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第43話 アップルパイの御礼
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メインの料理を食べ終えたミカは、デザートを物色していた。
今日も、カウンターには様々な甘味が並べられている。
定番のヨーグルトを筆頭に、フルーツの盛り合わせ、シュークリーム、ミニケーキ、ベリーのムース、アイスクリーム……など、目移りするデザートが一杯だ。
どれを食べようか。皿を片手にあれこれ物色しながらゆっくりと歩き回り。
彼女は、とある甘味の前で足を止めた。
それは、ピースに切り分けられたアップルパイだった。
彼女は、アレクがアップルパイを片手に部屋を訪ねてきてくれた時のことを思い出す。
……私、あの時の御礼してない……
わざわざ作ってもらった特別なものだから、何かお返しをしたいと彼女は思った。
でも、何でお返しすれば良いのだろう?
アップルパイをじっと見つめたまま考え込んでいると。
前を通りかかった料理人が、彼女に声を掛けてきた。
「嬢ちゃん、アップルパイは好きか?」
眼帯をした褐色肌の男。アカギである。
彼は追加分のアップルパイを載せた皿をミカへと差し出して、笑った。
「丁度焼きたてを持ってきたところだ。此処から取りな」
「……ありがとう」
アップルパイを選ぶつもりはなかったのだが、アカギの言葉に押される形でミカはアップルパイを一切れ自分の皿に取った。
アカギは鼻歌を歌いながら、残りのアップルパイをカウンターの皿に移し変えていく。
それを見ていたミカは、何かを思い付いたのか、彼女にしては珍しく大きな声でアカギに話しかけた。
「……あ、あの」
「ん?」
空になった皿を持って去ろうとしていたアカギが振り向いてくる。
ミカはこくんと喉を鳴らして、胸に手を当てて、彼に言った。
「お菓子の作り方、教えて」
「菓子?」
怪訝そうに小首を傾げるアカギ。
「そんなもんを聞いてどうするんだ?」
「私、アレクにアップルパイの御礼がしたくて……アレクはお菓子が好きだから、お菓子を作ってあげたら喜ぶかなって思って」
「アップルパイ……?」
アカギは目を瞬かせて考えることしばし。
ややあって、思い当たることがあったようでああと声を発した。
「嬢ちゃんが、アレクが言ってた奴か。そうかそうか、アレクに礼をなぁ」
腰に手を当ててミカの全身を値踏みするように見つめて、微笑ましげに頷く。
「いいぜ。今なら窯は空いてるから、簡単な焼き菓子なら作れる。オレが直々に一から作り方を教えてやるよ」
「本当?」
ミカの表情が明るくなった。
これでアレクにアップルパイの御礼ができる。そのことが嬉しかったのだろう。
「食事が済んだら厨房に来な。材料の準備して待っててやるからよ」
アカギは空の皿を片手に大広間を出て行った。
ミカはアップルパイを持って自分の席に戻った。
早速フォークを突き立てながら、思う。
美味しいお菓子を作って、アレクを喜ばせてあげるんだ……!
早く食事を済ませて厨房に行こう。自分に言い聞かせ、彼女は大きな口でアップルパイを頬張った。
今日も、カウンターには様々な甘味が並べられている。
定番のヨーグルトを筆頭に、フルーツの盛り合わせ、シュークリーム、ミニケーキ、ベリーのムース、アイスクリーム……など、目移りするデザートが一杯だ。
どれを食べようか。皿を片手にあれこれ物色しながらゆっくりと歩き回り。
彼女は、とある甘味の前で足を止めた。
それは、ピースに切り分けられたアップルパイだった。
彼女は、アレクがアップルパイを片手に部屋を訪ねてきてくれた時のことを思い出す。
……私、あの時の御礼してない……
わざわざ作ってもらった特別なものだから、何かお返しをしたいと彼女は思った。
でも、何でお返しすれば良いのだろう?
アップルパイをじっと見つめたまま考え込んでいると。
前を通りかかった料理人が、彼女に声を掛けてきた。
「嬢ちゃん、アップルパイは好きか?」
眼帯をした褐色肌の男。アカギである。
彼は追加分のアップルパイを載せた皿をミカへと差し出して、笑った。
「丁度焼きたてを持ってきたところだ。此処から取りな」
「……ありがとう」
アップルパイを選ぶつもりはなかったのだが、アカギの言葉に押される形でミカはアップルパイを一切れ自分の皿に取った。
アカギは鼻歌を歌いながら、残りのアップルパイをカウンターの皿に移し変えていく。
それを見ていたミカは、何かを思い付いたのか、彼女にしては珍しく大きな声でアカギに話しかけた。
「……あ、あの」
「ん?」
空になった皿を持って去ろうとしていたアカギが振り向いてくる。
ミカはこくんと喉を鳴らして、胸に手を当てて、彼に言った。
「お菓子の作り方、教えて」
「菓子?」
怪訝そうに小首を傾げるアカギ。
「そんなもんを聞いてどうするんだ?」
「私、アレクにアップルパイの御礼がしたくて……アレクはお菓子が好きだから、お菓子を作ってあげたら喜ぶかなって思って」
「アップルパイ……?」
アカギは目を瞬かせて考えることしばし。
ややあって、思い当たることがあったようでああと声を発した。
「嬢ちゃんが、アレクが言ってた奴か。そうかそうか、アレクに礼をなぁ」
腰に手を当ててミカの全身を値踏みするように見つめて、微笑ましげに頷く。
「いいぜ。今なら窯は空いてるから、簡単な焼き菓子なら作れる。オレが直々に一から作り方を教えてやるよ」
「本当?」
ミカの表情が明るくなった。
これでアレクにアップルパイの御礼ができる。そのことが嬉しかったのだろう。
「食事が済んだら厨房に来な。材料の準備して待っててやるからよ」
アカギは空の皿を片手に大広間を出て行った。
ミカはアップルパイを持って自分の席に戻った。
早速フォークを突き立てながら、思う。
美味しいお菓子を作って、アレクを喜ばせてあげるんだ……!
早く食事を済ませて厨房に行こう。自分に言い聞かせ、彼女は大きな口でアップルパイを頬張った。
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