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第93話 念願のパーティ
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無事にアメミヤに帰還した僕は、ナナイにコールドドリンクを渡した。
彼女は五本欲しいと言ったので、五本だけを袋に詰めてやった。残りの分が僕のものだ。
今回の旅は結構な収入になって良かった。毎回こういう依頼ならいいんだけどね。
「惜しかったね、洞窟の宝物」
「あの中にあるのが宝だって決まったわけじゃないじゃないか」
カウンターの上を乾いた布で拭きながら、僕は微苦笑した。
「危険なものが封じられてる可能性だってあるんだぞ。もしもあの扉を開けて中から出てきたのが凶悪な魔物だったらどうするんだよ」
強固な封印を施した先にあるものが、世界を滅ぼす力を持った巨大兵器だという場合もある御時勢である。何が入っていてもおかしくないのが封印の扉というものだ。
あの時は……本当に、よく生きて帰れたものだと思ったよ。
ナナイは僕から受け取ったコールドドリンクを腰のポーチに入れて、笑った。
「その時はその時だよ。冒険はいつも美味しい思いができるものとは限らないからね、それも含めて起きた出来事を楽しまなくちゃ」
「……楽しむのは勝手だけど、それに僕を巻き込むのだけは勘弁してくれよ」
ナナイのことだ。もし旅先で鍵を見つけたら、一緒に洞窟に行った仲間だからとか言って僕を旅に誘いに来るのだろう。
それは、本当に遠慮したい。宝なんていらないから、危険を伴う冒険の旅に僕を連れ出すのはやめてほしいと思う。
僕の言葉に、ナナイは少し残念そうな顔をした。
しかしすぐに笑顔に戻って、言った。
「そういえば、今回が初めてだったよね。ナナイとシルカちゃんが一緒にパーティを組んだのって」
パーティを組んだと言うよりは僕がただの同行者だったって感じではあったけど、そう言われてみるとそういうことになるのか。
「結構いいパーティだったんじゃない? ナナイたち」
いいパーティだったかどうかは分からないが、それなりにいい旅仲間ではあったんじゃないかとは、思う。
そうだね、と僕が相槌を打つと、彼女はカウンターを拭いている僕の手を取って、
「シルカちゃんとは一度パーティを組んでみたいってずっと思ってたんだよ。それを叶えてくれて、ありがとう」
「あんた的には冒険者だった頃の僕の方が良かったんじゃないか?」
「それはないとは言わないけど……でも、今のシルカちゃんもシルカちゃんだってことには変わりないでしょ?」
掴んだ僕の手を優しく握って、彼女は微笑む。
「ナナイは、シルカちゃんと冒険がしたかったの。それを叶えてくれたことには変わりないよ」
「……そうか」
そう言ってくれるなんて、光栄だ。
僕はカウンターから出て、商品が並んでいる棚の方に向かった。
ハイポーションを一本手に取り、ナナイにそれを差し出す。
「これは僕からの餞別だ。持っていけ」
「いいの?」
「ああ」
ナナイの手にハイポーションを握らせて、笑う。
「これからの旅、実入りがあるものになるといいな」
「ありがとう」
ナナイはハイポーションを大事そうに胸元に抱えて、今まで見た中で最高の笑顔を見せた。
「旅が終わったら、また此処に来るよ。だからそれまで、此処でお店やっててね」
コールドドリンクを陳列棚に並べる。
新商品入荷と書いた札を下げて目立つようにして、よしっと僕は頷いた。
砂漠地域じゃなければまず使うことのない薬品ではあるが、興味を持ってくれる客はいるだろう。
此処は、よろず屋だ。何でこんな物を置いてるのと言われるような商品も取り扱うのが店の役割だ。
此処に来れば何でも手に入ると人から言われるようになるために、今日も僕は店の営業に勤しむ。
その日が来るまで、まだまだ努力しなければならないようだ。
彼女は五本欲しいと言ったので、五本だけを袋に詰めてやった。残りの分が僕のものだ。
今回の旅は結構な収入になって良かった。毎回こういう依頼ならいいんだけどね。
「惜しかったね、洞窟の宝物」
「あの中にあるのが宝だって決まったわけじゃないじゃないか」
カウンターの上を乾いた布で拭きながら、僕は微苦笑した。
「危険なものが封じられてる可能性だってあるんだぞ。もしもあの扉を開けて中から出てきたのが凶悪な魔物だったらどうするんだよ」
強固な封印を施した先にあるものが、世界を滅ぼす力を持った巨大兵器だという場合もある御時勢である。何が入っていてもおかしくないのが封印の扉というものだ。
あの時は……本当に、よく生きて帰れたものだと思ったよ。
ナナイは僕から受け取ったコールドドリンクを腰のポーチに入れて、笑った。
「その時はその時だよ。冒険はいつも美味しい思いができるものとは限らないからね、それも含めて起きた出来事を楽しまなくちゃ」
「……楽しむのは勝手だけど、それに僕を巻き込むのだけは勘弁してくれよ」
ナナイのことだ。もし旅先で鍵を見つけたら、一緒に洞窟に行った仲間だからとか言って僕を旅に誘いに来るのだろう。
それは、本当に遠慮したい。宝なんていらないから、危険を伴う冒険の旅に僕を連れ出すのはやめてほしいと思う。
僕の言葉に、ナナイは少し残念そうな顔をした。
しかしすぐに笑顔に戻って、言った。
「そういえば、今回が初めてだったよね。ナナイとシルカちゃんが一緒にパーティを組んだのって」
パーティを組んだと言うよりは僕がただの同行者だったって感じではあったけど、そう言われてみるとそういうことになるのか。
「結構いいパーティだったんじゃない? ナナイたち」
いいパーティだったかどうかは分からないが、それなりにいい旅仲間ではあったんじゃないかとは、思う。
そうだね、と僕が相槌を打つと、彼女はカウンターを拭いている僕の手を取って、
「シルカちゃんとは一度パーティを組んでみたいってずっと思ってたんだよ。それを叶えてくれて、ありがとう」
「あんた的には冒険者だった頃の僕の方が良かったんじゃないか?」
「それはないとは言わないけど……でも、今のシルカちゃんもシルカちゃんだってことには変わりないでしょ?」
掴んだ僕の手を優しく握って、彼女は微笑む。
「ナナイは、シルカちゃんと冒険がしたかったの。それを叶えてくれたことには変わりないよ」
「……そうか」
そう言ってくれるなんて、光栄だ。
僕はカウンターから出て、商品が並んでいる棚の方に向かった。
ハイポーションを一本手に取り、ナナイにそれを差し出す。
「これは僕からの餞別だ。持っていけ」
「いいの?」
「ああ」
ナナイの手にハイポーションを握らせて、笑う。
「これからの旅、実入りがあるものになるといいな」
「ありがとう」
ナナイはハイポーションを大事そうに胸元に抱えて、今まで見た中で最高の笑顔を見せた。
「旅が終わったら、また此処に来るよ。だからそれまで、此処でお店やっててね」
コールドドリンクを陳列棚に並べる。
新商品入荷と書いた札を下げて目立つようにして、よしっと僕は頷いた。
砂漠地域じゃなければまず使うことのない薬品ではあるが、興味を持ってくれる客はいるだろう。
此処は、よろず屋だ。何でこんな物を置いてるのと言われるような商品も取り扱うのが店の役割だ。
此処に来れば何でも手に入ると人から言われるようになるために、今日も僕は店の営業に勤しむ。
その日が来るまで、まだまだ努力しなければならないようだ。
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