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ロシアンブルーの正体(4)
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「いま、ホストクラブの誰か迎えに来させるからね」
長谷川が混乱して泣きじゃくるアイナにホットカフェラテを淹れてなだめていた
「あ、お前らは早くプッシールーム行けよ」
アイナが心配で一旦店に戻ってきたミナミとリンに長谷川が言った
「今日はその人、帰した方がいいんじゃないんですか?」
ミナミが憮然として言った
「だって。アイナちゃん、どうする?店に来てくれたらお詫びに好きなホストつけるし、ボトル入れてくれたら半額サービスにしちゃうけど?」
アイナは長谷川とミナミの顔を見比べて、「行く」と呟いた
リンはミナミの表情を盗み見た
ミナミの表情には苛立ちがにじんでいた
「ミナミさん、時間ギリギリかも」
リンが声をかけると、ミナミはチッと舌打ちして、荒々しくドアを開けて店を出た
「ミナミさん、傘!」
リンは、店の入り口に立て掛けてあったミナミの傘をつかんで追いかけた
「…」
リンが追い付いて傘をさしても、ミナミは無言のまま遠くを睨み付けていた
「何を怒ってるんですか?」
リンは思いきって聞いてみた
「お前がホストクラブのオーナーってマジ?長谷川さんとも知り合いなの?」
「…やっばり聞いてたんですね」
立ち止まってゆっくり話したかったが、プッシールームの出勤時間はとうに過ぎている
さっきから、何回もスマホの呼び出しが鳴っていた
急いで話しても、誤解が生じるだけで何も伝わらない
リンはそう考えて、弁解の時間を別にもうけてもらおうと口を開きかけた
だが、ミナミの方が先制を切った
「金あんならこんな仕事すんな」
「金とか関係ないですよ」
「じゃあなおさら悪いわ」
「何故ですか?」
ミナミは立ち止まって大きなため息をついた
「あそこで働いてる奴らを知ってるか?オナニーでしかイケない奴、セックスが嫌いなのに人一倍人と繋がっていたいやつ、人とまともにコミュニケーションとれないせいで仕事転々としてたやつ。そんなんばっかだ。金が動機じゃないってんなら、お前もそいつらと同じなんだろ?だったらとっとと病院に行けよ」
そう言い捨てると、ミナミは傘を飛び出して、プッシールームが入るビルに入っていった
リンが、重い足取りで出勤すると、ミナミはすでに着替えてプルイルームに入ってしまっていた
リンは普段は気にしない他人のシフト表を睨み付けた
明日、ミナミは欠勤だった
リンはホッと胸を撫で下ろした
「客を10分待たせた。このペナルティは大きいぞ」
リンはマサトを睨み付けて、
「俺は予約入ってないでしょ?付き添いは善意なのに、ミナミさんの遅刻まで俺のせいにされるいわれはないんですけど」
普段は必要最低限の話しかしないリンの口から恨み辛みがほとばしり出て、マサトは態度を変えた
「なんかあった?」
急に低姿勢になった
「ミナミさんに、長谷川さんとの関係がバレました。ついでにホストクラブのオーナーってことも」
「あー…まあ、遅かれ早かれじゃないの?」
慰めようのない問題に、マサトは困って首筋を掻いた
「そもそも、自分の経営する会社に、内緒で働くのって無理あるだろ?」
「それは義叔父さんが…」
「義叔父さん義叔父さんって、お前いくつだよ?」
「…」
「義理のお母さんが亡くなった時は、お前も未成年で、長谷川さんの言うこと聞いときゃよかったんだろうが、今は違うだろ。しっかりしろよ」
入口のベルが鳴って客が入ってきた
マサトはリンの肩をポンポンと叩くと、受付に戻っていった
「いまはロシアンブルーのコしかいませんけど…」
マサトの声が聞こえた
こんな状態でも客をとらなきゃいけないなんて吐き気がした
そんな気分になんてなれるわけない
その時、ミナミの言葉が頭のなかに反響した
【金が動機じゃないってんなら、とっとと病院に行けよ】
リンは頭を振ってその言葉を打ち消した
(俺のはそんなんじゃない…俺のは)
「リン、30分。OLね」
マサトがリンに声をかけた
リンは返事をせずに、着替えてプレイルームに向かった
長谷川が混乱して泣きじゃくるアイナにホットカフェラテを淹れてなだめていた
「あ、お前らは早くプッシールーム行けよ」
アイナが心配で一旦店に戻ってきたミナミとリンに長谷川が言った
「今日はその人、帰した方がいいんじゃないんですか?」
ミナミが憮然として言った
「だって。アイナちゃん、どうする?店に来てくれたらお詫びに好きなホストつけるし、ボトル入れてくれたら半額サービスにしちゃうけど?」
アイナは長谷川とミナミの顔を見比べて、「行く」と呟いた
リンはミナミの表情を盗み見た
ミナミの表情には苛立ちがにじんでいた
「ミナミさん、時間ギリギリかも」
リンが声をかけると、ミナミはチッと舌打ちして、荒々しくドアを開けて店を出た
「ミナミさん、傘!」
リンは、店の入り口に立て掛けてあったミナミの傘をつかんで追いかけた
「…」
リンが追い付いて傘をさしても、ミナミは無言のまま遠くを睨み付けていた
「何を怒ってるんですか?」
リンは思いきって聞いてみた
「お前がホストクラブのオーナーってマジ?長谷川さんとも知り合いなの?」
「…やっばり聞いてたんですね」
立ち止まってゆっくり話したかったが、プッシールームの出勤時間はとうに過ぎている
さっきから、何回もスマホの呼び出しが鳴っていた
急いで話しても、誤解が生じるだけで何も伝わらない
リンはそう考えて、弁解の時間を別にもうけてもらおうと口を開きかけた
だが、ミナミの方が先制を切った
「金あんならこんな仕事すんな」
「金とか関係ないですよ」
「じゃあなおさら悪いわ」
「何故ですか?」
ミナミは立ち止まって大きなため息をついた
「あそこで働いてる奴らを知ってるか?オナニーでしかイケない奴、セックスが嫌いなのに人一倍人と繋がっていたいやつ、人とまともにコミュニケーションとれないせいで仕事転々としてたやつ。そんなんばっかだ。金が動機じゃないってんなら、お前もそいつらと同じなんだろ?だったらとっとと病院に行けよ」
そう言い捨てると、ミナミは傘を飛び出して、プッシールームが入るビルに入っていった
リンが、重い足取りで出勤すると、ミナミはすでに着替えてプルイルームに入ってしまっていた
リンは普段は気にしない他人のシフト表を睨み付けた
明日、ミナミは欠勤だった
リンはホッと胸を撫で下ろした
「客を10分待たせた。このペナルティは大きいぞ」
リンはマサトを睨み付けて、
「俺は予約入ってないでしょ?付き添いは善意なのに、ミナミさんの遅刻まで俺のせいにされるいわれはないんですけど」
普段は必要最低限の話しかしないリンの口から恨み辛みがほとばしり出て、マサトは態度を変えた
「なんかあった?」
急に低姿勢になった
「ミナミさんに、長谷川さんとの関係がバレました。ついでにホストクラブのオーナーってことも」
「あー…まあ、遅かれ早かれじゃないの?」
慰めようのない問題に、マサトは困って首筋を掻いた
「そもそも、自分の経営する会社に、内緒で働くのって無理あるだろ?」
「それは義叔父さんが…」
「義叔父さん義叔父さんって、お前いくつだよ?」
「…」
「義理のお母さんが亡くなった時は、お前も未成年で、長谷川さんの言うこと聞いときゃよかったんだろうが、今は違うだろ。しっかりしろよ」
入口のベルが鳴って客が入ってきた
マサトはリンの肩をポンポンと叩くと、受付に戻っていった
「いまはロシアンブルーのコしかいませんけど…」
マサトの声が聞こえた
こんな状態でも客をとらなきゃいけないなんて吐き気がした
そんな気分になんてなれるわけない
その時、ミナミの言葉が頭のなかに反響した
【金が動機じゃないってんなら、とっとと病院に行けよ】
リンは頭を振ってその言葉を打ち消した
(俺のはそんなんじゃない…俺のは)
「リン、30分。OLね」
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リンは返事をせずに、着替えてプレイルームに向かった
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