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第1章 魔法使いしかいない世界
第9話 初クエストと奇怪植物と魔獣①
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「――では、身分の証明書でもあるギルドカードが出来上がるまで、冒険者の説明をしてしまいますね」
俺とホノラは、受付のお姉さんと共に別室に通され、簡単な講習を受ける事になった。
「冒険者と魔物、そしてクエスト難易度にはそれぞれE~Sのランク分けがあります。ここくらいは知ってる人も多いかと思いますが――」
お姉さんの話を纏めると、みんな最初はEランクからスタート。討伐系のクエストは自分のランクの一つ上の難易度まで、採取系のクエストは二つ上まで受注出来るそうだ。
「冒険者ランクはD~Aまではクエストのクリア数や活躍度に応じて自動的に上がっていくので、あまり気にしないでくださいね。ここまでで何か質問はありますか?」
「はいお姉さん! Sランクになるにはどうしたら良いんですか?」
「それ、私も気になる!」
俺の質問にホノラも追随した。やっぱりやるからにはトップを目指したいよな。
「いい質問ですね。Sランクというのは”世界を魔の手から護りし人類の英雄“にのみ与えられる、いわば名誉のようなものなので、ギルドの一存でSランク冒険者を設定する事はできないんです」
「じゃあ実質的なトップはAランクという事ですか?」
「そうです。でも、Aランク冒険者も一つの支部に数人しかいない超英雄級の存在なので、そこを目指して頑張ってくださいね!」
「「はい!」」
俺たちは元気よく返事をした。そのタイミングで、カードと機械のような物が載った台車が運ばれてきた。
「あ、ちょうど来ましたね! こちらがお二人のギルドカードです。後はこれをこの魔道具にセットして......と! 後は魔力を流して完成です!」
曰く、これが万が一の身分証になるのだそう。もし何かが起り遺体の判別が出来なくなっても、このカードを読み込めば誰だったか分かるという。やっぱり命懸けの職業なだけあるな......
「それではまずホノラさんからやってみましょう」
「わかったわ!」
ホノラは魔道具の水晶に手を翳し、目を閉じる。
「ふん!」
魔力を込め出すと同時に水晶が光り輝き――――! 爆発した。
「あ、あの...わざとじゃないんです! ちょっと加減が効かなくて!!」
ホノラは泣きそうな顔で謝りだした。
「凄い魔力量ですね......この魔道具結構頑丈に作られてるんですけど...壊れたのは今回で史上2回目です......まあ、ちゃんとギルドカードが作れたので良いでしょう!」
「ねぇマツル! 私魔法の才能があるのかも!」
さっきまで泣き顔だったのが嘘のように明るい顔になって飛び跳ねている。
「じゃあなんで今も使えてないんだ?」この言葉を言うとまた泣き出しそうなので、深く深く飲み込んだ。
急いで代わりの魔道具が持って来られて、次は俺の番だ。
「はぁぁぁぁ......」
ホノラの時は光った水晶が、今回はまるで光らない。
「魔力の反応がないですね......」
お姉さんも不思議そうな顔をして見ている。
〈あれナマコ神様ー? なんでー?〉
『マツル君......君魔力が無いね!』
〈は?〉
『だからね、君は元々この世界の住人じゃないでしょ? 元の世界に魔法が無いんだから当然魔力も無い』
〈そこら辺は何か修行とかで増えたりは?〉
『しないね~魔力量は生まれつきだから。君は一生、魔法は使えないよ』
〈じゃあ俺がナマコ神様から貰ったチートの全力全開は? 魔法が使えないなら意味が無いんじゃ〉
『......ごめーんね? 今はちょこっと私の魔力貸すからさ!』
この瞬間、俺のチートスキルは完全に死んだ。落胆している所に何やら体に力が流れてくる感覚がした。これが魔力という奴なのだろう......
「すみませんお姉さん。もう一度いかせていただきます」
「無理やり魔力を流さないで、薄く掌に留める感じだと成功しやすいですよ~」
今度は光った。ちゃんと魔力を流す事に成功したのだ。
あれだな。体の中の水を手から出す感覚だな。
「あら......海獣と似た様な魔力...随分と珍しいですね」
そりゃあ、ナマコの魔力ですからね。
「はい! という事でこれでお二人も、正式な冒険者として登録されました! それでは、頑張ってくださいね!」
俺とホノラは、受付のお姉さんと共に別室に通され、簡単な講習を受ける事になった。
「冒険者と魔物、そしてクエスト難易度にはそれぞれE~Sのランク分けがあります。ここくらいは知ってる人も多いかと思いますが――」
お姉さんの話を纏めると、みんな最初はEランクからスタート。討伐系のクエストは自分のランクの一つ上の難易度まで、採取系のクエストは二つ上まで受注出来るそうだ。
「冒険者ランクはD~Aまではクエストのクリア数や活躍度に応じて自動的に上がっていくので、あまり気にしないでくださいね。ここまでで何か質問はありますか?」
「はいお姉さん! Sランクになるにはどうしたら良いんですか?」
「それ、私も気になる!」
俺の質問にホノラも追随した。やっぱりやるからにはトップを目指したいよな。
「いい質問ですね。Sランクというのは”世界を魔の手から護りし人類の英雄“にのみ与えられる、いわば名誉のようなものなので、ギルドの一存でSランク冒険者を設定する事はできないんです」
「じゃあ実質的なトップはAランクという事ですか?」
「そうです。でも、Aランク冒険者も一つの支部に数人しかいない超英雄級の存在なので、そこを目指して頑張ってくださいね!」
「「はい!」」
俺たちは元気よく返事をした。そのタイミングで、カードと機械のような物が載った台車が運ばれてきた。
「あ、ちょうど来ましたね! こちらがお二人のギルドカードです。後はこれをこの魔道具にセットして......と! 後は魔力を流して完成です!」
曰く、これが万が一の身分証になるのだそう。もし何かが起り遺体の判別が出来なくなっても、このカードを読み込めば誰だったか分かるという。やっぱり命懸けの職業なだけあるな......
「それではまずホノラさんからやってみましょう」
「わかったわ!」
ホノラは魔道具の水晶に手を翳し、目を閉じる。
「ふん!」
魔力を込め出すと同時に水晶が光り輝き――――! 爆発した。
「あ、あの...わざとじゃないんです! ちょっと加減が効かなくて!!」
ホノラは泣きそうな顔で謝りだした。
「凄い魔力量ですね......この魔道具結構頑丈に作られてるんですけど...壊れたのは今回で史上2回目です......まあ、ちゃんとギルドカードが作れたので良いでしょう!」
「ねぇマツル! 私魔法の才能があるのかも!」
さっきまで泣き顔だったのが嘘のように明るい顔になって飛び跳ねている。
「じゃあなんで今も使えてないんだ?」この言葉を言うとまた泣き出しそうなので、深く深く飲み込んだ。
急いで代わりの魔道具が持って来られて、次は俺の番だ。
「はぁぁぁぁ......」
ホノラの時は光った水晶が、今回はまるで光らない。
「魔力の反応がないですね......」
お姉さんも不思議そうな顔をして見ている。
〈あれナマコ神様ー? なんでー?〉
『マツル君......君魔力が無いね!』
〈は?〉
『だからね、君は元々この世界の住人じゃないでしょ? 元の世界に魔法が無いんだから当然魔力も無い』
〈そこら辺は何か修行とかで増えたりは?〉
『しないね~魔力量は生まれつきだから。君は一生、魔法は使えないよ』
〈じゃあ俺がナマコ神様から貰ったチートの全力全開は? 魔法が使えないなら意味が無いんじゃ〉
『......ごめーんね? 今はちょこっと私の魔力貸すからさ!』
この瞬間、俺のチートスキルは完全に死んだ。落胆している所に何やら体に力が流れてくる感覚がした。これが魔力という奴なのだろう......
「すみませんお姉さん。もう一度いかせていただきます」
「無理やり魔力を流さないで、薄く掌に留める感じだと成功しやすいですよ~」
今度は光った。ちゃんと魔力を流す事に成功したのだ。
あれだな。体の中の水を手から出す感覚だな。
「あら......海獣と似た様な魔力...随分と珍しいですね」
そりゃあ、ナマコの魔力ですからね。
「はい! という事でこれでお二人も、正式な冒険者として登録されました! それでは、頑張ってくださいね!」
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