オレ、母になる

フロイライン

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シンユウ

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「さて、そろそろ帰るか。」


瑛太は、携帯を見つめながらそう言った。


「えっ、もう帰るの?」


祐希は、少し焦った表情となり、瑛太を引き留めた。



「もう夜だし、帰って飯食うわ。」


「そんな事言わないでよ。

もう少し付き合って。」


「って言われてもなあ。」



「あ、そうだ

ウチに来ない?

ワタシ、ご飯作るから。」


「えっ、お前

飯とか作れんの?」


「もちろんよ。

女らしくなるには、まず内面からってね。

お料理は基本中の基本よ。」


「へえ、変われば変わるもんなんだな。」


「ねえ、来てくれる?」 



「わかったよ。

ビジュアルは真希ちゃんで、中身も伴ってるとしたら、断る理由はねえしな。」


「よかったあ!」


祐希は、満面の笑みを浮かべて頷いた。





瑛太は、祐希が住んでいる部屋に来るのは、これが初めてだった。

中に入った途端、思わず声を上げてしまった。



「なんだよ、コレ


女の部屋じゃねえか。」



「気に入ってくれた?」



「気に入るも何も…

お前の趣味なの?」



「そうよ。

ワタシの趣味。


女性ホルモン打ってるとさあ、心理面でも大きく変わってくるのよね。

で、自分の趣味で家の中をレイアウトしてたんだけど…


気がついたら、真希の部屋にそっくりになってた。」



「双子だしなあ。

コレだけ顔も体もそっくりなら、無理もねえか。」


瑛太は、相変わらず、落ち着かない様子で、部屋の中をキョロキョロ見回した。
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