28 / 78
第28話 大きな神果は西瓜の味
しおりを挟む
がさがさ、と目の前の葉っぱが揺れ、ひょっこりとメネが顔を出す。
「此処にもあったよー」
「分かった。収穫するね」
メネがいた辺りの葉っぱを掻き分けると、人の顔ほどの大きさがある深緑色の神果が顔を覗かせた。
うん、大きいね。食べ応えありそうな実だ。
僕は持っていたナイフで、神果に付いている蔓を切った。
収穫した神果は、畑の横に置いてある荷車に積んだ。
荷車には、これまでに収穫した神果がごろごろと積まれている。
大漁だなぁ。
「これ、家に帰ったら一個味見してもいい?」
「いいよ。皮は食べられないから気を付けてね」
僕たちが今収穫している神果は大人のエルに食べさせるためのもので、その見た目は西瓜に似ている。
縞模様はないけど、皮がしっかりしていて固いし、大きい。庭先に置いて棒で叩きたくなるような実だ。
きっと中は赤くて瑞々しいんだろうな。
そんなことを考えながら、どんどん収穫作業を進めていく。
苺みたいな神果とは違って腕力を使うから作業は大変だったけど、それでも僕が空腹になる頃には、荷車が神果で一杯になった。
神果を収穫し終えた後の苗は、例のように引き抜いて畑の横の穴の中へ。
まっさらになった畑の土は、メネが魔法で新しい種を植えられるように整えてくれた。
「キラ、畑仕事するのに慣れてきたみたいだね。前より手早くなった気がするよ」
「そうかな?」
「うん」
僕はメネの言葉にちょっぴり笑顔になった。
自分ではあまりよく分からないけど、見る人が見るとちょっとした違いが分かるものなんだね。
植物の世話は好きだから、自分の腕前が認められたみたいで嬉しいな。
荷車を押して、僕たちは神果を家の中に運び込んだ。
大量にあるけど、家にはアイテムボックスがあるから保存場所には困らない。
どんどん、アイテムボックスの中に神果を入れていく。
ふと思ったけど、アイテムボックスってどれくらい物が入れられるんだろうね。
あんなにあった神果が全部入るくらいだから底なしってイメージがあるけど、やっぱり限界ってあるのかな。
まあ、いいか。知りたくても確かめようがないし。
僕は神果をひとつだけ流し台に置いて水で綺麗に洗い、まな板の上に載せた。
てっぺんからナイフを入れるが、やはり固い。ナイフの刃がなかなか通らない。
体重をかけて、少しずつ実を割るような感覚で切っていく。
ぱかっとふたつに割れた断面から、実と同じ色の赤い果汁が滴った。
やっぱり、西瓜だね。種があるところもそれっぽい。
食べやすい大きさに切り分けて、皿に盛っていく。
うん、夏っぽい。
皿を持って、僕はリビングに移動した。
リビングでは、メネが生命の揺り籠に置かれた卵をじっと見つめていた。
「卵、動いた?」
「ううん、まだだよ。生まれるまでもうちょっとかかるっぽい」
そろそろ卵を置いて一日経つけど、まだ生まれないか。
僕はメネをテーブル席に呼んだ。
「メネ、神果切ったよ。味見しよう」
「はぁい」
西瓜みたいな見た目の神果は、味もやっぱり西瓜で、素朴な甘さがとても美味しかった。
これからこの神果を食べるエルが増えることだし、張り切って畑の世話をしないとね。
窓の外を見ながら、僕はメネと一緒に神果の甘さを心行くまで堪能した。
「此処にもあったよー」
「分かった。収穫するね」
メネがいた辺りの葉っぱを掻き分けると、人の顔ほどの大きさがある深緑色の神果が顔を覗かせた。
うん、大きいね。食べ応えありそうな実だ。
僕は持っていたナイフで、神果に付いている蔓を切った。
収穫した神果は、畑の横に置いてある荷車に積んだ。
荷車には、これまでに収穫した神果がごろごろと積まれている。
大漁だなぁ。
「これ、家に帰ったら一個味見してもいい?」
「いいよ。皮は食べられないから気を付けてね」
僕たちが今収穫している神果は大人のエルに食べさせるためのもので、その見た目は西瓜に似ている。
縞模様はないけど、皮がしっかりしていて固いし、大きい。庭先に置いて棒で叩きたくなるような実だ。
きっと中は赤くて瑞々しいんだろうな。
そんなことを考えながら、どんどん収穫作業を進めていく。
苺みたいな神果とは違って腕力を使うから作業は大変だったけど、それでも僕が空腹になる頃には、荷車が神果で一杯になった。
神果を収穫し終えた後の苗は、例のように引き抜いて畑の横の穴の中へ。
まっさらになった畑の土は、メネが魔法で新しい種を植えられるように整えてくれた。
「キラ、畑仕事するのに慣れてきたみたいだね。前より手早くなった気がするよ」
「そうかな?」
「うん」
僕はメネの言葉にちょっぴり笑顔になった。
自分ではあまりよく分からないけど、見る人が見るとちょっとした違いが分かるものなんだね。
植物の世話は好きだから、自分の腕前が認められたみたいで嬉しいな。
荷車を押して、僕たちは神果を家の中に運び込んだ。
大量にあるけど、家にはアイテムボックスがあるから保存場所には困らない。
どんどん、アイテムボックスの中に神果を入れていく。
ふと思ったけど、アイテムボックスってどれくらい物が入れられるんだろうね。
あんなにあった神果が全部入るくらいだから底なしってイメージがあるけど、やっぱり限界ってあるのかな。
まあ、いいか。知りたくても確かめようがないし。
僕は神果をひとつだけ流し台に置いて水で綺麗に洗い、まな板の上に載せた。
てっぺんからナイフを入れるが、やはり固い。ナイフの刃がなかなか通らない。
体重をかけて、少しずつ実を割るような感覚で切っていく。
ぱかっとふたつに割れた断面から、実と同じ色の赤い果汁が滴った。
やっぱり、西瓜だね。種があるところもそれっぽい。
食べやすい大きさに切り分けて、皿に盛っていく。
うん、夏っぽい。
皿を持って、僕はリビングに移動した。
リビングでは、メネが生命の揺り籠に置かれた卵をじっと見つめていた。
「卵、動いた?」
「ううん、まだだよ。生まれるまでもうちょっとかかるっぽい」
そろそろ卵を置いて一日経つけど、まだ生まれないか。
僕はメネをテーブル席に呼んだ。
「メネ、神果切ったよ。味見しよう」
「はぁい」
西瓜みたいな見た目の神果は、味もやっぱり西瓜で、素朴な甘さがとても美味しかった。
これからこの神果を食べるエルが増えることだし、張り切って畑の世話をしないとね。
窓の外を見ながら、僕はメネと一緒に神果の甘さを心行くまで堪能した。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる