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第157話 天空神殿の正体
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「……え?」
彼女の申し出に、僕は口を半開きにしてその場に棒立ちになった。
シャーリーンさんは微笑み顔のまま、じっと僕を見つめている。
その様子は、僕が呆気に取られていることなどまるで気にしていない風だった。
「……旅?」
「はい」
僕が尋ねると、彼女は頷いた。
「天空神殿への道を繋ぐためには、貴方が持つマナの指輪がどうしても必要なのです」
おそらくそれは、ゼルニウス遺跡のように謎の封印が施されている遺跡を巡る旅なのだろう。
彼女がどうやって僕が指輪を持っていることを知ったのかは知らないが、彼女が僕を使ってそれらの遺跡を攻略しようと考えていることは分かる。
分かる……けれど。
僕は、行きたくない。
せっかく商売が繁盛しているところなのだ。商売人として、それを放り出して旅に行くことなんてまずありえない。
指輪が外せるならこの場でさっさと指輪を外してシャーリーンさんに渡してしまうのだが、どういうわけかこの指輪は僕の指から外れてくれないのだから困ったものだ。
彼女には申し訳ないが、僕は断固としてこの店から動かない。動いてなるものか。
「……せっかく来てもらって悪いけど、僕は旅に出る気は全くない」
僕は姿勢を正して、毅然とした態度でシャーリーンさんに言った。
「僕は冒険者じゃなくてただのよろず屋の店主なんだ。冒険者が請け負うような外に出る仕事はしていないんだよ」
左手の指輪を見せて、続ける。
「この指輪が必要なら、何とかして外すからそれまで待ってくれないか? 指輪が外せたら、あんたに渡すから」
「指輪を外すことは不可能です」
シャーリーンさんはゆっくりと首を左右に振った。
「マナの指輪は……持ち主となった者を天空神殿に運ぶために強固な封印を持ち主にかけるのです。一度貴方がその指輪の持ち主となった以上は、貴方が天空神殿に向かわない限り指輪を外すことはできません」
何だそれ……
ということは、つまり、僕が天空神殿に行かない限りこの指輪は外れないってことなのか?
それは、僕にとっては死刑宣告に等しい。
この指輪を必要とする人たちに、冒険に駆り出されるということに他ならないからだ。
今此処にいるシャーリーンさんのように。
「お願いします。私の旅に同行して下さい。私はどうしても、天空神殿に行かなければならないのです」
伝説上の存在と言っても過言ではない天空神殿にそこまで執心する理由は何なのだろう。
何となくそれが気になった僕は、彼女に尋ねた。
「そこまでして天空神殿に行きたい理由って何?」
僕の問いに、彼女は目を僅かに伏せた。
長い睫毛が風に揺れる。
「天空神殿は人が夢を見るような存在ではありません。あれは、空を翔ける巨大な兵器なのです……それが今でもこの世界の何処かを漂っていると知ったら、貴方はどう思いますか?」
「……兵器?」
想像もしていなかった言葉に、僕は思わず問い返していた。
彼女は真面目な面持ちで、続けた。
「天空神殿が目覚めたら、世界は瞬く間に滅びるでしょう。その時まで、猶予はあまり残っていません。賽はもう投げられているのですよ」
彼女の申し出に、僕は口を半開きにしてその場に棒立ちになった。
シャーリーンさんは微笑み顔のまま、じっと僕を見つめている。
その様子は、僕が呆気に取られていることなどまるで気にしていない風だった。
「……旅?」
「はい」
僕が尋ねると、彼女は頷いた。
「天空神殿への道を繋ぐためには、貴方が持つマナの指輪がどうしても必要なのです」
おそらくそれは、ゼルニウス遺跡のように謎の封印が施されている遺跡を巡る旅なのだろう。
彼女がどうやって僕が指輪を持っていることを知ったのかは知らないが、彼女が僕を使ってそれらの遺跡を攻略しようと考えていることは分かる。
分かる……けれど。
僕は、行きたくない。
せっかく商売が繁盛しているところなのだ。商売人として、それを放り出して旅に行くことなんてまずありえない。
指輪が外せるならこの場でさっさと指輪を外してシャーリーンさんに渡してしまうのだが、どういうわけかこの指輪は僕の指から外れてくれないのだから困ったものだ。
彼女には申し訳ないが、僕は断固としてこの店から動かない。動いてなるものか。
「……せっかく来てもらって悪いけど、僕は旅に出る気は全くない」
僕は姿勢を正して、毅然とした態度でシャーリーンさんに言った。
「僕は冒険者じゃなくてただのよろず屋の店主なんだ。冒険者が請け負うような外に出る仕事はしていないんだよ」
左手の指輪を見せて、続ける。
「この指輪が必要なら、何とかして外すからそれまで待ってくれないか? 指輪が外せたら、あんたに渡すから」
「指輪を外すことは不可能です」
シャーリーンさんはゆっくりと首を左右に振った。
「マナの指輪は……持ち主となった者を天空神殿に運ぶために強固な封印を持ち主にかけるのです。一度貴方がその指輪の持ち主となった以上は、貴方が天空神殿に向かわない限り指輪を外すことはできません」
何だそれ……
ということは、つまり、僕が天空神殿に行かない限りこの指輪は外れないってことなのか?
それは、僕にとっては死刑宣告に等しい。
この指輪を必要とする人たちに、冒険に駆り出されるということに他ならないからだ。
今此処にいるシャーリーンさんのように。
「お願いします。私の旅に同行して下さい。私はどうしても、天空神殿に行かなければならないのです」
伝説上の存在と言っても過言ではない天空神殿にそこまで執心する理由は何なのだろう。
何となくそれが気になった僕は、彼女に尋ねた。
「そこまでして天空神殿に行きたい理由って何?」
僕の問いに、彼女は目を僅かに伏せた。
長い睫毛が風に揺れる。
「天空神殿は人が夢を見るような存在ではありません。あれは、空を翔ける巨大な兵器なのです……それが今でもこの世界の何処かを漂っていると知ったら、貴方はどう思いますか?」
「……兵器?」
想像もしていなかった言葉に、僕は思わず問い返していた。
彼女は真面目な面持ちで、続けた。
「天空神殿が目覚めたら、世界は瞬く間に滅びるでしょう。その時まで、猶予はあまり残っていません。賽はもう投げられているのですよ」
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