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【6】真相は紐解かれる
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話もひと段落がついたところで、お茶を淹れると言って彗が立ち上がった。
「親父と律子さんはなにがいい? コーヒーと紅茶もあるけど」
「さっきからいい香りがするなと思っていたんだ。コーヒーを頂こうかな」
「彗くん、私がやりますので座っててください」
「律子さんはもう、家政婦さんじゃないでしょ。気にしないで」
「まあ……ふふ、ありがとう。じゃあ私も、コーヒーをお願いします」
「彗くん、僕もやるよ」
「マジ? さんきゅ」
彗の後を追って、杏樹もキッチンへと入る。宇京と律子のコーヒーを彗が淹れて、杏樹は自分たちの分の紅茶を準備する。コーヒーは朝食で飲んだばかりだからと、彗の提案だ。
そうこうしている間に、壱星と銀河もカウンターの向かいにやってきた。銀河の手には宇京から受け取ったらしい土産のチョコレートがあり、壱星がその様子を眺めている。
「ん? なんだよこれ、ビニールがぴちぴちで開かない……」
「そこの引き出しにハサミが入ってるぞ」
「いや、いい。絶対手で開けてみせる……んん! よし、開いた」
「はは、銀河は力があるな」
「面倒くさがりの間違いだろ、兄貴は銀河に甘いんだよ」
「スイ兄聞こえてんぞー」
「聞こえるように言ってる」
「ふふ」
三人の会話に杏樹はつい笑ってしまいながら、トレイにカップを乗せる。彗ももうひとつのトレイにコーヒーを乗せた。
「お待たせ」
「ありがとう。彗が淹れてくれたコーヒーを飲むなんて、初めてだな」
「俺もお待たせ! はい、チョコ! まあ箱開けただけだけど!」
彗がコーヒーをテーブルに並べ、銀河がチョコレートを中央に置く。その後に続いて、杏樹も紅茶を並べた。元の場所に座ろうかと思ったが、
「杏樹くん、こっちにおいで」
と壱星に誘われ、兄弟たちが座っていたほうのソファに腰を下ろした。銀河と一緒に、壱星と彗に挟まれるかたちだ。
「杏樹くんが淹れてくれた紅茶、今日も美味しいよ」
「本当ですか? よかったです」
「なあ杏樹、これ、このチョコが特に美味いから食ってみて」
「え、僕が食べていいの? それちょっとしか入ってないみたいだから、銀河くんが食べたら?」
「いいんだよ、杏樹に食ってほしいの。ほら」
「あ、あー……ん、ほんとだ、美味しい……」
「へへ、だろ?」
「鈴原、口の端にチョコついてる」
「え、どこ?」
「そっちじゃなくて、反対。ほら、ティッシュ」
「ありがとう」
母と話せた安堵もあって、兄弟たちとの会話に杏樹はいつも以上にリラックスしてしまう。すると、ついこぼれ出たというような笑みが聞こえてきた。誘われるように顔を上げると、律子と宇京がやわらかくほほ笑んで杏樹たちを眺めていた。
「あなたたち、もうすっかり仲良しなのね」
「まるで四人で本当の兄弟みたいだな」
「えっと……」
まさか、ずっと見られていたのだろうか。やましいことは正直あるが、今それに勘づかれるような行動を取ったつもりはないけれど――ドキッと跳ねた胸と共に、杏樹は思わず背筋を伸ばした。けれどそんな杏樹の心中を知ってか知らずか、銀河がぎゅっと横から抱きついてきた。
「わっ、銀河くん!?」
「うん、仲良くやってるよ。な? 杏樹」
「え、っと……」
戸惑っていると、今度は隣の壱星が杏樹の髪をポンと撫でる。
「杏樹くんは気が利くし優しいから、俺たちが甘えっぱなしだけどな」
「そんなことないです! 僕が皆さんに、お世話になりっぱなしで!」
首を横にブンブンと振れば、彗も加勢してくる。杏樹にではなく、銀河と壱星に、だ。
「兄貴の言う通りだよ。鈴原はもう、すっかりこの家の一員だ」
「彗くん……」
ふと気づくと、この場にいる全員のあたたかい視線が、杏樹へと注がれていた。そう分かった瞬間、涙が一気にこみ上げてしまいそうになる。慌ててぎゅっと下くちびるを噛んで、喉の奥でぐっと押しこめる。
「えっと……この家で暮らすことになった時は、本当にどうしようかと思ったけど……今、毎日がすごく楽しいです。壱星さんがいなきゃ乗り越えられなかったこと、銀河くんが教えてくれた楽しさとか誰かを大事にしたいって思うこととか、彗くんとだからできる話とか優しさとか……全部、僕にとっては宝ものです」
やっとの思いで口にできた言葉は、嘘偽りのない杏樹の心だ。けれどちょっと、くさい言い方になってしまっただろうか。少しずつ顔が伏せっていったが、気づいた時にはぎゅっと抱きしめられていた。いつの間にか母が席を立って、こちらまで回ってきていたみたいだ。
「はは、お母さん苦しいよ」
「だってー、嬉しくて! 私が振り回しちゃったから、ほっとした」
「団地が解約されてたのは本当にびっくりしたけど……大丈夫だよ、お母さんのおっちょこちょいにはもう慣れっこだし」
「え、おっちょこちょい? お母さんが? そんなことないわよ。え、そうよね? 宇京さん」
「はは、私に振られるとちょっと困っちゃうかな」
「ええ、そんな! 壱星くんたちは?」
「俺の口からもちょっと……」
「俺も黙秘」
「律子はおっちょこちょいだよ。でもそこがいいとこじゃね?」
「そんなあ……でも、こんな話ができるのも杏樹が無事だったからだし。いいかな」
まだ少しだけ不服そうだけれど、律子はそう言ってふうと息をついた。再びソファに腰を下ろすのを見届けながら、杏樹はふと疑問があったことを思い出す。
「そう言えば……どうして僕があそこにいるって分かったんですか?」
「親父と律子さんはなにがいい? コーヒーと紅茶もあるけど」
「さっきからいい香りがするなと思っていたんだ。コーヒーを頂こうかな」
「彗くん、私がやりますので座っててください」
「律子さんはもう、家政婦さんじゃないでしょ。気にしないで」
「まあ……ふふ、ありがとう。じゃあ私も、コーヒーをお願いします」
「彗くん、僕もやるよ」
「マジ? さんきゅ」
彗の後を追って、杏樹もキッチンへと入る。宇京と律子のコーヒーを彗が淹れて、杏樹は自分たちの分の紅茶を準備する。コーヒーは朝食で飲んだばかりだからと、彗の提案だ。
そうこうしている間に、壱星と銀河もカウンターの向かいにやってきた。銀河の手には宇京から受け取ったらしい土産のチョコレートがあり、壱星がその様子を眺めている。
「ん? なんだよこれ、ビニールがぴちぴちで開かない……」
「そこの引き出しにハサミが入ってるぞ」
「いや、いい。絶対手で開けてみせる……んん! よし、開いた」
「はは、銀河は力があるな」
「面倒くさがりの間違いだろ、兄貴は銀河に甘いんだよ」
「スイ兄聞こえてんぞー」
「聞こえるように言ってる」
「ふふ」
三人の会話に杏樹はつい笑ってしまいながら、トレイにカップを乗せる。彗ももうひとつのトレイにコーヒーを乗せた。
「お待たせ」
「ありがとう。彗が淹れてくれたコーヒーを飲むなんて、初めてだな」
「俺もお待たせ! はい、チョコ! まあ箱開けただけだけど!」
彗がコーヒーをテーブルに並べ、銀河がチョコレートを中央に置く。その後に続いて、杏樹も紅茶を並べた。元の場所に座ろうかと思ったが、
「杏樹くん、こっちにおいで」
と壱星に誘われ、兄弟たちが座っていたほうのソファに腰を下ろした。銀河と一緒に、壱星と彗に挟まれるかたちだ。
「杏樹くんが淹れてくれた紅茶、今日も美味しいよ」
「本当ですか? よかったです」
「なあ杏樹、これ、このチョコが特に美味いから食ってみて」
「え、僕が食べていいの? それちょっとしか入ってないみたいだから、銀河くんが食べたら?」
「いいんだよ、杏樹に食ってほしいの。ほら」
「あ、あー……ん、ほんとだ、美味しい……」
「へへ、だろ?」
「鈴原、口の端にチョコついてる」
「え、どこ?」
「そっちじゃなくて、反対。ほら、ティッシュ」
「ありがとう」
母と話せた安堵もあって、兄弟たちとの会話に杏樹はいつも以上にリラックスしてしまう。すると、ついこぼれ出たというような笑みが聞こえてきた。誘われるように顔を上げると、律子と宇京がやわらかくほほ笑んで杏樹たちを眺めていた。
「あなたたち、もうすっかり仲良しなのね」
「まるで四人で本当の兄弟みたいだな」
「えっと……」
まさか、ずっと見られていたのだろうか。やましいことは正直あるが、今それに勘づかれるような行動を取ったつもりはないけれど――ドキッと跳ねた胸と共に、杏樹は思わず背筋を伸ばした。けれどそんな杏樹の心中を知ってか知らずか、銀河がぎゅっと横から抱きついてきた。
「わっ、銀河くん!?」
「うん、仲良くやってるよ。な? 杏樹」
「え、っと……」
戸惑っていると、今度は隣の壱星が杏樹の髪をポンと撫でる。
「杏樹くんは気が利くし優しいから、俺たちが甘えっぱなしだけどな」
「そんなことないです! 僕が皆さんに、お世話になりっぱなしで!」
首を横にブンブンと振れば、彗も加勢してくる。杏樹にではなく、銀河と壱星に、だ。
「兄貴の言う通りだよ。鈴原はもう、すっかりこの家の一員だ」
「彗くん……」
ふと気づくと、この場にいる全員のあたたかい視線が、杏樹へと注がれていた。そう分かった瞬間、涙が一気にこみ上げてしまいそうになる。慌ててぎゅっと下くちびるを噛んで、喉の奥でぐっと押しこめる。
「えっと……この家で暮らすことになった時は、本当にどうしようかと思ったけど……今、毎日がすごく楽しいです。壱星さんがいなきゃ乗り越えられなかったこと、銀河くんが教えてくれた楽しさとか誰かを大事にしたいって思うこととか、彗くんとだからできる話とか優しさとか……全部、僕にとっては宝ものです」
やっとの思いで口にできた言葉は、嘘偽りのない杏樹の心だ。けれどちょっと、くさい言い方になってしまっただろうか。少しずつ顔が伏せっていったが、気づいた時にはぎゅっと抱きしめられていた。いつの間にか母が席を立って、こちらまで回ってきていたみたいだ。
「はは、お母さん苦しいよ」
「だってー、嬉しくて! 私が振り回しちゃったから、ほっとした」
「団地が解約されてたのは本当にびっくりしたけど……大丈夫だよ、お母さんのおっちょこちょいにはもう慣れっこだし」
「え、おっちょこちょい? お母さんが? そんなことないわよ。え、そうよね? 宇京さん」
「はは、私に振られるとちょっと困っちゃうかな」
「ええ、そんな! 壱星くんたちは?」
「俺の口からもちょっと……」
「俺も黙秘」
「律子はおっちょこちょいだよ。でもそこがいいとこじゃね?」
「そんなあ……でも、こんな話ができるのも杏樹が無事だったからだし。いいかな」
まだ少しだけ不服そうだけれど、律子はそう言ってふうと息をついた。再びソファに腰を下ろすのを見届けながら、杏樹はふと疑問があったことを思い出す。
「そう言えば……どうして僕があそこにいるって分かったんですか?」
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