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その三 ファースト・コンタクト
十六
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空海と田村麻呂が兜丸という「夢見使い」を捕らえてから三日が過ぎた。嘉智子夫人は、最初の晩こそ、不安がっていたが、空海の「薬」により何もなく熟睡できた。その後全く悪夢を見ることが無くなり、健康を取り戻し始めた。
寝所には常に護衛の武人が控えてはいるが、以前の様なとげとげしさはない。気が緩んでいるというほどではないが、ピリピリした感じはなくなっている。
橘屋敷そのものが、落ち着き、平穏さを取り戻してきたのである。
深夜である。午前二時くらいであろうか。よく言われるところの「草木も眠る丑三つ時」と言われる時間帯であった。
橘屋敷の池のそば。
そこに人影が一つ。
池が静かに波を立てている。
「元柱固具、八隅八気、五陽五神、陽動二衝厳神、害気を攘払し、四柱神を鎮護し、五神開衢、悪鬼を逐い、奇動霊光四隅に衝徹し、元柱固具、安鎮を得んことを、慎みて五陽霊神に願い奉る。
(がんちゅうこしん、はちぐうはつき、ごようごしん、おんみょうにしょうげんしん、がいきをゆずりはらいし、しちゅうしんをちんごし、ごしんかいえい、あっきをはらい、きどうれいこうしぐうにしょうてつし、がんちゅうこしん、あんちんをえんことを、つとみてごようれいしんにねがいたてまつる)」
人影が右手を手刀にし、縦に五回、横に四回、宙を切りながら、呪文を唱える。
そして懐から、人型に切った紙を取り出し、筆で人型の紙に文字を書き込んでいく。
書き終わった。
その人型の紙を口元まで寄せ、口を動かす。どうやら紙に書いた文字を唱えているようだ。
「三日目にしてようやく動き出しましたね。もう少し早く動いてくれたら、ありがたかったのですが。その紙にはどの様な事が書かれているのです?お見せいただけませんか?」
「まあ、見せたくないなら、力づくということだがな」
空海と田村麻呂である。暗闇の中からすっと現れた。
「お前たち、なぜここに!」
人影が驚愕の声をあげた。
空海が左右の手のひらを開くと、そこに火球が現れた。
その二つの火球を人影の足下に投げつける。
炎が人影の姿をぼんやりと浮きだたせた。
「やはりあなたでしたね。夫人様を呪う本当の術士は・・・知草殿」
知草が立っていた。
切れ長の目に妖しい光をたたえながら。
寝所には常に護衛の武人が控えてはいるが、以前の様なとげとげしさはない。気が緩んでいるというほどではないが、ピリピリした感じはなくなっている。
橘屋敷そのものが、落ち着き、平穏さを取り戻してきたのである。
深夜である。午前二時くらいであろうか。よく言われるところの「草木も眠る丑三つ時」と言われる時間帯であった。
橘屋敷の池のそば。
そこに人影が一つ。
池が静かに波を立てている。
「元柱固具、八隅八気、五陽五神、陽動二衝厳神、害気を攘払し、四柱神を鎮護し、五神開衢、悪鬼を逐い、奇動霊光四隅に衝徹し、元柱固具、安鎮を得んことを、慎みて五陽霊神に願い奉る。
(がんちゅうこしん、はちぐうはつき、ごようごしん、おんみょうにしょうげんしん、がいきをゆずりはらいし、しちゅうしんをちんごし、ごしんかいえい、あっきをはらい、きどうれいこうしぐうにしょうてつし、がんちゅうこしん、あんちんをえんことを、つとみてごようれいしんにねがいたてまつる)」
人影が右手を手刀にし、縦に五回、横に四回、宙を切りながら、呪文を唱える。
そして懐から、人型に切った紙を取り出し、筆で人型の紙に文字を書き込んでいく。
書き終わった。
その人型の紙を口元まで寄せ、口を動かす。どうやら紙に書いた文字を唱えているようだ。
「三日目にしてようやく動き出しましたね。もう少し早く動いてくれたら、ありがたかったのですが。その紙にはどの様な事が書かれているのです?お見せいただけませんか?」
「まあ、見せたくないなら、力づくということだがな」
空海と田村麻呂である。暗闇の中からすっと現れた。
「お前たち、なぜここに!」
人影が驚愕の声をあげた。
空海が左右の手のひらを開くと、そこに火球が現れた。
その二つの火球を人影の足下に投げつける。
炎が人影の姿をぼんやりと浮きだたせた。
「やはりあなたでしたね。夫人様を呪う本当の術士は・・・知草殿」
知草が立っていた。
切れ長の目に妖しい光をたたえながら。
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