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フロイライン

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死路

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土壇場の九回裏
ここを抑えれば一点差で咲聖の逃げ切りという場面だったが、極度に疲弊したエースの優里が、高島大附属の先頭打者に捕まり、ヒットを打たれてしまった。

ランナーが一人出てしまった事により、ゲッツーにでもならない限り、三番の強打者敷島に回ってしまう。
もう一人出れば、絶対的なスラッガーの山東にも。

たった一人のランナーが、咲聖を窮地に追い込んだのだ。

控え投手がいないに等しいこのチームにとっては、まさに絶体絶命の大ピンチだ。



「ダメだなあ

水谷さん、肩で息してるのがここからでもわかるよ。」


宮里は、心配そうな表情を浮かべ、今津に言った。


「セオリーなら、ここは送って二番、三番で一点を返す。

でも、今の水谷さん相手なら、簡単に送らずにエンドランを仕掛けるのも面白いんじゃないかな。

果たして、高島大はどう考えているか。」


今津は、高島大のベンチの方を見やりながら呟いた。


だが、高島大の監督、鶴田は、敷島と山東に絶大な信頼を寄せており、下手な手を打たず、一番に送らせ、一死二塁にした。


それに…


「水谷の球は明らかにキレがない。

井上でも十分に打てる。」


二番の井上がタイムリーを打つという予感がしていた。


山東の読みもまさにそうで、二、三番でサヨナラに持っていき、自分の出番はないと確信めいた予想をしていた。


しかし

二番の井上は三球三振で、一度もバットに当てる事ができず、俯いてベンチに戻ってきた。


(疲れてても、水谷は水谷か。)


山東は、自分の予想が外れた事と、優里が余力を残していた事に、驚きながらも苦笑いを浮かべた。


二死二塁

バッターは敷島


ほんの少し前まで高島大が有利な状況であったが、優里が力を振り絞り、互角、いや、それ以上の状態に盛り返してきたのである。


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