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第五章 覚醒
第七十五話 完全武装メイド
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しばらく経った後、レイドたちの馬車はバイセン邸の前に到着した。
ダリラとの戦いで壊れた屋敷の一部は、既に立て直され真新しい壁になっていた。
「後続の馬車も庭の中に入らせよう。ここだと邪魔だしね。レイドとエレーヌは先に屋敷に入っておいて」
「ああ、分かった」
そして、レイドとエレーヌは馬車から降り、玄関の方へ向かった。
(・・・懐かしいな。エレーヌと最初に出会った頃を思い出す)
――家族の後ろに隠れながら様子をうかがっていたエレーヌ。
今でも鮮明に浮かび上がる。
「あの、懐かしそうにする気持ちは分かりますけど、前を見てくださいね?」
「え? ああ、すまない・・・」
レイドはぼーっとしていて、今にも玄関にぶつかりそうだった。
気を取り直して、扉を開ける。
「ごめんくださーい。・・・って、え?」
――中には、両手に武器を持ったメイドが待ち構えていた。
彼女らも、何事かと一斉にレイドの方を向く。
「え? え?」
「・・・あらお客さん? なーんか見たことあるわねえ?」
「ただ今戻りました。・・・って、え?」
「・・・ん? お、おかえりなさいませ、エレーヌ様。・・・ぁ、あ~っ! あの人、エレーヌ様の婚約者よ!」
「あらま、本当だわ。すっかり忘れてた。さあさあ、お上がりください」
「あ、ああ・・・ すまない。ところで、なぜ武器を?」
「あらやだ、すみません。屋敷の兵士は全て出払ってしまったものですから、こうやって私たちが警備してるのですよ」
そう言ってメイドは、丸太ほどにはあるだろうムキムキの腕を見せる。
(ああ、うん。いつもの風景だ。至って普通だな)
――それを見てレイドは、なぜか安心したのであった・・・
「まあ。はい。お仕事ご苦労様です。ところで、父さんはどこに居ますか?」
「それなら、執務室におりますわよ。・・・なんですか? 結婚報告とか?」
「・・・そんな感じです」
「キャア! まあ聞いた? 結婚したんですって! おめでたいわね!」
「・・・男としてはもっと筋肉が欲しいところよねえ。鍛えがいが・・・」
「もう、止めてください! さあ、行きますよ!」
「え? ああ・・・」
好き勝手言うメイドたちを振り切り、レイドを連れて執務室の方へ向かう。
昔と変わらない感じだったが、どこかに殺伐とした雰囲気があるのも確かだ。
(一年間、ずっと戦い続けていたのだろう・・・)
――そう思うレイドであった。
「レイド、執務室です。姿勢を正してください」
「分かった」
そして、執務室の扉を開ける。
「・・・いや、ここを重点的に守るべきだ」
「何を! 敵は空からもやってくるのです。そこに集中するのはリスクが高い!」
「だがな、ここを破られると・・・」
壁に貼り付けられた地図を見ながら、戦士たちと会議をしているラジの姿が見えた。
後ろを向いていて、顔は良く見えない。
「すみません・・・」
エレーヌがそう言うが、気付かない。
すると、隣で座りながら話を聞いていたソニアが、レイドたちに気付いた。
「ちょっと、あなた・・・」
「ああ、何だ? ソニア?」
「ほら、レイドとエレーヌよ~」
「!!?? おお・・・」
「お久しぶりです、ラジさん」
「レイド、レイドか・・・ ああ、久しぶりだな! 回復したのか」
ラジはレイドに向かい、そして、ハグをする。
目からは涙が出ているのが分かる。
一年前とは打って変わり、だいぶやつれているようだった。
「はい。何とか」
「ああ、ああ。よく帰ってきてくれた。そして、エレーヌも」
「・・・ラジさん。言いたいことが」
「ん? なんだ?」
「あの、俺たち、正式に結婚することになりました」
「あら、まあ! やったわね! エレーヌ!」
ソニアは満面の笑みでそう言った。エレーヌも無言で照れている。
対してラジはどこか不満気だ。
「・・・・・・・・・そうか。すまんな、本来は祝うべきだろうが、いかんせん余裕が無くてな」
「ええ、分かっています」
「・・・しかし、不思議なものだ。まだロイクは婚約者すら見つかっていないというのに」
「あの子もこれを機に、妹離れをしてほしいものね~」
「んん、ゴホン。まあ、そういう話は置いといて、レイドが来たってことは、あの計画が始まるってことで良いんだな?」
「はい。他の皆もそろそろ到着する予定です」
「おお・・・ これは大きな援軍だ」
「これで戦局が変わると良いのだがな・・・」
戦士たちも、顔色を良くしてそう言っている。
「・・・ご苦労。しばらくすれば、エマもやってくる。それまで、ゆっくり休んでおけ」
「・・・では、これで」
そうして、レイドとエレーヌは執務室を後にした。
「まあ、エレーヌのドレスは何色がいいかしら? やっぱり髪の色に合わせて・・・」
「ソニア、まだ早いぞ!」
「ははは・・・」
扉越しに会話が聞こえてくる。
それを聞いて、レイドとエレーヌは苦笑いをすることしかできなかった。
「・・・とりあえず、部屋に行きますか」
「ああ、長旅で疲れたしな」
「・・・戦い続きの日々も、もう終わりです」
ダリラとの戦いで壊れた屋敷の一部は、既に立て直され真新しい壁になっていた。
「後続の馬車も庭の中に入らせよう。ここだと邪魔だしね。レイドとエレーヌは先に屋敷に入っておいて」
「ああ、分かった」
そして、レイドとエレーヌは馬車から降り、玄関の方へ向かった。
(・・・懐かしいな。エレーヌと最初に出会った頃を思い出す)
――家族の後ろに隠れながら様子をうかがっていたエレーヌ。
今でも鮮明に浮かび上がる。
「あの、懐かしそうにする気持ちは分かりますけど、前を見てくださいね?」
「え? ああ、すまない・・・」
レイドはぼーっとしていて、今にも玄関にぶつかりそうだった。
気を取り直して、扉を開ける。
「ごめんくださーい。・・・って、え?」
――中には、両手に武器を持ったメイドが待ち構えていた。
彼女らも、何事かと一斉にレイドの方を向く。
「え? え?」
「・・・あらお客さん? なーんか見たことあるわねえ?」
「ただ今戻りました。・・・って、え?」
「・・・ん? お、おかえりなさいませ、エレーヌ様。・・・ぁ、あ~っ! あの人、エレーヌ様の婚約者よ!」
「あらま、本当だわ。すっかり忘れてた。さあさあ、お上がりください」
「あ、ああ・・・ すまない。ところで、なぜ武器を?」
「あらやだ、すみません。屋敷の兵士は全て出払ってしまったものですから、こうやって私たちが警備してるのですよ」
そう言ってメイドは、丸太ほどにはあるだろうムキムキの腕を見せる。
(ああ、うん。いつもの風景だ。至って普通だな)
――それを見てレイドは、なぜか安心したのであった・・・
「まあ。はい。お仕事ご苦労様です。ところで、父さんはどこに居ますか?」
「それなら、執務室におりますわよ。・・・なんですか? 結婚報告とか?」
「・・・そんな感じです」
「キャア! まあ聞いた? 結婚したんですって! おめでたいわね!」
「・・・男としてはもっと筋肉が欲しいところよねえ。鍛えがいが・・・」
「もう、止めてください! さあ、行きますよ!」
「え? ああ・・・」
好き勝手言うメイドたちを振り切り、レイドを連れて執務室の方へ向かう。
昔と変わらない感じだったが、どこかに殺伐とした雰囲気があるのも確かだ。
(一年間、ずっと戦い続けていたのだろう・・・)
――そう思うレイドであった。
「レイド、執務室です。姿勢を正してください」
「分かった」
そして、執務室の扉を開ける。
「・・・いや、ここを重点的に守るべきだ」
「何を! 敵は空からもやってくるのです。そこに集中するのはリスクが高い!」
「だがな、ここを破られると・・・」
壁に貼り付けられた地図を見ながら、戦士たちと会議をしているラジの姿が見えた。
後ろを向いていて、顔は良く見えない。
「すみません・・・」
エレーヌがそう言うが、気付かない。
すると、隣で座りながら話を聞いていたソニアが、レイドたちに気付いた。
「ちょっと、あなた・・・」
「ああ、何だ? ソニア?」
「ほら、レイドとエレーヌよ~」
「!!?? おお・・・」
「お久しぶりです、ラジさん」
「レイド、レイドか・・・ ああ、久しぶりだな! 回復したのか」
ラジはレイドに向かい、そして、ハグをする。
目からは涙が出ているのが分かる。
一年前とは打って変わり、だいぶやつれているようだった。
「はい。何とか」
「ああ、ああ。よく帰ってきてくれた。そして、エレーヌも」
「・・・ラジさん。言いたいことが」
「ん? なんだ?」
「あの、俺たち、正式に結婚することになりました」
「あら、まあ! やったわね! エレーヌ!」
ソニアは満面の笑みでそう言った。エレーヌも無言で照れている。
対してラジはどこか不満気だ。
「・・・・・・・・・そうか。すまんな、本来は祝うべきだろうが、いかんせん余裕が無くてな」
「ええ、分かっています」
「・・・しかし、不思議なものだ。まだロイクは婚約者すら見つかっていないというのに」
「あの子もこれを機に、妹離れをしてほしいものね~」
「んん、ゴホン。まあ、そういう話は置いといて、レイドが来たってことは、あの計画が始まるってことで良いんだな?」
「はい。他の皆もそろそろ到着する予定です」
「おお・・・ これは大きな援軍だ」
「これで戦局が変わると良いのだがな・・・」
戦士たちも、顔色を良くしてそう言っている。
「・・・ご苦労。しばらくすれば、エマもやってくる。それまで、ゆっくり休んでおけ」
「・・・では、これで」
そうして、レイドとエレーヌは執務室を後にした。
「まあ、エレーヌのドレスは何色がいいかしら? やっぱり髪の色に合わせて・・・」
「ソニア、まだ早いぞ!」
「ははは・・・」
扉越しに会話が聞こえてくる。
それを聞いて、レイドとエレーヌは苦笑いをすることしかできなかった。
「・・・とりあえず、部屋に行きますか」
「ああ、長旅で疲れたしな」
「・・・戦い続きの日々も、もう終わりです」
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