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第2部 魔法学校編
63 幕が下りる
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卒業パーティは大騒ぎになり、すぐに閉会した。
浮気や不倫を毛嫌いした聖女リシアの教えにより、この国では私生児は貴族になれない。王太子と王女、そして不貞をしたとみなされる王妃は王族ではなくなり、平民になった。
この国では住みづらいでだろうと、皇帝が帝国への移住を勧めた。帝国領の開拓村は、いつでも人材募集中だそうだ。なんでも、毎年、村人の半数は魔物に食べられていなくなるので、慢性的な人手不足だとか。この3人が今後どうなるのかは、知りたくない。
そして、結界を解くと宣言した無能な国王は、退位することになった。次の国王は、ハロルド伯父様だ。今まで宰相として、国王に代わって政治を行っていたから、特に支障はないそうだ。独身の伯父様には、ベアトリス様が王妃として嫁ぐことになった。! ひどい年の差婚!
政略結婚にしても、あんまりじゃない? って思ったのだけど、ベアトリス様は年上がタイプなのだそうだ。今まで、さんざん王太子の世話係として苦労したので、甘やかしてくれる大人な男性と結婚したかったとか。そして、伯父様は年上だけど、美中年だ。顔も好みらしい。まあ、この二人なら、うまくいきそうな気がする。
これらは事前に水面下で話し合いが進められていた。国王の退位、そして伯父様の即位。結界をどうするかについては、しばらくは現状維持で。今、わが国には充分な戦力がない。しかし、この先、鎖国を解いて、帝国やその他の国とも交易を活発にし、将来は結界だけに頼らない国づくりを目指すこととなった。
そして、精霊王の契約相手については……。
「うーん、とりあえずは今のままで、君の聖の魔力をもらうのもいいかな」
精霊王は宙に浮かびながら、首を傾け、腕を組んだ。
「もうちょっとさ、花嫁のタイプを改めた方がいいのかなって思ったんだ。ほら、あのピンクの王女みたいな頭の悪い子が、扱いやすくて便利かなって思ってたんだけど……なんか、ちょっと面倒くさそうで、うっとうしかったし。理想のタイプをもうちょっと考えさせて」
異世界人の召喚は、まだ必要ないそうだ。
だから私は、勇者の遺産の異世界人召喚の魔道具を伯父様に託した。国で管理し、召喚された異世界人に不利益になることがないように保証すると約束してもらった。
勇者の遺産は私には重すぎた。でも、いつか、この世界にやってくる恵まれない異世界人が、ここで幸せに生きることができればいいなと思う。
伯父様は王太子に私を指名しようとした。私が予言の王女で王家の血を継ぐ正当な跡継ぎだから。でも、私にはそんな責任の重い仕事はできない。きっと、うんざりしてすぐに逃げ出してしまう。オスカー様は支えてくれると言ったけど、私には無理。
まあそれに、私は戸籍上は元平民の男爵の娘で、公爵の養女だからね。直系王族なんかじゃない。
私はオスカー様と一緒に冒険者として生きると決めた。修行者のダンジョンで最強になったから、この国以外のダンジョンにも行ってみたくなったのだ。最初は、帝国に行くつもり。だから、
白い結婚で生まれた私は、王族にはなりません。
※※※※※
まだ続きます。
レティシアの話はこれで終了でが、この後、別人視点で、主人公に知らされなかった話を語ります。その後、エピローグですので、もうしばらく、お付き合いください。
浮気や不倫を毛嫌いした聖女リシアの教えにより、この国では私生児は貴族になれない。王太子と王女、そして不貞をしたとみなされる王妃は王族ではなくなり、平民になった。
この国では住みづらいでだろうと、皇帝が帝国への移住を勧めた。帝国領の開拓村は、いつでも人材募集中だそうだ。なんでも、毎年、村人の半数は魔物に食べられていなくなるので、慢性的な人手不足だとか。この3人が今後どうなるのかは、知りたくない。
そして、結界を解くと宣言した無能な国王は、退位することになった。次の国王は、ハロルド伯父様だ。今まで宰相として、国王に代わって政治を行っていたから、特に支障はないそうだ。独身の伯父様には、ベアトリス様が王妃として嫁ぐことになった。! ひどい年の差婚!
政略結婚にしても、あんまりじゃない? って思ったのだけど、ベアトリス様は年上がタイプなのだそうだ。今まで、さんざん王太子の世話係として苦労したので、甘やかしてくれる大人な男性と結婚したかったとか。そして、伯父様は年上だけど、美中年だ。顔も好みらしい。まあ、この二人なら、うまくいきそうな気がする。
これらは事前に水面下で話し合いが進められていた。国王の退位、そして伯父様の即位。結界をどうするかについては、しばらくは現状維持で。今、わが国には充分な戦力がない。しかし、この先、鎖国を解いて、帝国やその他の国とも交易を活発にし、将来は結界だけに頼らない国づくりを目指すこととなった。
そして、精霊王の契約相手については……。
「うーん、とりあえずは今のままで、君の聖の魔力をもらうのもいいかな」
精霊王は宙に浮かびながら、首を傾け、腕を組んだ。
「もうちょっとさ、花嫁のタイプを改めた方がいいのかなって思ったんだ。ほら、あのピンクの王女みたいな頭の悪い子が、扱いやすくて便利かなって思ってたんだけど……なんか、ちょっと面倒くさそうで、うっとうしかったし。理想のタイプをもうちょっと考えさせて」
異世界人の召喚は、まだ必要ないそうだ。
だから私は、勇者の遺産の異世界人召喚の魔道具を伯父様に託した。国で管理し、召喚された異世界人に不利益になることがないように保証すると約束してもらった。
勇者の遺産は私には重すぎた。でも、いつか、この世界にやってくる恵まれない異世界人が、ここで幸せに生きることができればいいなと思う。
伯父様は王太子に私を指名しようとした。私が予言の王女で王家の血を継ぐ正当な跡継ぎだから。でも、私にはそんな責任の重い仕事はできない。きっと、うんざりしてすぐに逃げ出してしまう。オスカー様は支えてくれると言ったけど、私には無理。
まあそれに、私は戸籍上は元平民の男爵の娘で、公爵の養女だからね。直系王族なんかじゃない。
私はオスカー様と一緒に冒険者として生きると決めた。修行者のダンジョンで最強になったから、この国以外のダンジョンにも行ってみたくなったのだ。最初は、帝国に行くつもり。だから、
白い結婚で生まれた私は、王族にはなりません。
※※※※※
まだ続きます。
レティシアの話はこれで終了でが、この後、別人視点で、主人公に知らされなかった話を語ります。その後、エピローグですので、もうしばらく、お付き合いください。
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4/20ようやく誤字チェックが完了しました
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