61 / 135
第5章 魔王僭称
第60話 ダイナミック里帰り②
しおりを挟む
「――で? 確かマツルの師匠さんって大陸の外の島に住んでるのよね? どうやって行くの?」
「そうだったぁぁぁぁ......ここ、すげえ内陸だったぁ......」
舟......無いな。遭難しかけた(なんならした)経験上もう乗りたくないし、そもそも港がある訳でもない国に無いだろう。
『転移魔法が使える人に瞬間移動をお願いしてみるのはどうだい?』
それだナマコ神様!! いやぁ俺が使えないのが悔やまれるが、出来ないことを嘆いてもしょうがない!
確かロージーが使えた筈だから掛け合ってみるか!
◇◇◇◇
「――という事でロージー! 俺達を多分ここら辺にある島に飛ばして欲しいんですけど......」
俺は世界地図の大陸の下の方。海の真ん中辺りを指さしながらお願いした。
「普通に無理」
普通に断られた。
「なんでなんですか!?」
「そんな『ここら辺』なんて言う大雑把な位置指定で飛ばせる訳ないでしょ!? なんで行けると思ったの!?」
「んぇーっと......根性?」
「バカねマツル! 気合いよ!」
「どっちも不正解だぶぁーか!! それに、もし位置が特定出来ていたとしても人間二人とデカ狼......は大きさ自由だからノーカンとして、君達を大陸の外の海の更に向こうまで飛ばすのは僕の魔力的に無理がある。転移魔法は魔力を莫大に使うからね」
「じゃあどうしようか......」
そんなに海を都合よく渡る手段ってやっぱ無いのか?
「我が小僧とホノラを背中に乗せて海を渡る......と言うのはどうだ?」
意外な提案がモフローからされる。
「モフローお前海なんて渡れるのか?」
「うむ......昔我が弟と一緒に水の上を走る遊びをしていたから恐らくは」
閃狼すげぇええ!! 海の上を走れるかの問題はあれど二つ飛ばし位には問題が解決した!! これは行ける!! 行けるでぇ!!
「そういう事なら、僕がこの大陸最南端の港町”ウォトレール“までは飛ばしてあげよう! ギルドにも休暇届けを出しておくから、里帰り楽しんできて!」
「ありがとうロージー!」
その後俺達の周りに魔法陣が描かれ、詠唱が始まった。
「じゃあ早速飛ばすね......『とびーるとべーるペペロンチーノ』!!」
なんでこういつも詠唱呪文がふざけてるんだ?
その思考が終わる瞬間、俺達は大陸の最南端に位置する港町”ウォトレール“へと転移していた。
「よぉしモフロー! 後はお前頼みだ! レッツゴウ!」
「任されたぞ小僧! 背に乗るがいい! 飛ばすぞ......しっかり掴まっていろ!!」
【下位閃狼魔法・雷歩】
刹那、身体に空気の壁が激突する。
はやいなんてもんじゃない速すぎだ!! 身体中のあらゆる穴を閉じとかないとそこから内蔵が飛び出そうだ!!
「すっごぉぉぉい!! 速い速イ゛ッ......舌噛んだ......」
ホノラがモフローの背中を鮮血で染める......後で洗ってやろう
俺達は師匠の住む島へ遂に出航(?)したのだった!
「そうだったぁぁぁぁ......ここ、すげえ内陸だったぁ......」
舟......無いな。遭難しかけた(なんならした)経験上もう乗りたくないし、そもそも港がある訳でもない国に無いだろう。
『転移魔法が使える人に瞬間移動をお願いしてみるのはどうだい?』
それだナマコ神様!! いやぁ俺が使えないのが悔やまれるが、出来ないことを嘆いてもしょうがない!
確かロージーが使えた筈だから掛け合ってみるか!
◇◇◇◇
「――という事でロージー! 俺達を多分ここら辺にある島に飛ばして欲しいんですけど......」
俺は世界地図の大陸の下の方。海の真ん中辺りを指さしながらお願いした。
「普通に無理」
普通に断られた。
「なんでなんですか!?」
「そんな『ここら辺』なんて言う大雑把な位置指定で飛ばせる訳ないでしょ!? なんで行けると思ったの!?」
「んぇーっと......根性?」
「バカねマツル! 気合いよ!」
「どっちも不正解だぶぁーか!! それに、もし位置が特定出来ていたとしても人間二人とデカ狼......は大きさ自由だからノーカンとして、君達を大陸の外の海の更に向こうまで飛ばすのは僕の魔力的に無理がある。転移魔法は魔力を莫大に使うからね」
「じゃあどうしようか......」
そんなに海を都合よく渡る手段ってやっぱ無いのか?
「我が小僧とホノラを背中に乗せて海を渡る......と言うのはどうだ?」
意外な提案がモフローからされる。
「モフローお前海なんて渡れるのか?」
「うむ......昔我が弟と一緒に水の上を走る遊びをしていたから恐らくは」
閃狼すげぇええ!! 海の上を走れるかの問題はあれど二つ飛ばし位には問題が解決した!! これは行ける!! 行けるでぇ!!
「そういう事なら、僕がこの大陸最南端の港町”ウォトレール“までは飛ばしてあげよう! ギルドにも休暇届けを出しておくから、里帰り楽しんできて!」
「ありがとうロージー!」
その後俺達の周りに魔法陣が描かれ、詠唱が始まった。
「じゃあ早速飛ばすね......『とびーるとべーるペペロンチーノ』!!」
なんでこういつも詠唱呪文がふざけてるんだ?
その思考が終わる瞬間、俺達は大陸の最南端に位置する港町”ウォトレール“へと転移していた。
「よぉしモフロー! 後はお前頼みだ! レッツゴウ!」
「任されたぞ小僧! 背に乗るがいい! 飛ばすぞ......しっかり掴まっていろ!!」
【下位閃狼魔法・雷歩】
刹那、身体に空気の壁が激突する。
はやいなんてもんじゃない速すぎだ!! 身体中のあらゆる穴を閉じとかないとそこから内蔵が飛び出そうだ!!
「すっごぉぉぉい!! 速い速イ゛ッ......舌噛んだ......」
ホノラがモフローの背中を鮮血で染める......後で洗ってやろう
俺達は師匠の住む島へ遂に出航(?)したのだった!
0
あなたにおすすめの小説
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
異世界で魔法が使えない少女は怪力でゴリ押しします!
ninjin
ファンタジー
病弱だった少女は14歳の若さで命を失ってしまった・・・かに思えたが、実は異世界に転移していた。異世界に転移した少女は病弱だった頃になりたかった元気な体を手に入れた。しかし、異世界に転移して手いれた体は想像以上に頑丈で怪力だった。魔法が全ての異世界で、魔法が使えない少女は頑丈な体と超絶な怪力で無双する。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
過労死して転生したら『万能農具』を授かったので、辺境でスローライフを始めたら、聖獣やエルフ、王女様まで集まってきて国ごと救うことになりました
黒崎隼人
ファンタジー
過労の果てに命を落とした青年が転生したのは、痩せた土地が広がる辺境の村。彼に与えられたのは『万能農具』という一見地味なチート能力だった。しかしその力は寂れた村を豊かな楽園へと変え、心優しきエルフや商才に長けた獣人、そして国の未来を憂う王女といった、かけがえのない仲間たちとの絆を育んでいく。
これは一本のクワから始まる、食と笑い、もふもふに満ちた心温まる異世界農業ファンタジー。やがて一人の男のささやかな願いが、国さえも救う大きな奇跡を呼び起こす物語。
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める
遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】
猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。
そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。
まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる