oh my little love

フロイライン

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根本は思いつめた表情を浮かべながら、少し間を置いてから話を続けた。 

「ワタシ、愁ちゃんにこの東京で再会出来てホントに嬉しかったの。 
でも、ワタシは見ての通り水商売のオカマだし、愁ちゃんは大学生で、やっぱり全然違う世界で生きてるんだよ。

愁ちゃんは優しいからワタシに対して同情してくれてた部分があると思う。 

そんなワタシのワガママに付き合って、大学で同じ環境にいる友達と一緒にすごす時間が無くなっちゃうのはすごく申し訳なくて…」 

「いや、アイツらは知り合いでも何でもないし…」 

「ううん、それだけじゃなくて、愁ちゃんにはこれから社会に出てもっといろんな世界に触れて、輝かしい未来に向かって生きて欲しいの。 
そう考えたらワタシと会ってる時間なんて意味がないものだよ。 
卑屈になって言ってるんじゃなくて、本心で言ってるんだから誤解しないでね。」 

「根本…」 

精一杯の作り笑顔で俺を見つめる根本に、俺は言葉が続かなかった。 

「それに、これ以上愁ちゃんと会ってるとワタシが… ううん、ごめん ‥
話は以上。 
さあ、飲もうよ。」 

根本はまた無理に笑って、ビールを口にした。
対する俺は、依然として言葉を発さず、俯いたままになっていた。 

言うべき事を全部言い、俺の言葉を待つ根本はさぞかし不安な気持ちになっただろう。 
時間にしたら大した事ないんだろうけど、二人の中ではかなり長く感じていた。 
そのときの俺はただ黙っていたのではなく、考えていたのだ。 

何を考えていたかって? 

それは、根本が今さっき言った事を受けて 
俺の中で湧き上がってくる感情について考えていた。 

そして、自分の人生経験の少なさから今日まで、答えを導き出せなかった事を悔やんでみたり、根本と再会してからの事などを色々と考えていた。

俺は顔を上げ、根本に視線を合わせた。 

根本は戸惑いと不安を顔に出しながら、俺を見つめていた。 

「根本、俺もお前に話があるんだ。」 

「えっ…」 

一体、俺が何を言い出すのか、根本の心が不安になっていくのが手に取るようにわかった。
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