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1-2 騎士団員フェルト
18 フェルト・後
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顔が火照る。もしかすると、真っ赤になっているかもしれない。
俺はもそもそと動き、だぼついたパーカ(仮)の袖の中に指まで隠し、Tシャツ(仮)の胸元をぎゅっと掴み、椅子の上で膝を抱え、顔を隠すように丸くなった。
え、なんだ? ……どうしたんだ俺、と思っていたらオリバーにも言われた。
「……えッ……どうしたんですかレイ様」
俺の異常を察知したのか、オリバーが訝しげに、俺の様子を窺っていた。
そうだ、騎士団の話をオリバーから聞いていたんだった。動揺した俺は顔を隠したまま答えた。
「あ、ああ……ああ、オリバーか。な、なんだっけ?」
「え。ほんとにどうしたんですか? お腹痛い?」
「子供か!」
俺のツッコミを物ともせず、オリバーは俺の額に手をやったり体中をぺたぺたと触って、なにやら確認しているようだ。一頻り確認し終えると、オリバーは首をかしげながら俺の顔を覗いた。
「ほんと、どうしたんです? 騎士団員ですよ。冒険者とは違ってプロですからね。気合い入れて下さい。そろそろ調査に来るころかなと思ってたんです。今の話から聞くと、彼らは第二騎士団ですね。基本的には、平民で構成されているはずですが、どういうわけか、ラムレイ辺境伯の血縁者が混ざっているようですね。」
「貴族な?」
「そうですね。俺が働いていた町が……というかこのダンジョンも、ラムレイ辺境伯の領地なので。もしかすると、その関係で血縁者がでしゃばってきたのかもしれません。その人物はどうかわかりませんけど、ラムレイ辺境伯は……かなり性格に難アリなので、なんか問題は起こりそうですね」
「その男が怪我したり死んだら、ほんとにあいつらが責任取らなくちゃいけないわけ?」
「まあ、貴族ってそういうものですよ。どこかに落としどころを求めるんです」
「勝手なやつらだな」
「ええ、本当に……ってそれどころじゃないですよ! 騎士団はかなりの手だれなんですよ! お腹痛いんなら、早くトイレ行って来て下さい」
「う、うんこじゃねえ」
「じゃあなんだって言うんです」
「えー……いや、俺、なんだ? どうしたんだろ――なあ、なんかあの男……かわいくない?」
「は?」
「や、あのふわっとした薄茶色の髪の男? ほら、なんか……笑顔とかやばくない?」
「………………え、なッなんですって?」
俺は、スクリーンに映るフェルトの様子をもう一度確認してみた。
(……かわいい……)
あの猫っ毛を俺も触ってみたい。笑顔が輝いてる。俺にも笑って欲しい。え、「レイ」って呼ばれたらどうしよう。手とかつなぐことになったらどうしよう……。
あの、男らしい厚めの唇はキスしたら……一体どんな感触が――?
「わ、わ、わ、わ」
プシューと湯気でも出しそうなほど顔が熱くなる。俺は両手で顔を押さえて固まり、膝を抱えたまま足の指を縮こまらせた。
「わ、なんなんだろ。なんか俺……変かもしれない。なんかあの男の顔見ると胸がきゅうってして……ぎゅってなるんだよ。なんだろ?? なにこれ。病気? えーでも……多分、うんこじゃないとは思うんだけど、うんこなのか?」
オリバーは呆然と俺のことを見ていたが、しばらくしてから口をひらいた。
「――――……はい?」
俺はもそもそと動き、だぼついたパーカ(仮)の袖の中に指まで隠し、Tシャツ(仮)の胸元をぎゅっと掴み、椅子の上で膝を抱え、顔を隠すように丸くなった。
え、なんだ? ……どうしたんだ俺、と思っていたらオリバーにも言われた。
「……えッ……どうしたんですかレイ様」
俺の異常を察知したのか、オリバーが訝しげに、俺の様子を窺っていた。
そうだ、騎士団の話をオリバーから聞いていたんだった。動揺した俺は顔を隠したまま答えた。
「あ、ああ……ああ、オリバーか。な、なんだっけ?」
「え。ほんとにどうしたんですか? お腹痛い?」
「子供か!」
俺のツッコミを物ともせず、オリバーは俺の額に手をやったり体中をぺたぺたと触って、なにやら確認しているようだ。一頻り確認し終えると、オリバーは首をかしげながら俺の顔を覗いた。
「ほんと、どうしたんです? 騎士団員ですよ。冒険者とは違ってプロですからね。気合い入れて下さい。そろそろ調査に来るころかなと思ってたんです。今の話から聞くと、彼らは第二騎士団ですね。基本的には、平民で構成されているはずですが、どういうわけか、ラムレイ辺境伯の血縁者が混ざっているようですね。」
「貴族な?」
「そうですね。俺が働いていた町が……というかこのダンジョンも、ラムレイ辺境伯の領地なので。もしかすると、その関係で血縁者がでしゃばってきたのかもしれません。その人物はどうかわかりませんけど、ラムレイ辺境伯は……かなり性格に難アリなので、なんか問題は起こりそうですね」
「その男が怪我したり死んだら、ほんとにあいつらが責任取らなくちゃいけないわけ?」
「まあ、貴族ってそういうものですよ。どこかに落としどころを求めるんです」
「勝手なやつらだな」
「ええ、本当に……ってそれどころじゃないですよ! 騎士団はかなりの手だれなんですよ! お腹痛いんなら、早くトイレ行って来て下さい」
「う、うんこじゃねえ」
「じゃあなんだって言うんです」
「えー……いや、俺、なんだ? どうしたんだろ――なあ、なんかあの男……かわいくない?」
「は?」
「や、あのふわっとした薄茶色の髪の男? ほら、なんか……笑顔とかやばくない?」
「………………え、なッなんですって?」
俺は、スクリーンに映るフェルトの様子をもう一度確認してみた。
(……かわいい……)
あの猫っ毛を俺も触ってみたい。笑顔が輝いてる。俺にも笑って欲しい。え、「レイ」って呼ばれたらどうしよう。手とかつなぐことになったらどうしよう……。
あの、男らしい厚めの唇はキスしたら……一体どんな感触が――?
「わ、わ、わ、わ」
プシューと湯気でも出しそうなほど顔が熱くなる。俺は両手で顔を押さえて固まり、膝を抱えたまま足の指を縮こまらせた。
「わ、なんなんだろ。なんか俺……変かもしれない。なんかあの男の顔見ると胸がきゅうってして……ぎゅってなるんだよ。なんだろ?? なにこれ。病気? えーでも……多分、うんこじゃないとは思うんだけど、うんこなのか?」
オリバーは呆然と俺のことを見ていたが、しばらくしてから口をひらいた。
「――――……はい?」
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