オレ、母になる

フロイライン

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negotiator

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実家詣を終えた、滝川姉妹、晃、瑛太は、家を出た途端に、それぞれが、ホッとため息をついた。


「なんとか、説得できたかな。」


晃が言うと、真希も頷き


「わかってくれようとくれまいと、仕方ないよね、ウチらこうなっちゃったんだから。」


と、答えた。


続けて


「ちょっとお茶でもしていこうよ。

色々話もしたいし、聞きたいし。」


と、言った。



瑛太と祐希は、まだ気まずい感覚があるのか、あまり喋ろうとはしなかった。


助手席に祐希、後部座席に真希と瑛太を乗せると、晃は車を発進させた。


車の中で、一際明るく喋るのは、真希で、とにかく饒舌だった。

あれほど心を病んでいたのに、今はニコニコ顔で話をしている。


他の三人は、まだ真希の精神が回復していないと考えた。

今は、いわゆる躁状態にあるのだと。



そんな心配をされているとも知らず、真希は上機嫌で、前に身を乗り出し、祐希に話しかけた。


「ねえ、祐希

お腹の赤ちゃんは順調なの?」


「うん。

この前も聞いてきたじゃん。

一応順調だよ。」


「ついつい確認しちゃうのよ。
心配性なもんでね。

お父さんとお母さんに孫の顔を見せてあげたいしね。」


「…うん」

祐希は、テンション低めの返事をした。

真希に気を遣って、ということもあったが、彼女は、それ以外に悩みを抱えていた。

それは、先日、高山に言われた言葉が引っかかっており、この瞬間もその事を考えていた。


自分は、薬によって女性に性転換した人間である。

それ故に、生まれながらの女性と違い、色々な問題を抱えている。


セックスに対して、異常なまでに貪欲で、異常なまでに感じてしまう。

晃の事を、以前は愛していたが、一度は踏ん切りをつけ、忘れたはずであった。


しかし、セックスをした瞬間に、晃への想いが湧き出てきて、今はもう彼なしでは生きられない。

これは、単に晃への愛情から出てくる感情なのか?

それとも、セックスをしてくれる男性ならば、誰でもいいのか?

心と体の相関関係に悩む祐希は、暗い表情でため息をつくと、目を瞑り、顔を天に向けた。
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