の身体にローゼさんの印をください。ここ、キスしてもいいし、噛んでもいいです」

 言われるがままに、ローゼはアッシュの白く滑らかな首筋をきつく吸う。色白の肌は少し刺激しただけでくっきりと赤い跡が残る。首筋に歯を当てた途端、ふるりとアッシュが震えた。ローゼの腰を掴み、執拗に奥を抉る。

「っ……! すみません、幸せすぎて全然おさまらないので、このままもう少し」
「お願い、ちょっと……休ませっ……てっ……んんっ」

 もう、何回したかローゼは数えていなかった。下手したら片手の指では足りないかもしれない。
 なのに、ローゼの中のアッシュは、いまだに最初と変わらない存在感で、快楽を与えてくるのだった。
 
 若さってすごい。ローゼはしみじみと思った。
 あと、女好きって勘違いしててごめん、とも。
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