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出版記念🎁番外編
03 おれのすきなこのはなし(テオ視点)
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※書籍化部分にしか出てこないキャラクター視点です
「テオが王妃になったらいいじゃないか!」
「――――は?」
小さな指でオレの顔を差しながら、ふんぞり返ってそう言ったエマニュエル様を見て、オレはぽかんと口を開けた。
親に連れられて訪れたレーフクヴィスト公爵家の中庭だった。見たことがないほどたくさんの百合の花が咲き乱れている庭園は、その香りに染まった穏やかな風が吹いていた。その一角にある噴水から、さらさらと心地のよい水音が響く。
「君より少し年下の息子がいるから話し相手になってあげてくれ」と公爵にお願いされて、親が商談をしている間に、オレはこうしてエマニュエル・レーフクヴィスト公爵令息と言葉を交わすことになったのだ。
遠くから見たときは、「え……天使っていんの?」という言葉が思わず口をついて出た。だが、――その天使が今まさに生垣から、市街へと続く道へと逃げ出そうとしていることに気がついて、オレは笑顔を引き攣らせた。
慌てて声をかけたエマニュエル様が、『王妃教育』から逃げようとしていることを知ったのだ。芝生の上に二人で座って軽い自己紹介を終え、オレはそのおかしな公爵令息をどうにか引き止めないとまずいと思い、焦っている。そして、今――。
「そんなに王妃がえらいなら、テオがなったらいいだろ。大体僕は男だ! 他の令嬢がなればいいのに。テオがなったっていい」
なんてめちゃくちゃな論理なんだろう、とオレは思った。
そもそもオレは平民だし、エマニュエル様のように美しいわけでもない。そもそも、男だろうが女だろうが、国の頂点に立つ次期王妃として指名されて、貴族なのに嫌がるんだ……と、オレはびっくりしていた。
オレは沸いたやかんみたいな怒り方をしているエマニュエル様を、まじまじと観察してしまった。
先ほど見かけた、公爵夫人は女神のように美しい方だった。その美貌をしっかりと受け継いだエマニュエル様は、本当に絵に描かれた天使のようだった。陽に透けた美しい月色の長い髪、なめらかな白い肌、桜色のぽてっとした唇、輝く海のような瞳。
(男でも王妃候補になっちゃう理由はわかるなー……)
商人の親に連れ回され各国の芸術品や美人を見てきたが、こんなに美しい造形の人間が存在し、それで動き回っているだなんて……とオレは驚いていた。だけど、本人はまったくその王妃という待遇を歓迎していないようだった。
親の商売する様子を間近でずっと見てきたせいか、何事も妙に冷めた気持ちで客観視してしまう癖のあったオレにとって、エマニュエル様の話すことはとても興味深かった。
「昨日なんて、リスティアーナ女王国の歴代女王の趣味について教わったんだ。八代前の女王陛下が鼻の穴で二本の縦笛を演奏することができることを知って、僕にどうしろと言うんだ! すごいがな! 芸術を愛するからって、美しいモンスターは討伐してはいけないだなんていう法律を作る国の女王に、興味なんてないんだ。2本はさすがにすごいがな……!」
「2本はすごいですね」
「そ、そうだろう! 僕も驚いて、夜ちょっと試してしまった……って違う!」
試したんだ……と思ったら、オレは思わず吹き出してしまった。そして、笑いは止まらなくなった。
あわあわと天使が焦っている様子を見ながら、オレは自分が久しぶりに大声を出して笑っていることに気がついた。
別に親父が悪いわけではないけど、やっぱり商業は腹の探り合い、騙し合いみたいなところがある。いつの間にかオレの顔には人好きのする笑顔が張りついているようになったし、こうして腹の底から笑うみたいなことはなくなってしまっていたのだ。
だけど、天使から要求が出た。
「だ、だから違う! と、とにかくだ。僕は外の世界に出たい! 商人ならお前は外の世界をよく知ってるだろう? 僕を連れ出せ」
「えー? そんなことをしたら、オレの首が飛ぶじゃないですか。やですよ」
「なッ! だ、だから、バレないようにだな……計画を練って、そうだな……とりあえず今日逃げ出すのはやめて、綿密な計画を立てよう」
エマニュエル様は、背中に背負っていた風呂敷包みを下ろした。
逃げ出そうとするのに、風呂敷包みを背負っている公爵令息……と思ったら、またおかしくて笑ってしまった。こんなおかしな貴族に出会ったのは、はじめてだった。
そして、エマニュエル様が風呂敷を置いた芝生の上に置いた拍子に、メロンがごろんと中から転がり出てくるのを見て、オレの腹はもう限界を超えた。
「ぶッ、あはははは! な、なんで……! なんで、め、メロン背負ってるんですか! め……めろ……くっ、あはは!」
「な! なんでそんなに笑うんだ! 食糧がなければ野たれ死んでしまうではないか!」
「しょ く りょ う ……!」
涙が出てきた。腹がよじれるという言葉の意味をはじめて知った。
オレはもう芝生をバンバン叩きながら、のたうち回っていた。まさかメロンを抱えて家出をする貴族がいるとは思わなかった。各国の珍事をこの目にしてきた自負があったが、オレの想像の域を超えていた。このお坊ちゃんは、メロン抱えて街をうろついてどこへ向かうつもりだったんだろう。
オレが文字通り笑い転げているのを見て、さすがに苛立ったのか、ぷくっと頬を膨らましたエマニュエル様が言った。
「王妃になんてなりたくないんだ! 今なら逃げ出したところで、代わりの令嬢を選んでも間に合うし!」
「っくく……ど、どこに行こうと、思ったんですか……?」
「そ、外の世界を見てみたいと思って……って、いい加減笑うのをやめろ! 怒るぞ」
涙を拭いながら、オレは「外の世界か……」と思った。
確かに、この天使が外の世界に行きたいと思っているのなら、王妃教育はきっと窮屈なものだろうなと思った。
今はどうなのかはわからないが、これからは護衛がつき、スケジュールも管理され、外国へ赴くのは公務のときばかりになるだろう。「外の世界に行きたい」という言葉の自由さを、この天使が享受する日は来ないのかもしれない。
旅ばかりして落ち着くことのない商人の暮らしが嫌で、いつもひと所にとどまりたいと願っている自分とは正反対だなと思った。各国の文化に触れ、美しい景色を見て、違う歴史を持つ人たちと話す。エマニュエル様がそう言うのを聞いて、商人の暮らしの中でも『好きだったところ』を、久しぶりに思い出した。
そう思ったら、少しだけ――王妃教育……次期王妃という運命から逃げたいと思っている気持ちが、オレの心の中に入ってきた。
「どんなところがいいんですか? オレは旅ばっかりしてるから、結構いろんなところ知ってますよ」
気がついたら、そんなことを口にしていた。
不貞腐れたような顔をしていたエマニュエル様の顔が、ぱああっと明るく輝くのを見て、オレの心臓がドキッと跳ねた。なんだ? と首をかしげていたその心臓の音の理由に、オレが気がつくのはもうちょっと先になる。
そうして、オレとエマニュエル様……エマ、との関係は、たまに顔を合わせては友達のように語り合う関係へと変化していった。
エマが本当に楽しそうに話を聞いてくれるから、同時に、オレの商人としての人生は明るいものへと変わっていった。
(次は……こんな話をしてあげられる。喜んでくれるかな……)
◇ ◇ ◇
――そんな日々がさらなる変化を遂げたのは、その数年後のことだった。
エマの母親であるユーリア・レーフクヴィスト公爵夫人が病に倒れ、亡くなられたのだ。
当たり前だが、そんなときに商人は呼ばれない。もとから、夫人に贈り物をするためだけに公爵の屋敷に呼ばれていたオレたちだ。贈る相手がいなくなった今、エマになにかを買うとき以外、きっともう呼ばれることもないだろう。
だけど、オレはエマのことが心配で、その夜――レーフクヴィスト公爵の屋敷に忍び込んだ。
エマに生垣の穴や抜け道を教えてもらっていたことが功を奏した。
百合の花が咲き乱れていた美しい庭園はしんと鎮まりかえり、屋敷の明かりも二部屋しかついていなかった。そのうちの一つであるエマの部屋へとオレは急いだ。胸が突き刺されたみたいに痛む。
あんなにも母親を愛していたエマが、今、どんな想いでいるかなんて想像もできなかった。自分になにかができるだなんて、思い上がったわけではなかった。ただ、ただ――そばにいたいと願っただけだった。
(エマ……!)
二階にある明かりのついた窓のあるバルコニーまで、木を伝ってなんとかよじ登り、そしてコンコンと窓を叩いた。返事はなかった。窓扉を優しく押してみると、ギッと音を立てて扉がひらいた。ひょいっと顔を覗かせると、緊張しながら、震える声で尋ねた。
「エマ……?」
「………………テオ?」
いつもの透き通るような美しい声ではなくて、掠れたか細い声だった。その声を聞いただけで、泣きそうになってしまった。
自分はいろんな経験をしてきたと思っていた。大切な友達がこんなにも悲しんでいるのに、なにも言葉が出てこなかった。自分が不甲斐なくて、ぐっと拳を握りしめた。
立ったまま黙っているオレに「こっちおいでよ」とエマが続けた。
おずおずと天蓋のついた大きなベッドへと近づくと、エマがいつも大切にしているぬいぐるみの傍らに転がっているのがわかった。それでも言葉を紡ぐことすらできないオレに、真っ赤に腫れてしまった目で見上げたエマが「聞いたのか?」と尋ねた。
唇を噛みしめながら小さく頷くと、エマはぽんぽんと自分の横を叩きながら言った。
「いつもの――旅の話をしてくれないか?」
「…………エマ」
オレはエマの隣に横になり、泣きそうになるのを必死にこらえて、少しでもエマの気持ちが明るくなるように旅の話をした。
少しずつ、ゆっくりと、いつも通りであることを心がけながら話した。エマもいつもみたいにくすっと笑ってくれたりするようになって、ほっと胸を撫で下ろした。
だけど、頭に浮かんだ1つの村の逸話をするべきかは、ちょっと迷った。
それでも話そうと思ったのは、そうであって欲しいという、オレの願いでもあった。それは山岳地帯にある、とある小さな村の話。山の中腹には、一面の花畑があるのだ。風葬という形を取る伝統のあるその村では、山の風が魂を天国へ運ぶのだ。
「とても高い山だから。天国へと旅立った人たちはその花畑を通ってから、空へと向かうと信じられてるんだ。百合の花もたくさん咲いてたよ……」
自分で言っていて、思わずぐっと唇を噛んでしまった。
百合の花の似合う、素敵な人だった。エマがこんなにも素直に育っている理由がすぐにわかる、美しい人だった。
潤んでしまいそうになる目をエマに見られないように、ふいっと視線を逸らしていると、エマの声が聞こえた。
「……そうか。じゃあ、母上はきっと喜んでいるな」
「きっと、そうだ。たくさん……百合の花を持って、天国へ向かわれたはずだ」
エマの瞳からぼろぼろと涙がこぼれ落ちた。
だけどさっきまでの啜り泣くようなものじゃなくて、口元だけは必死に笑顔を作るような泣き方で、オレももうだめだった。オレの目からもぼろっと涙がこぼれたのを皮切りに、涙がとめどなく溢れた。
「……ごめん。オレ、なにもできなくて。なにも言葉が出てこなくて……」
2人でわあわあ泣いてしまったから、きっと使用人たちも気がついていたんじゃないかと思うのだ。
だけど、エマのうちの使用人はみんな優しいから、もしかしたら目をつぶってくれたのかもしれない。今、サザランド連邦から水面化の圧力がかかっていて、国の中枢は大変な騒ぎなのだ。公爵はエマのことまで気が回らないかもしれない。エマはこの大きな屋敷でひとり、小さな声で泣いているしかなかったのだから。
(誰か――誰か、エマのそばにずっといてくれる人がいれば……)
オレがずっとそばにいてあげたい。でも商人のオレにはそれができない。あのクソ王子は、どうして隣にいてやらないんだ。どうしてエマはあんな男と結婚しないといけないんだ……! 公爵夫人のことを考えていたのに、心の中の悲しみが連鎖して、すべての感情があふれてしまった。
そうして2人で泣き続けたのだった。
しばらくしてエマが言った。
「……ありがとう、テオ」
「…………ん」
本当になにもできなかった。自分はなんて無力なんだろうと思うと不甲斐なかった。それでも泣きながら考えた。自分になにができるのかを。オレは袖で涙を拭って、無理やり笑顔を作った。
「エマがびっくりするような、すっごい変な工芸品でも探してくるよ」
「本当か!」
少し明るくなったエマの表情に、安心する。
自分がなにもできないことを思い知った。それでも、それでも――オレは。
「エマ悲しいときは、駆けつけるから……」
「ありがとう……テオ」
◇ ◇ ◇
「――――は? え、嘘。親父、あのブタ、エマに売っちゃったの!?」
「え? だってエマニュエル様のために買ったんじゃなかったのか?」
こんな珍妙な置物は絶対にないと思って、エマに見せようと思っていたブタの置物だった。
まさかそれをオレが風邪ひいている間に、親父がエマに売ってしまうだなんて思わなかった。まずい。あんな鼻毛とヨダレを散らしてるみたいな変なブタ――!
まずい。
オレはなりふり構わず、商会の扉をバンッと開け外に出ると、急いで馬に飛び乗った。
もちろん、レーフクヴィスト公爵と約束なんてしていない。オレはいつもの抜け道を通ってバルコニーまで抜けると、ドンドンとエマの部屋の窓扉を叩いた。
机に向かっていたエマが驚いた様子で顔を上げた。ぜえぜえと肩を上下させながら、息も絶え絶えに「ブタを……返して」と言葉を紡ぎ出す。きょとんとした顔をしているエマになんとか状況を説明すると、更なる悲劇がオレを襲った。
「え? ……返せ? いや、気に入ったから代金を支払ったんだ。その必要はない」
「なッ え!? い、いや、それは――だ、だめだ。それはエマが笑ってくれるといいなと思っただけで……」
「そうか……ありがとう。テオのおかげで元気に過ごせそうだ」
「や、ち、違ッ」
そして、その次に続いたエマの言葉を聞いて、オレは身の毛もよ立つほど怯えることになったのだ。
「会えない間も、これをテオだと思って大事にするよ」
「こ れ を ――!?」
――テオの悲劇は続く。
おわり!
――――――――――――
いつもありがとうございます!ばつ森です。
書籍化のときにニュースレターで配信していた番外編を
転載中です。まだあと1本あるので来週更新します!
ちるちるというサイトの【BLアワード】がもうすぐ開催されます。
みなさんのおかげで【182ポイント】になりました!!
あと……なんと!4人ほどの方に【評価】ボタンを押していただけると、
ノミネート候補になることができます!!
本当にあともう少しなので……!
もしよかったら応援していただけると嬉しいです!!
ちるちるのサイトで【ばつ森】と検索していただけると、
すぐに出てきます。評価もポチッと押すだけで簡単なので、
どうぞよろしくお願いいたします!!
これからもがんばりますー!!
「テオが王妃になったらいいじゃないか!」
「――――は?」
小さな指でオレの顔を差しながら、ふんぞり返ってそう言ったエマニュエル様を見て、オレはぽかんと口を開けた。
親に連れられて訪れたレーフクヴィスト公爵家の中庭だった。見たことがないほどたくさんの百合の花が咲き乱れている庭園は、その香りに染まった穏やかな風が吹いていた。その一角にある噴水から、さらさらと心地のよい水音が響く。
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遠くから見たときは、「え……天使っていんの?」という言葉が思わず口をついて出た。だが、――その天使が今まさに生垣から、市街へと続く道へと逃げ出そうとしていることに気がついて、オレは笑顔を引き攣らせた。
慌てて声をかけたエマニュエル様が、『王妃教育』から逃げようとしていることを知ったのだ。芝生の上に二人で座って軽い自己紹介を終え、オレはそのおかしな公爵令息をどうにか引き止めないとまずいと思い、焦っている。そして、今――。
「そんなに王妃がえらいなら、テオがなったらいいだろ。大体僕は男だ! 他の令嬢がなればいいのに。テオがなったっていい」
なんてめちゃくちゃな論理なんだろう、とオレは思った。
そもそもオレは平民だし、エマニュエル様のように美しいわけでもない。そもそも、男だろうが女だろうが、国の頂点に立つ次期王妃として指名されて、貴族なのに嫌がるんだ……と、オレはびっくりしていた。
オレは沸いたやかんみたいな怒り方をしているエマニュエル様を、まじまじと観察してしまった。
先ほど見かけた、公爵夫人は女神のように美しい方だった。その美貌をしっかりと受け継いだエマニュエル様は、本当に絵に描かれた天使のようだった。陽に透けた美しい月色の長い髪、なめらかな白い肌、桜色のぽてっとした唇、輝く海のような瞳。
(男でも王妃候補になっちゃう理由はわかるなー……)
商人の親に連れ回され各国の芸術品や美人を見てきたが、こんなに美しい造形の人間が存在し、それで動き回っているだなんて……とオレは驚いていた。だけど、本人はまったくその王妃という待遇を歓迎していないようだった。
親の商売する様子を間近でずっと見てきたせいか、何事も妙に冷めた気持ちで客観視してしまう癖のあったオレにとって、エマニュエル様の話すことはとても興味深かった。
「昨日なんて、リスティアーナ女王国の歴代女王の趣味について教わったんだ。八代前の女王陛下が鼻の穴で二本の縦笛を演奏することができることを知って、僕にどうしろと言うんだ! すごいがな! 芸術を愛するからって、美しいモンスターは討伐してはいけないだなんていう法律を作る国の女王に、興味なんてないんだ。2本はさすがにすごいがな……!」
「2本はすごいですね」
「そ、そうだろう! 僕も驚いて、夜ちょっと試してしまった……って違う!」
試したんだ……と思ったら、オレは思わず吹き出してしまった。そして、笑いは止まらなくなった。
あわあわと天使が焦っている様子を見ながら、オレは自分が久しぶりに大声を出して笑っていることに気がついた。
別に親父が悪いわけではないけど、やっぱり商業は腹の探り合い、騙し合いみたいなところがある。いつの間にかオレの顔には人好きのする笑顔が張りついているようになったし、こうして腹の底から笑うみたいなことはなくなってしまっていたのだ。
だけど、天使から要求が出た。
「だ、だから違う! と、とにかくだ。僕は外の世界に出たい! 商人ならお前は外の世界をよく知ってるだろう? 僕を連れ出せ」
「えー? そんなことをしたら、オレの首が飛ぶじゃないですか。やですよ」
「なッ! だ、だから、バレないようにだな……計画を練って、そうだな……とりあえず今日逃げ出すのはやめて、綿密な計画を立てよう」
エマニュエル様は、背中に背負っていた風呂敷包みを下ろした。
逃げ出そうとするのに、風呂敷包みを背負っている公爵令息……と思ったら、またおかしくて笑ってしまった。こんなおかしな貴族に出会ったのは、はじめてだった。
そして、エマニュエル様が風呂敷を置いた芝生の上に置いた拍子に、メロンがごろんと中から転がり出てくるのを見て、オレの腹はもう限界を超えた。
「ぶッ、あはははは! な、なんで……! なんで、め、メロン背負ってるんですか! め……めろ……くっ、あはは!」
「な! なんでそんなに笑うんだ! 食糧がなければ野たれ死んでしまうではないか!」
「しょ く りょ う ……!」
涙が出てきた。腹がよじれるという言葉の意味をはじめて知った。
オレはもう芝生をバンバン叩きながら、のたうち回っていた。まさかメロンを抱えて家出をする貴族がいるとは思わなかった。各国の珍事をこの目にしてきた自負があったが、オレの想像の域を超えていた。このお坊ちゃんは、メロン抱えて街をうろついてどこへ向かうつもりだったんだろう。
オレが文字通り笑い転げているのを見て、さすがに苛立ったのか、ぷくっと頬を膨らましたエマニュエル様が言った。
「王妃になんてなりたくないんだ! 今なら逃げ出したところで、代わりの令嬢を選んでも間に合うし!」
「っくく……ど、どこに行こうと、思ったんですか……?」
「そ、外の世界を見てみたいと思って……って、いい加減笑うのをやめろ! 怒るぞ」
涙を拭いながら、オレは「外の世界か……」と思った。
確かに、この天使が外の世界に行きたいと思っているのなら、王妃教育はきっと窮屈なものだろうなと思った。
今はどうなのかはわからないが、これからは護衛がつき、スケジュールも管理され、外国へ赴くのは公務のときばかりになるだろう。「外の世界に行きたい」という言葉の自由さを、この天使が享受する日は来ないのかもしれない。
旅ばかりして落ち着くことのない商人の暮らしが嫌で、いつもひと所にとどまりたいと願っている自分とは正反対だなと思った。各国の文化に触れ、美しい景色を見て、違う歴史を持つ人たちと話す。エマニュエル様がそう言うのを聞いて、商人の暮らしの中でも『好きだったところ』を、久しぶりに思い出した。
そう思ったら、少しだけ――王妃教育……次期王妃という運命から逃げたいと思っている気持ちが、オレの心の中に入ってきた。
「どんなところがいいんですか? オレは旅ばっかりしてるから、結構いろんなところ知ってますよ」
気がついたら、そんなことを口にしていた。
不貞腐れたような顔をしていたエマニュエル様の顔が、ぱああっと明るく輝くのを見て、オレの心臓がドキッと跳ねた。なんだ? と首をかしげていたその心臓の音の理由に、オレが気がつくのはもうちょっと先になる。
そうして、オレとエマニュエル様……エマ、との関係は、たまに顔を合わせては友達のように語り合う関係へと変化していった。
エマが本当に楽しそうに話を聞いてくれるから、同時に、オレの商人としての人生は明るいものへと変わっていった。
(次は……こんな話をしてあげられる。喜んでくれるかな……)
◇ ◇ ◇
――そんな日々がさらなる変化を遂げたのは、その数年後のことだった。
エマの母親であるユーリア・レーフクヴィスト公爵夫人が病に倒れ、亡くなられたのだ。
当たり前だが、そんなときに商人は呼ばれない。もとから、夫人に贈り物をするためだけに公爵の屋敷に呼ばれていたオレたちだ。贈る相手がいなくなった今、エマになにかを買うとき以外、きっともう呼ばれることもないだろう。
だけど、オレはエマのことが心配で、その夜――レーフクヴィスト公爵の屋敷に忍び込んだ。
エマに生垣の穴や抜け道を教えてもらっていたことが功を奏した。
百合の花が咲き乱れていた美しい庭園はしんと鎮まりかえり、屋敷の明かりも二部屋しかついていなかった。そのうちの一つであるエマの部屋へとオレは急いだ。胸が突き刺されたみたいに痛む。
あんなにも母親を愛していたエマが、今、どんな想いでいるかなんて想像もできなかった。自分になにかができるだなんて、思い上がったわけではなかった。ただ、ただ――そばにいたいと願っただけだった。
(エマ……!)
二階にある明かりのついた窓のあるバルコニーまで、木を伝ってなんとかよじ登り、そしてコンコンと窓を叩いた。返事はなかった。窓扉を優しく押してみると、ギッと音を立てて扉がひらいた。ひょいっと顔を覗かせると、緊張しながら、震える声で尋ねた。
「エマ……?」
「………………テオ?」
いつもの透き通るような美しい声ではなくて、掠れたか細い声だった。その声を聞いただけで、泣きそうになってしまった。
自分はいろんな経験をしてきたと思っていた。大切な友達がこんなにも悲しんでいるのに、なにも言葉が出てこなかった。自分が不甲斐なくて、ぐっと拳を握りしめた。
立ったまま黙っているオレに「こっちおいでよ」とエマが続けた。
おずおずと天蓋のついた大きなベッドへと近づくと、エマがいつも大切にしているぬいぐるみの傍らに転がっているのがわかった。それでも言葉を紡ぐことすらできないオレに、真っ赤に腫れてしまった目で見上げたエマが「聞いたのか?」と尋ねた。
唇を噛みしめながら小さく頷くと、エマはぽんぽんと自分の横を叩きながら言った。
「いつもの――旅の話をしてくれないか?」
「…………エマ」
オレはエマの隣に横になり、泣きそうになるのを必死にこらえて、少しでもエマの気持ちが明るくなるように旅の話をした。
少しずつ、ゆっくりと、いつも通りであることを心がけながら話した。エマもいつもみたいにくすっと笑ってくれたりするようになって、ほっと胸を撫で下ろした。
だけど、頭に浮かんだ1つの村の逸話をするべきかは、ちょっと迷った。
それでも話そうと思ったのは、そうであって欲しいという、オレの願いでもあった。それは山岳地帯にある、とある小さな村の話。山の中腹には、一面の花畑があるのだ。風葬という形を取る伝統のあるその村では、山の風が魂を天国へ運ぶのだ。
「とても高い山だから。天国へと旅立った人たちはその花畑を通ってから、空へと向かうと信じられてるんだ。百合の花もたくさん咲いてたよ……」
自分で言っていて、思わずぐっと唇を噛んでしまった。
百合の花の似合う、素敵な人だった。エマがこんなにも素直に育っている理由がすぐにわかる、美しい人だった。
潤んでしまいそうになる目をエマに見られないように、ふいっと視線を逸らしていると、エマの声が聞こえた。
「……そうか。じゃあ、母上はきっと喜んでいるな」
「きっと、そうだ。たくさん……百合の花を持って、天国へ向かわれたはずだ」
エマの瞳からぼろぼろと涙がこぼれ落ちた。
だけどさっきまでの啜り泣くようなものじゃなくて、口元だけは必死に笑顔を作るような泣き方で、オレももうだめだった。オレの目からもぼろっと涙がこぼれたのを皮切りに、涙がとめどなく溢れた。
「……ごめん。オレ、なにもできなくて。なにも言葉が出てこなくて……」
2人でわあわあ泣いてしまったから、きっと使用人たちも気がついていたんじゃないかと思うのだ。
だけど、エマのうちの使用人はみんな優しいから、もしかしたら目をつぶってくれたのかもしれない。今、サザランド連邦から水面化の圧力がかかっていて、国の中枢は大変な騒ぎなのだ。公爵はエマのことまで気が回らないかもしれない。エマはこの大きな屋敷でひとり、小さな声で泣いているしかなかったのだから。
(誰か――誰か、エマのそばにずっといてくれる人がいれば……)
オレがずっとそばにいてあげたい。でも商人のオレにはそれができない。あのクソ王子は、どうして隣にいてやらないんだ。どうしてエマはあんな男と結婚しないといけないんだ……! 公爵夫人のことを考えていたのに、心の中の悲しみが連鎖して、すべての感情があふれてしまった。
そうして2人で泣き続けたのだった。
しばらくしてエマが言った。
「……ありがとう、テオ」
「…………ん」
本当になにもできなかった。自分はなんて無力なんだろうと思うと不甲斐なかった。それでも泣きながら考えた。自分になにができるのかを。オレは袖で涙を拭って、無理やり笑顔を作った。
「エマがびっくりするような、すっごい変な工芸品でも探してくるよ」
「本当か!」
少し明るくなったエマの表情に、安心する。
自分がなにもできないことを思い知った。それでも、それでも――オレは。
「エマ悲しいときは、駆けつけるから……」
「ありがとう……テオ」
◇ ◇ ◇
「――――は? え、嘘。親父、あのブタ、エマに売っちゃったの!?」
「え? だってエマニュエル様のために買ったんじゃなかったのか?」
こんな珍妙な置物は絶対にないと思って、エマに見せようと思っていたブタの置物だった。
まさかそれをオレが風邪ひいている間に、親父がエマに売ってしまうだなんて思わなかった。まずい。あんな鼻毛とヨダレを散らしてるみたいな変なブタ――!
まずい。
オレはなりふり構わず、商会の扉をバンッと開け外に出ると、急いで馬に飛び乗った。
もちろん、レーフクヴィスト公爵と約束なんてしていない。オレはいつもの抜け道を通ってバルコニーまで抜けると、ドンドンとエマの部屋の窓扉を叩いた。
机に向かっていたエマが驚いた様子で顔を上げた。ぜえぜえと肩を上下させながら、息も絶え絶えに「ブタを……返して」と言葉を紡ぎ出す。きょとんとした顔をしているエマになんとか状況を説明すると、更なる悲劇がオレを襲った。
「え? ……返せ? いや、気に入ったから代金を支払ったんだ。その必要はない」
「なッ え!? い、いや、それは――だ、だめだ。それはエマが笑ってくれるといいなと思っただけで……」
「そうか……ありがとう。テオのおかげで元気に過ごせそうだ」
「や、ち、違ッ」
そして、その次に続いたエマの言葉を聞いて、オレは身の毛もよ立つほど怯えることになったのだ。
「会えない間も、これをテオだと思って大事にするよ」
「こ れ を ――!?」
――テオの悲劇は続く。
おわり!
――――――――――――
いつもありがとうございます!ばつ森です。
書籍化のときにニュースレターで配信していた番外編を
転載中です。まだあと1本あるので来週更新します!
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これからもがんばりますー!!
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