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第39話 ダンジョン探索依頼
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店が忙しくなるという僕の予想は大当たりした。
ダンジョン探しの旅に出る冒険者で店は賑わい、売り上げは今まで店を経営してきた中で最高の記録を出した。
冒険者ギルドからの買い付けも増えた。ポーションやハイポーションに加えて、トラッパーなどの雑貨が特によく売れた。
お陰で、店の経営に商品作りにと僕の仕事は山積みだ。
全く、嬉しい悲鳴である。
このまま新しいダンジョンが発見されれば、そこを攻略しようとする冒険者たちで更に店は賑わうだろう。
そう考えていた矢先のこと。
一組の冒険者パーティが持ってきた話によって、このまま変わらないと思われていた僕の生活はぐるりと転機を迎えることになった。
「貴方がシルカ・アベルフォーンさんですか」
店に入るなりそう僕に話しかけてきたのは、三人組の冒険者パーティだった。
年の頃は二十代半ば、僕と同じくらいだ。剣士、弓術士、魔術師の男女で、傍目から見ても一財産と分かる立派な武器を携えている。
「そうだけど、貴方たちは?」
僕が尋ねると、彼らは『白牙』という冒険者パーティであると名乗った。
リーダーが、剣士のアデルさん。真っ白な鎧を身に纏った褐色肌で黒髪の青年だ。
弓術士がサーファさん。すらりとした長身で長い金髪を肩口で結い、軽装鎧を纏った青年で巨大な弓を背負っている。
魔術師が紅一点のアミィさん。宝飾をちりばめた黒いローブを纏った白肌白髪の美女で、青い瞳が水晶みたいに透き通っていて美しい。
彼らは此処より北──ロトの街出身の冒険者で、各地のダンジョンを攻略しながら旅をしているのだという。
アメミヤに来たのは数日前で、今は此処を拠点に近場のダンジョンを探索する生活を送っているのだそうだ。
「シルカさんは、先日あった大きな地震のことは御存知ですよね」
アデルさんは、自己紹介もそこそこに話の本題を話し始めた。
「この店も被害に遭ったからね。よく知ってるよ」
「あの地震の後、新しいダンジョンがクレブ山に現れたんです」
クレブ山とは、アメミヤの南にある山の名前だ。
元は鉱山で、鉄鉱石や黒鉄鉱の採掘が盛んに行われていたことで有名な山である。
今は採掘場としては使われてはいないが、当時使われていた坑道なんかは今でも丸々残っているらしい。
そこに、ダンジョンか……坑道がダンジョン化でもしたのかな。
廃城になった城や使われなくなった坑道に魔物が棲みついてダンジョンとなるのはよくある話なのだ。
「早速探索に行ったのですが……入口が封印されていて、中には入れなかったんです」
ダンジョンには、時々侵入者を拒む結界や封印が施されていることがある。
どうしてそんな代物が施されているのかは謎だが、ダンジョンは普通では理解できないような仕掛けがあったりするのが当たり前のことなので、そういうものなのだろうと思うことにしている。ダンジョンとは人智を超えた巨大な生き物のようなものなのだ。
「我々は封印を調べて……何とか、それが錬金術によるものだということを突き止めました」
「……はあ」
僕は曖昧に返事をした。
……この流れ。嫌な予感が……
アデルさんは僕の目をまっすぐに見据えて、言った。
「貴方は凄腕の錬金術師であるとお伺いしました。お願いします、我々のダンジョン探索に協力して頂けないでしょうか?」
「…………」
僕はそっとアデルさんから目を逸らして、指先で頬を掻いた。
ダンジョン探しの旅に出る冒険者で店は賑わい、売り上げは今まで店を経営してきた中で最高の記録を出した。
冒険者ギルドからの買い付けも増えた。ポーションやハイポーションに加えて、トラッパーなどの雑貨が特によく売れた。
お陰で、店の経営に商品作りにと僕の仕事は山積みだ。
全く、嬉しい悲鳴である。
このまま新しいダンジョンが発見されれば、そこを攻略しようとする冒険者たちで更に店は賑わうだろう。
そう考えていた矢先のこと。
一組の冒険者パーティが持ってきた話によって、このまま変わらないと思われていた僕の生活はぐるりと転機を迎えることになった。
「貴方がシルカ・アベルフォーンさんですか」
店に入るなりそう僕に話しかけてきたのは、三人組の冒険者パーティだった。
年の頃は二十代半ば、僕と同じくらいだ。剣士、弓術士、魔術師の男女で、傍目から見ても一財産と分かる立派な武器を携えている。
「そうだけど、貴方たちは?」
僕が尋ねると、彼らは『白牙』という冒険者パーティであると名乗った。
リーダーが、剣士のアデルさん。真っ白な鎧を身に纏った褐色肌で黒髪の青年だ。
弓術士がサーファさん。すらりとした長身で長い金髪を肩口で結い、軽装鎧を纏った青年で巨大な弓を背負っている。
魔術師が紅一点のアミィさん。宝飾をちりばめた黒いローブを纏った白肌白髪の美女で、青い瞳が水晶みたいに透き通っていて美しい。
彼らは此処より北──ロトの街出身の冒険者で、各地のダンジョンを攻略しながら旅をしているのだという。
アメミヤに来たのは数日前で、今は此処を拠点に近場のダンジョンを探索する生活を送っているのだそうだ。
「シルカさんは、先日あった大きな地震のことは御存知ですよね」
アデルさんは、自己紹介もそこそこに話の本題を話し始めた。
「この店も被害に遭ったからね。よく知ってるよ」
「あの地震の後、新しいダンジョンがクレブ山に現れたんです」
クレブ山とは、アメミヤの南にある山の名前だ。
元は鉱山で、鉄鉱石や黒鉄鉱の採掘が盛んに行われていたことで有名な山である。
今は採掘場としては使われてはいないが、当時使われていた坑道なんかは今でも丸々残っているらしい。
そこに、ダンジョンか……坑道がダンジョン化でもしたのかな。
廃城になった城や使われなくなった坑道に魔物が棲みついてダンジョンとなるのはよくある話なのだ。
「早速探索に行ったのですが……入口が封印されていて、中には入れなかったんです」
ダンジョンには、時々侵入者を拒む結界や封印が施されていることがある。
どうしてそんな代物が施されているのかは謎だが、ダンジョンは普通では理解できないような仕掛けがあったりするのが当たり前のことなので、そういうものなのだろうと思うことにしている。ダンジョンとは人智を超えた巨大な生き物のようなものなのだ。
「我々は封印を調べて……何とか、それが錬金術によるものだということを突き止めました」
「……はあ」
僕は曖昧に返事をした。
……この流れ。嫌な予感が……
アデルさんは僕の目をまっすぐに見据えて、言った。
「貴方は凄腕の錬金術師であるとお伺いしました。お願いします、我々のダンジョン探索に協力して頂けないでしょうか?」
「…………」
僕はそっとアデルさんから目を逸らして、指先で頬を掻いた。
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