甘い寄り道

アリエッティ

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新章突入..!?

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 「……はっ!」
 気が付けば見覚えの無い草原に横になっていた。見渡す限り緑が拡がり、上を向けば大きな青い空。

「…天国か? ここ。」
穏やかな心地よい風が吹いて安らぎを与える。空間が優し過ぎる、落ち着くが、決して落ち着かない。

「一体何が起きたんだ?」
部屋で眠ったのは覚えている、目を開けたらここにいた。綺麗でのどかだが得体の知れない土地。

「いやー!」「..なんだ?」

「へへへ、待てよ姉ちゃんっ!」
遠くの方で女の悲鳴が聞こえる。

「…なんだアリャあっ!?」
少女が複数の茶色い化け物に追いかけられ、こちらへ向かって来る。

「何が来てんだ..人じゃあ無ぇよな?」
耳が大きく牙が生え、太い腕を振り回している。

「あれはゴブリンだヨ。」

「誰だお前?」
足元で話す謎の物体、青色のゼリーのような塊。

「それよりいいの、あのままで。」

「俺にどうしろってんだよ..」
〝助けろ〟と言いたいらしいがやりようが無い。しかし確かにこのままでは、こちらに迫り巻き添えを食う

「僕を〝使うん〟だよ。」

「使う? どうやってさ?」

「こうやってやるのさ!」
カラダを小さく縮小し、弾丸のような形に変化。宙に浮くと、女を避け複数のゴブリンの元へ飛んでいき激しくぶつかっては傷を負わせていく。

「ぐおっ..うおわぁっ!!」

「スゲェな..。」
ゴブリン共は倒れ打ちのめされ、謎の青い物体はさらりと再び足元へ戻って来てはこちらを見つめている。

「な?」「なんだよ〝な?〟って。」

「オイラの名はヒニング!
これからお前の相棒、武器となって戦う仲間だぜ?」

「はぁ? 戦うって誰とだよ?」
小さなゼリー状のカラダを跳ねさせながら意気揚々と言ったが、意味がまるでわからない。

「お前は選ばれし者なんだ。
この場所に降り立った、性なる勇者さ!」

「性なるって..世界は何に支配されてんだ?」
伝説の草原。ほんの偶にこの場所で、選ばれし者が舞い降りて助力を与えると云われている。

「…うっ! あ..あがぁっ...!!」

「どうした!?」「始まったぞ..。」
追いかけられていた少女が胸を押さえて苦しみ出した。礼を言うタイミングを見計らいソワソワしていたのは何となくわかったが、発した言葉は似ても似つかない生々しい言葉だった。

「スペルマァッー!!」

「なん..今なんてっ!?」

「この世界を支配する魔王の名前だヨ。女は全てスペルマに支配され、どんな可憐な少女であってもセクシーなエロ女に変えられてしまうんだっ!!」
ワンピースを着た爽やかな少女は、たっぷりと谷間を蓄えたビンテージ姿のサキュバスと姿を変えた。

「うおっ..!」
変化のギャップに思わず股間を反応させ、少女の見方を完全に〝女〟にしてしまう。

「感じる..感じるぞ、オトコの視線っ...!!
もっと見なさい、それが私の糧となるのだから!」

「ヤベェな、セクシビティがどんどん上がっていく。このままじゃ圧し潰されてやられちまう..おいっ!」

「…あ、なんだ?」

「お前の力を貸せ。お前のその〝剣〟なら、アイツを鎮めて元に戻せるかもしれねぇっ!」

「アイツを元に? あのままでいいだろ。」

「いいからやるぞ!」「何をだよ?」
サキュバスへ駆け寄る。近くで見ると想像以上のエロさを誇る、余りにも刺激が強い。

「あぁ~凄ぇイイ乳..。」「うふ~ん?」

「見惚れてる場合か! 後ろに回れ!」
言われた通り背後に回るが、やはり目的は同じ。

「あぁ~いい乳~っ!」「もっと強く揉んでぇ..!」

「さっさと剣握れよっ!!」
目的はあくまで己の欲が先行する場所、しかしこれによって携えた〝卑猥の剣〟も硬さを増したようだ。

「よし、出せ勇者!」

「はいよ..それっ!」
露出したモノにヒニングが被さり、青い剣が完成する

「貫け、勇者!」

「いくぜ..必殺テクノブレイクッ!!」
背後からサキュバスの秘部へ卑猥の剣が挿入される。
性なる力は、邪な悪魔の力を徐々に引き剥がし、邪な鎧から少女を遠ざけていく。

「うおぉっ..!! 気持ちいいっ!」

「イケッ!! 勇者よ!」

「あ、あぁ..うっ!」「よし、来た!」
勇者の汁がヒニングを介し性邪の鎧を溶かしていく。

「バ、バカな! この私がっ!?
ありえない....そんな事、あってたまるかぁっ!!」
断末魔に近い悲鳴を上げて散り散りに消えていった。
元に戻った少女は静かに、緑の上で眠っている。

「よっ!」「はぁはぁ..。」
元に戻ったヒニングは少女の様子を伺い、息がある事を確認する。

「よし..ひとまず大丈夫だ。
街へ行くぞ、勇者。名前は何だ?」

「……。」「どうした勇者?」
眠る少女をじっと見つめ頷き感心しては再び凝視を繰り返す。体調が心配なのだろうか?

「…以外に元々胸あるな。」
実質本当の胸を揉んだと考えると興奮し、再び剣が太く硬くそそり勃つ。

「もう戦い終わってんだよっ!!
街に行って看病して貰うんだ、わかってんのか?
取り敢えず名を名乗れ、これから一緒に冒険すんだ」

「…俺か? 俺はタクジだ。」
何故か異世界へ降り立った勇者タクジの性なる冒険が今、始まろうとしていた。
(やる事は普段となんら変わりません)

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