空白の叙事録〜誰が忘れた罪禍の記憶〜

羽月明香

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【第一鐘〜夜の少年と真白き少女〜】

5 夜闇の獣

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 夜闇の帳が下りた空の果てない広がり。
 トゥリアの視界には、完全な日暮れを迎えた空の色合いが映されていた。
 吸い寄せられるように、遠ざかる光景の一点へとトゥリアは目を向ける。
 その場所は夜空の帳を背景に、木々の合間に横たわる闇へと呑まれてしまい、いるのかもしれないライの姿を探してみたが、やはり、その姿は何処にも見えなかった。

「それで、どうして君も一緒に落ちているのかな?」

 一先ず見ないようにしていたのだが、身動き出来ない状態なので、そこにいると言う現実は変えられない。
 意を決すると言う程には大袈裟ではないが、胡
乱げにはなってしまう眼差しで目を向ければ、落下中の空中でも、未だ縺れるように、漆黒の獣はトゥリアの上へと位置取りそこにいた。

「上に残られるよりも良かったけれど・・・」

 戦っていたトゥリアは、この漆黒の獣が、かなり高い知性を持っている事に気付いていた。
 前衛である自分が離脱させられた後、後衛を主体としているライだけでどうにかするには難しいと思ったのだ。
 けれど、獣の俊敏さと危機察知能力。それらがあって、今現在トゥリアと一緒に落ちている意味が分からないのも事実だった。
 それどころか、この獣から感じる知性に、そもそもこんな事態に甘んじている理由が分からない。


「ねぇ、僕にはさ、探している、ものがあるんだ」

 漆黒の獣の事情も気にはなったが、トゥリアが告げたのはそんな言葉だった。
 聞いた自分自身が驚くぐらいの声音の切実さと、真摯な響き、そのトゥリアの声を聞く事が出来るのは、一緒に落下している漆黒の獣だけ。
 けれど、言葉は、話し掛けている形を取ってはいても、その実、獣どころか誰へ向けるものでもなかった。
 そして、何処かに響いて行く事もないのだ。

 トゥリアには今、かなりの高さを落ちている自覚があった。
 ごうごうと風の音が耳朶を叩いている筈なのに、夜闇の静寂がトゥリアの声を拐って行く。


「僕は、行かないと・・・」

 願い、切望する。時を止めてしまったかのような虚空の静寂だけが、そんなトゥリアの声を聞いていた。

 漆黒の獣は、あれ程、執拗な迄にトゥリアを追い掛けていたというのに、今はトゥリアの方を見もしてはいなかった。
 もたげた首で見詰めている彼方の方角、何を見ているのか、始めてトゥリアは獣の事を気にした。

「ぐるルルる」

 漆黒の獣が低く喉を鳴らす。
 不安定な足場をものともせずに、たわめる四肢の動き。そして、トゥリアの身体を踏み台にして、獣は虚空へとその身を躍らせた。

 踏み台に使われた衝撃はそれ程でもなかったが、蹴り落とされるようにして加えられた、獣が踏み切る為の力に、下降の勢いが増す。
 何処へと思う間もあればこそ、ザガガッと乾いた音が唐突に静寂の終わりを告げた。
 崖下で繁っていた、木の葉と枝々の密集帯へ、トゥリアの落下が差し掛かったのだ。

「・・・っ・・・くぅっ」

 ブチブチと、蔦状の植物が切れる音だろうか。
 衝撃に耐えて食いしばる歯の隙間から、木々を破砕する騒音に混じり、トゥリア自身の呻き声が漏れ聞こえていた。
 トゥリアはどうにか両腕で顔を覆うが、落下の衝撃と、何よりトゥリア自身の重みでしなる枝の鋭い尖端が、容赦なく服とその下の肌すらをも引き裂いて行く。

 一つ一つの傷は浅いのかもしれないが、全身をくまなく襲う小さな痛みと鋭い灼熱感。
 けれどそれだけの障害に遭いながらも、落下の勢いが、少しも減っている気がしないのはどう言う事だろうか。トゥリアの身体は、へし折る枝と引き千切る葉を引き連れ、重力に引かれるままに地面へと向かう。

ーザシュッー

(・・・あ?)

 背中に大型の何かが激突したかのような、激しい鈍痛があった。
 突き出した剣の刃が、向かって来る獣の体を串刺しにする。刃が肉の層を引き裂く時の、濡れた音に酷似しているなと、そんな音をトゥリアの耳は聞いていた。

 思考は一瞬、刹那、貫き胸を穿つ凄まじい灼熱感が全てを塗り潰した。

「っが、あ・・・ッッ!!?」

 トゥリアの、喉が張り裂けんばかりの絶叫は殆ど声にならなかった。
 何が起きたのか理解出来ないまま息だけが詰まり、熱と痛みがごちゃ混ぜとなる一拍の間が、瞬時に塗り潰す視界を暗く狭める。

 ずぐずぐと、それはやはり肉の層を引き裂き、血管を突き破る湿り気を帯びた音だった。
 実際には耳に聞いたのかも分からない、意識が引き裂かれ行く衝撃のもたらした幻聴だったのかもしれないが、その感覚は恐ろしい事に、一瞬の出来事等ではなく現在進行形だった。

 限界を超えた痛みが灼熱感となり、トゥリアの神経を引き裂く。
 すり潰され声にならない絶叫に、限界まで見開く双眸。白熱する闇がトゥリアの視界を染め、軋む背骨にのけ反らせた背中。
 そして、その胸から、決して細くはない、折れた断面を晒す枝が“生えて”いるのをトゥリアは見てしまった。

 強風の影響か、森の獣による仕業だったのか、いずれにせよ木が折れた過程に意味はない。
 崖から落ちたトゥリアの真下、その場所に、倒れた木と、そこから空へと突き出した、折れた凶悪な断面を晒す枝があった、それだけなのだ。

 声にならない、絶叫すらも遮り詰まる息。
 喉の奥底から競り上がってくる熱い塊に、わななき喘ごうとする唇。

「かはっ」

 吐き出す血塊がトゥリアの口内にごぼりと不快な音を鳴らす。
 口から溢れ出した鮮血が、唇の端に血の筋を滴らせる。

 即死するか、一瞬にして意識を刈り取られていてもおかしくはない損傷をトゥリアの身体は負っていた。
 激痛等生ぬるい筈の感覚に、気絶を許さないかったトゥリアの意識は灼熱し、氷結し、白熱する。

 そうして、闇の一雫が落とされる。
 ぼやけ、暗く狭窄していた視界を、茫漠たる深遠のようにくらく塗り潰して行く闇の雫。

ーぐる・・・ー

 喉の奥を低く鳴らすような唸り声。
 そんな声を聞いた気がして、その一瞬だけトゥリアの意識は繋ぎ止められる。
 視界を侵食し尽くしてしまう暗闇へ、僅かばかりの猶予を与えてくれるかのように。

 トゥリアは意識する。それはあの漆黒の獣の声だと思ったのだ。
 身体はもう動かなかった。
 首だけですらも動かす事は出来ず、固定された視界の中で、暗闇以外の何も映す事のなくなった筈の瞳。
 なのに、その見通す事の出来ない闇間の森を背景に佇む、一頭の獣の姿をトゥリアは見ていた。

 夜の闇へと沈んだ、影の森と同じ色の闇を纏う獣。
 けれど、決してその闇へ飲み込まれ、同化してしまう事なく獣は佇んでいる。
 それは寧ろ、森に降りた深遠の夜闇を獣が従えているかのような、そんな光景だとトゥリアは思った。

 狼にも獅子にも似た獣の姿に、けれどそれはトゥリアの落下の原因となったあの漆黒の獣とは別の存在だと気付いた。
 しなやかな狼を思わせる体躯だが、その首周りに蓄えられる、獅子が持つような鬣に宿った硬質的な艶やかさ。
 月明かりすらもない夜空の、燦然と耀く星々の光を内包し、澄んだ透明感を纏う漆黒の毛並みは美しく、トゥリアに幽玄の闇を想起させる。

 トゥリアが手を伸ばしても決して届かないであろう距離。けれど獣にとっては一投足で済むのであろうその場所。
 そして、夜闇の獣は、その静謐の青色を湛えた双眸に、トゥリアの姿を映し入れ、ただ見ていた。

 わざわざ死ぬのを待っているのかと思い、トゥリアは苦笑したくなったが、結局自分の表情筋が動いたとは思えなかった。
 既に光を映さなくなったトゥリアの目。
 指一本すら動かす事の出来ないトゥリアの様子を眺めている獣の瞳。
 その深い青色は何かを観察している眼差しのようにも思えた。
 そしてそう思った時、不意に、獣が見ているのはトゥリアの“死”以外の別の何かなのではないか、そんな気がしてしまった。
 閃きにも似た感覚で、何故そう感じたのかのかも分からない。
 だが、その感覚の理由も、獣が待っている“何か”の事も、考えている時間は既にトゥリアにはないようだった。

 即死ではなく、けれど本当にそれだけの事でしかなかったのだ。
 痛みも灼熱感も、もうトゥリアには分からなくなっていた。
 鈍く疼くような感覚だけが燠火のように最後まで残っていたが、その感覚すらも、少しずつ失われて行く体温とともに解け、身体の奥深くで微睡む曖昧な感覚となって行く。

(寒い・・・ね)

 温もりを求める為の光は遠く、霞みがかる意識には抗し難い眠りへの誘いがあった。
 トゥリアは今、自分が何を思っているかのかも分からない。ただ、佇む夜闇の獣の姿に覚えるのは畏怖ではなく安堵だった。

 だからその言葉は自然と意識の奥底から浮かび上がって来ていた。

(あの子を・・・見つけ、るのが、僕は・・・)

 けほっと、力なく咳をする。
 浅く緩やかになった呼吸の中でトゥリアの浮かべる、それは酷く透明な微笑み。
 光は酷く遠い。なのにその存在だけは、今なおトゥリアの視界の中にある夜闇の獣の姿。
 その深い青の双方が、トゥリアの浮かべた笑みを見てか、一瞬驚いたようにきょとんと見開かれたような気がして・・・


 世界が完全に暗転した。
 光も音もない。痛みはとうに分からなくなっていたが、寒さすらも感じない。
 だからか、トゥリアは自分の死を感じていた。
死んで行くさまを克明に感じ取り、そして、自分はたった今死んだのだと思った。

 穏やかな微睡みが虚無に変わる。
 なのに、トゥリアはその声を聞き、その光景を見ていた。

 だから思う。
 これは夢なのだと。
 生から死へとの移り変わりに許された刹那の夢。

「・・・・・・」

 夜闇の獣の、鋭利に切り立った耳がぴくっと動く。
 何等かの気配を捕捉したのか、感知するままに、夜闇の獣は首だけで背後の森を振り返った。
 地面に弧を描くようにして右へ左へ。
 歩む動作に足音はなく、そのまま返す踵に、獣はトゥリアの存在へと背を向けた。

 佇む獣の、森の空気を探るかのような動きの停滞。そして、次の瞬間には木々の間に横たわる影へと向け、夜闇の獣は駆けて行ってしまった。
 トゥリアは動けないまま置いていかれる。
 夢だと言うのに自由にならない身体で取り残され、走り去る獣の姿を、光を失った瞳がただ見送る。

 その光景は、死へと向かっていた現実の続きであるかのように。
 明度の曖昧な世界の情景は、微かなトゥリアの意識の残滓と共に闇の浸蝕に侵され、それでもなおそこに在った。


ーチリンー

 鈴の音にも似た、微かな響き。
 それは、トゥリアの意識へと漣の波紋を広げる澄んだ音色だった。

ー・・・・・・ー

 足音はなく、けれど感じた気配に、夜闇の獣が戻って来たのかと思った。

 トゥリアは、自身が目を閉じているのか、開いているのかも判然としない闇を見ていた。
 そもそも、自分は死んだのではなかったのだろうかと考える意識がここにはあるのだ。死んだと認識し、意味を失った筈の視界には何者をも捉える事は叶わない筈だった。


ー大丈夫、きっと、あなたは・・・ー

 ひそやかな、囁きのような声を、トゥリアは夢と思う意識の狭間に聞いたような気がした。
 けれど、ままならない夢では、その言葉を最後までは聞き取る事が出来なかった。

ー・・・チリン、リィーンー

 響く微かな音色。
 その澄んだ音は、鈴に似た硬質的な響きに、弾いた弦のように振るえる音色で耳朶を打つ。
 トゥリアの意識は、夢の最後に広がる淡い白金の輝きに包まれる。
 その光の中で自分を見る紅い瞳を見た気がして・・・


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