オレ、母になる

フロイライン

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重い話

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「えっ」


真希の実家にやってきた晃は、妻の言葉に耳を疑った。


「晃

あなたも知ってるんでしょ?

祐希が完全な女性になったって事を。」



「それは、まあ…」



「だから今言ったように、祐希とあなたがセックスをして、妊娠させて欲しいの。」


「出来た子を真希の子として育てるって事なのか?…」


「そうよ。

それだったら、私と出来てくる子供には血の繋がりがあるんだもの。

勿論、めちゃくちゃな事を言ってるって、自分でもわかってるの。


でも、私にはこれしかないの!


わかって…晃」


精神的に病んでいる真希は、深刻な表情で晃に迫った。


「祐希君は、了承したのか?」


「ううん…

ちょっと考えさせてくれって…」


真希は、一気に元気をなくし、小さな声でそう答えた。


晃も、祐希がこんな無茶な要求に応える筈がないと確信していた。

多分、その場で断れば、真希は絶望し、自死の道を選択するやもしれない…

だから、即答せずに帰ったのだ。


よく言われる事だが、男には出産の痛みには耐えられないと…

いくら完全なる女性になったとはいえ、ずっと男として育ってきた祐希が、出産の痛みに耐えられるわけがない…


それに、祐希にとって何のメリットがあるというのだ。

今頃、頭を悩ませている筈だ。

どうやって断ろうかと…


晃自身も、どうすればいいのかわからなくなってしまっていた。


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