婚約破棄?その言葉ずっと待ってました!〜婚約破棄された令嬢と氷の公爵様〜

みのすけ

文字の大きさ
5 / 119
婚約破棄?その言葉待っていました!

王宮にて(オリバー視点)

その頃、王宮の一室では王太子殿下と第二王子殿下が歓談していた。
私オリバー・セレスも護衛騎士として仕える。

両殿下は現王妃の実子で顔立ちが良く似ている。
人望があり視野の広い王太子殿下と、利発で人を引きつける魅力の第二王子殿下。幼い頃から兄弟仲が良かった。

「そういえば……オリバー、妹君は大丈夫か?」

王太子殿下が私の方を振り返る。
我が妹アレキサンドライトとブロウ伯爵子息との婚約破棄の件だろう。婚約破棄からまだ2日なのに、流石の情報網だ。

「私も聞いたよ。大変だったね」

第二王子殿下がおっしゃる。
第二王子殿下は妹が通う王立学園の現生徒会長でいらっしゃるので、おそらく情報元はここだろう。

「両殿下、お心遣いありがとうございます。
妹は王都の屋敷にこもって静かに過ごしております」
私は礼をとりながら答える。

「屋敷にいるのか……。学園には来にくいよね。
どうにかしたいけど…私は面識ないんだよ。
ユリウスはセレス嬢を知ってる?」

第二王子殿下が控えている側近を見上げる。
相手はユリウス・クローディア公爵子息、現宰相の息子で第二王子殿下の幼なじみだ。

「話したことはありません。学園で見かけた限りでは、あまり目立つ生徒ではなかったと記憶しています。しかしながら今年の飛び級試験で卒業資格を得たと聞いています」

クローディア公爵子息はまだ学生ながら、老成した雰囲気の人だ。若いけど切れ者と名高い、第二王子殿下の懐刀。

「へぇ!優秀なんだね。私たちの3学年下だからまだ16歳でしょ⁈あのバカ子息のせいで、もったいないなぁ」

ブロウ伯爵子息を『バカ子息』と称す第二王子殿下は年相応に見える。

第二王子殿下とクローディア公爵子息は現在19歳、今年王立学園を卒業して成人される。

「オリバーが騎士団に入ったのも、セレス子爵令嬢の助言によるそうだよ。見る目があるだろう?」

王太子殿下が面白がるように仰った。

「へー、そうなんだ!子爵家嫡男が騎士団なんて珍しいと思ってたよ。でも適職だと思う」

第二王子殿下も楽しそうなご様子だ。
王太子殿下を兄として慕っているのがわかる。

「ありがとうございます」

自分も騎士団が性に合っていると思うので、両殿下の言葉が素直に嬉しかった。

「……それでバカ子息、もといブロウ伯爵子息は例の件に関与していたか?」

王太子殿下が咳払いしながら問う。
第二王子殿下とご一緒だと冗談を言うようだ。

「いいえ、今のところ関与した証拠は見当たりません。というか、あのバカに関与できる程の才覚はないと思います。ただしバカと新しく婚約したドロール男爵家に関与の疑いがあります」

妹を悲しませたあのバカについて、私も第二王子殿下と同じ考えだ。
なお第二王子殿下がブロウ伯爵子息を『バカ』呼ばわりすることは黙認されたので、私も心の中で使う。

「ドロール男爵家は近年力をつけ台頭して来た家だな。娘を有力家に取り入らせてのし上がったと思っていたが、それだけではなかったか……」

王太子殿下はため息をついた。

「はい。ドロール男爵令嬢はこの件に関与していないようですが、父親が何をしているかくらいは察しているかもしれません」

第二王子殿下もため息をついた。

「ふむ、ではブロウ伯爵子息とドロール男爵令嬢について引き続き調査と監視を。こちらは証拠が固まり次第動く。オリバーも頼むぞ」

王太子殿下が席を立つ。

「はっ」

私は敬礼で答えた。

もともと妹のためにと調査をした件がきっかけで、予想外に大きな事件が発覚した。気を引き締めて取り掛からなければ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

1人視点なので情報が偏っております。全体がわかるまでは読み進めて頂けると嬉しいです。
気に入って下さった方はお気に入りやいいね頂けると励みになります^_^
よろしくお願い致します。

あなたにおすすめの小説

「退屈な女だ」と婚約破棄されたので去りましたが、翌日から国政が止まったそうです。え、私はもう存じませんけど?

にたまご
恋愛
公爵令嬢クラーラは、ユリウス王太子殿下に婚約を破棄された。 「退屈な女だ」「何の取り柄もない」と。 否定はしない。 けれど殿下が知らないだけで、通商条約も予算案も外交書簡も、この国の政務の大半を六年間匿名で回していたのは──この「退屈な女」だ。 婚約破棄の翌朝、宰相補佐官のレオンが焼き菓子と四十二件の緊急報告を携えて公爵邸を訪れる。 「貴女がいなくなった王宮は、控えめに申し上げて、地獄です」 ──存じません。私はもう、ただの無職ですので。

【完結】伯爵令嬢は婚約を終わりにしたい〜次期公爵の幸せのために婚約破棄されることを目指して悪女になったら、なぜか溺愛されてしまったようです〜

よどら文鳥
恋愛
 伯爵令嬢のミリアナは、次期公爵レインハルトと婚約関係である。  二人は特に問題もなく、順調に親睦を深めていった。  だがある日。  王女のシャーリャはミリアナに対して、「二人の婚約を解消してほしい、レインハルトは本当は私を愛しているの」と促した。  ミリアナは最初こそ信じなかったが王女が帰った後、レインハルトとの会話で王女のことを愛していることが判明した。  レインハルトの幸せをなによりも優先して考えているミリアナは、自分自身が嫌われて婚約破棄を宣告してもらえばいいという決断をする。  ミリアナはレインハルトの前では悪女になりきることを決意。  もともとミリアナは破天荒で活発な性格である。  そのため、悪女になりきるとはいっても、むしろあまり変わっていないことにもミリアナは気がついていない。  だが、悪女になって様々な作戦でレインハルトから嫌われるような行動をするが、なぜか全て感謝されてしまう。  それどころか、レインハルトからの愛情がどんどんと深くなっていき……? ※前回の作品同様、投稿前日に思いついて書いてみた作品なので、先のプロットや展開は未定です。今作も、完結までは書くつもりです。 ※第一話のキャラがざまぁされそうな感じはありますが、今回はざまぁがメインの作品ではありません。もしかしたら、このキャラも更生していい子になっちゃったりする可能性もあります。(このあたり、現時点ではどうするか展開考えていないです)

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

隠れ蓑婚約者 ~了解です。貴方が王女殿下に相応しい地位を得るまで、ご協力申し上げます~

夏笆(なつは)
恋愛
 ロブレス侯爵家のフィロメナの婚約者は、魔法騎士としてその名を馳せる公爵家の三男ベルトラン・カルビノ。  ふたりの婚約が整ってすぐ、フィロメナは王女マリルーより、自身とベルトランは昔からの恋仲だと打ち明けられる。 『ベルトランはね、あたくしに相応しい爵位を得ようと必死なのよ。でも時間がかかるでしょう?だからその間、隠れ蓑としての婚約者、よろしくね』  可愛い見た目に反するフィロメナを貶める言葉に衝撃を受けるも、フィロメナはベルトランにも確認をしようとして、機先を制するように『マリルー王女の警護があるので、君と夜会に行くことは出来ない。今後についても、マリルー王女の警護を優先する』と言われてしまう。  更に『俺が同行できない夜会には、出席しないでくれ』と言われ、その後に王女マリルーより『ベルトランがごめんなさいね。夜会で貴女と遭遇してしまったら、あたくしの気持ちが落ち着かないだろうって配慮なの』と聞かされ、自由にしようと決意する。 『俺が同行出来ない夜会には、出席しないでくれと言った』 『そんなのいつもじゃない!そんなことしていたら、若さが逃げちゃうわ!』  夜会の出席を巡ってベルトランと口論になるも、フィロメナにはどうしても夜会に行きたい理由があった。  それは、ベルトランと婚約破棄をしてもひとりで生きていけるよう、靴の事業を広めること。  そんな折、フィロメナは、ベルトランから、魔法騎士の特別訓練を受けることになったと聞かされる。  期間は一年。  厳しくはあるが、訓練を修了すればベルトランは伯爵位を得ることが出来、王女との婚姻も可能となる。  つまり、その時に婚約破棄されると理解したフィロメナは、会うことも出来ないと言われた訓練中の一年で、何とか自立しようと努力していくのだが、そもそもすべてがすれ違っていた・・・・・。  この物語は、互いにひと目で恋に落ちた筈のふたりが、言葉足らずや誤解、曲解を繰り返すうちに、とんでもないすれ違いを引き起こす、魔法騎士や魔獣も出て来るファンタジーです。  あらすじの内容と実際のお話では、順序が一致しない場合があります。    小説家になろうでも、掲載しています。 Hotランキング1位、ありがとうございます。

幼馴染が最優先な婚約者など、私の人生には不要です。

たると
恋愛
シュタイン伯爵家の長女エルゼは、公爵子息フィリップに恋をしていた。 彼の婚約者として選ばれた時は涙を流して喜んだが、その喜びもいまは遠い。 『君は一人でも大丈夫だろう。この埋め合わせは必ずする。愛している』 「……『愛している』、ですか」 いつも幼馴染を優先するアルベルトに、恋心はすっかり冷めてしまった。

理想の女性を見つけた時には、運命の人を愛人にして白い結婚を宣言していました

ぺきぺき
恋愛
王家の次男として生まれたヨーゼフには幼い頃から決められていた婚約者がいた。兄の補佐として育てられ、兄の息子が立太子した後には臣籍降下し大公になるよていだった。 このヨーゼフ、優秀な頭脳を持ち、立派な大公となることが期待されていたが、幼い頃に見た絵本のお姫様を理想の女性として探し続けているという残念なところがあった。 そしてついに貴族学園で絵本のお姫様とそっくりな令嬢に出会う。 ーーーー 若気の至りでやらかしたことに苦しめられる主人公が最後になんとか幸せになる話。 作者別作品『二人のエリーと遅れてあらわれるヒーローたち』のスピンオフになっていますが、単体でも読めます。 完結まで執筆済み。毎日四話更新で4/24に完結予定。 第一章 無計画な婚約破棄 第二章 無計画な白い結婚 第三章 無計画な告白 第四章 無計画なプロポーズ 第五章 無計画な真実の愛 エピローグ

白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。

あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
異世界に転生したフランカは公爵夫人として暮らしてきたが、前世から叶えたい夢があった。パティシエールになる。その夢を叶えようと夫である王国財務総括大臣ドミニクに相談するも答えはノー。夫婦らしい交流も、信頼もない中、三年の月日が近づき──フランカは賭に出る。白い結婚三年目で離縁できる条件を満たしていると迫り、夢を叶えられないのなら離縁すると宣言。そこから公爵家一同でフランカに考え直すように動き、ドミニクと話し合いの機会を得るのだがこの夫、山のように隠し事はあった。  無言で睨む夫だが、心の中は──。 【詰んだああああああああああ! もうチェックメイトじゃないか!? 情状酌量の余地はないと!? ああ、どうにかして侍女の準備を阻まなければ! いやそれでは根本的な解決にならない! だいたいなぜ後妻? そんな者はいないのに……。ど、どどどどどうしよう。いなくなるって聞いただけで悲しい。死にたい……うう】 4万文字ぐらいの中編になります。 ※小説なろう、エブリスタに記載してます

第一王子様が最後に選んだのは、妹ではなく私だったようです

睡蓮
恋愛
姉であるオルシナと、妹のマリーシア。マリーシアは小さな時から周囲の人物を次々と味方につけ、オルシナの事を孤立させていった。マリーシアに対しては誰もがちやほやと接してくるのに、オルシナに対しては冷たい態度を取る者がほとんどで、それがこれから先も続くものと思われていた。そんな中、二人のもとに一通の手紙が届く。差出人はフォルグ第一王子であり、二人のうちのいずれかを婚約者として迎え入れるということが書かれていた…。