オレ、母になる

最悪の展開

「本当に自分勝手な事ばかり言って申し訳ないんだけど…


私…

ここにいる瑛太さんの事を好きになってしまいました…」


真希の言葉に、三人は絶句した。


いや、驚いて黙ったわけではなかった。


三人ともがこのような展開になるのではないかと、薄々勘付いていた。

何度も体を重ね合わせるうちにそのような感情が芽生えたのも、皆が理解できた。

要は、どのタイミングで、誰が言い出すかだったが、口火を切ったのは真希だった。


多分、真希が一番真面目であるが故に、黙ったままでいるのが我慢ならなくなったのだ。


真希が自分の思いを伝えたあと、すぐに瑛太が助け舟を出した。

このまま、真希を悪者にするわけにはいかないと、連帯責任であるという事を訴えた。


「申し訳ありません。

自分も、いつの間にか真希さんに気持ちが向いてしまい…

今、同じ考えでいます…」



祐希は、こうなる事を予想していたが、晃だけは、表情を見るかぎり、フリーズして頭が真っ白になっているようだった。


だが、一番の年長者である晃は、なんとか言葉を振り絞った。



「真希…

瑛太君

それで…

どうしたいんだ？」



「それは…」


真希が発言しようとするのを、瑛太が言葉を被せてきた。


「晃さん

めちゃくちゃな事をお願いしているのは百も承知です。

真希さんと別れていただけませんか。」


瑛太は、真希が言おうとした言葉を代弁したのだった。