異世界ハードモード!〜持ってるチートスキルが使えなくても強くなれる剣士として努力を続けようと思います!〜

ちょっと黒い筆箱

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第6章 灰の反逆

第79話 超タイマン大作戦②

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「ふー......オホン! 助けに来たわよ! マツル!!」

 瓦礫の中から出てきたホノラは決まったとばかりに決めポーズをしている。

「助けに来たわよ! じゃねーよ! なんでここにお前がいるんだよ!? 何がどうなったらノヴァーリスに置いて来た仲間が壁突き破って出てくるんだよ!?」

「で、誰なんだそこの女は?」

 ロックも目を白黒させながら......実際はサングラスをしているので黒黒させながら聞いてきた。

「私はそこにいるマツルの最初にして最強の仲間! ホノラよ! よろしく!!」

「おお! つまりあれか! 助っ人という奴だな? 良いだろう! 俺は2対1でも構わんぞ?」

「ロックちょっと待て! 先ずはなんでここに来たのかホノラに聞くのが先決だ......なんで来たんだ?」

 ホノラは言うなればフリージアさんの配慮を無駄にする形でここにいるのだ。

「実はね――――」

 ロックはあぐらをかいて思いっきり聞く姿勢を取り、不意打ちをするつもりは無いようなのでゆっくり聞くことにした。

「私、お兄ちゃんがサラバンドを壊滅させたって所に最初はすごいショックだったんだけど、みんなが準備してる間に結構冷静になれて、なんでそうしなければならなかったのか。理由が知りたくなったの」

「ほうほう?」

「――でも行けないなーとか、私が聞きに行ってもなーって思ってたんだけど、マツル達が出発する時に見送りに行こうとしたらクーガさんとたまたま会って、あの人も連れて行って貰えないって拗ねてたの」

 クーガ......行きたかったのか......

「それで私の気持ちをクーガさんにぶちまけたら、『俺は仕事があって行けないがお前は冒険者! 自由の象徴だ!! オーバーサイトマスター殿には俺から伝えておく! 直接気持ちを聞いてこい!』って背中を押されて、 丸太に乗って投げ飛んできたの!」

「......なるほどな」

「ウォウウォウ......良い話じゃねぇか! 隠し事だらけの兄貴の正直な気持ちを聞くために魔王の城まで来るなんて良い兄妹愛じゃねぇか!! それにクーガとか言う奴! 二人の関係を影ながら応援する漢!! って感じが俺に刺さる!」

 ロックがめちゃめちゃ感動の涙を流している。
 だがクーガの人となりを割と知っている俺からしてみたらその実そんな感動的な事を考えていない事は分かる。
 多分「俺よりガブリエーラさんを優先した事の逆恨み」程度にしか考えていないだろう。

「――っと、感動秘話の時間はここまでにして......2対1なのか? それとも順番にタイマンか? どっちだ?」

 ロックが立ち上がり準備運動を始める。
 ホノラが吹っ切れていて120%の力を出せると仮定した俺の理想としては......俺がロックと戦い、6階にいるであろうレオノラの所にホノラを連れて行く事なのだが......

「マツル! アンタは先に行きなさい! 上にお兄ちゃんがいるんでしょ? 適当にボコボコにしてやんなさい!」

「ッ!! 良いのか? お前が行かなくても......」

「良いの! 多分お兄ちゃん、私が聞きに行っても正直に話してくれないだろうし、本気でぶつかってもくれないと思うの。だからマツル! 任せたわよ!!」

「合点!!!!」

「決まったな......じゃあホノラ!! 俺と全身全霊のぶつかり合いをしようぜェ!!!!」

「望む所よ! 私も本気で行くわ!!」


◇◇◇◇

 恐らく最上階であろう6階......その一番奥扉を開けるとそこに彼はいた。

「やっと来たか......待ちくたびれたぞマツル......」

 立ち上がり指輪をはめるレオノラは何故だろうか。同時に少し寂しそうな雰囲気を纏った。

「レオノラ......確か俺とお前は決着が着いてなかったよな......」

 今ここで、全てに決着を着ける。
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