オレ、母になる

フロイライン

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血を分けた姉弟

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「ごめんね

急に呼び出したりして。」


真希は、家にやってきた祐希にそう声をかけた。


「ううん。
家にいても何もやる事なかったし…」

祐希は、俯いたまま、小さな声でそう答えた。



「あ、そうだ。

妊娠、おめでとう。」


「…

ありがとう。」


「順調なの?」



「うん。
今のところは…


安定期に入るまでは、どうなるかわかんないけど。」



「そんな時に呼び出しちゃって本当に申し訳ないわね。」



祐希は、真希が自分が妊娠している事を知っても、全く動じないことに、少し違和感を持ちながらも、取り乱されるよりは何倍もマシだと思い、内心ではホッとしていた。

そんな弟の心中を知ってか、真希は


「大丈夫よ。

もう、子供がどうとか、不妊がどうとかで取り乱すことはないから。」


と、至って冷静な口調で答えた。


「ところで

実家にはもう報告に言ったの?」



「えっ

まだ行ってない…

てか、行くかどうかも迷ってる。」



「そうね。

ウチの両親は全然理解ないからね。」



「うん…


特にお母さんが…」



「マジでブチ切れると思う。」


「間違いないわ。」


「今回の原因て、私が全部悪いから…」


「いや、それは…」


「ううん。

それは、誰が考えてもそうだから…

私も責任を感じてるのよ。


だから、私も一緒に言って話をするわ。」


「えっ、それは…」


「だって、アンタが晃とくっついたってだけでも理解出来ないでしょうけど、完全なる女性になり、晃の子を孕っているなんて、まず信じないでしょうね。


だから、私も一緒に行って話すわ。

祐希は当事者だから言いにくい面もあるでしょうから。」


真希の言葉に、ずっと不安を抱いていた祐希は、すがるような目をして、深く頷いた。
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