ニューハーフ学園

フロイライン

文字の大きさ
9 / 117

ルームメイト

しおりを挟む
晴翔は部屋の中で落ち着かず、ソワソワしながら座ったり立ち上がったりしていた。


そのとき、ドアをノックする音が聞こえてきた為、慌ててドアを開けた。

ドアの向こうに立っていたのは、稲村だった。

「沖原さん、どうお部屋の感じは?」


「はい…良いです。」


「それはよかったわ。
あなたと同部屋になる人を連れてきたから紹介するね。」

稲村はそう言うと、廊下の方に視線をやった。

晴翔も気になって、その方向に目をやると、ゆっくりした歩き方で、さっき応接間の前で会った森下が近づいてくるではないか。


「森下さんはさっき手術を受けたばかりで、ちゃんと歩けないのよ。

ゆっくりでいいからね。」


稲村が声をかけると、光瑠は何も返事せずに、痛そうな顔をして歩き、ようやく部屋の前までやってきた。


「森下さん

後で荷物を運び込むから、とりあえずゆっくり休んどいて。」


「…」


「じゃあ、沖原さん
よろしくね」

光瑠が部屋に入るのを見届けると、稲村は晴翔に声をかけて去っていった。


晴翔は、あたふたしながら光瑠の様子を見ていたが、冷や汗をかいて痛そうなその姿に、思わず声をかけた。


「あの、大丈夫…?」


「いや、大丈夫じゃねえ。

ちょっと寝ていいか?」


「あ、どうぞ」


「俺、下でいいわ。」

光瑠は、そう言うと、二段ベッドの下の方にゆっくりと入り、そっと仰向けに寝た。


「あの、何かいる?
飲み物とか…」


「いや、いいよ。」

光瑠は、苦悶の表情でそう言ったが、横になれて少しだけラクになったようだった。


「あの、手術したって…」


「ああ。

タマ取られたよ。」


「えっ、もう?」


「もうって何だよ。
お前も手術されんのか?」


「一応希望はしてるけど、実際にしてもらえるかどうかはまだわかんないし、するとしてもずっと先になると思うよ。」


「希望してるって、お前何言ってんの?

まあ、いいけど。

で、お前は何してここに来たんだ?」


「何してって…

えっと、引きこもりで…」


「引きこもり?

何の事だよ」


「そちらは…」


「光瑠でいいよ」


「光瑠さんは、引きこもりではないんですか?」


「まあ、警察に見つかんねえように引きこもってたのは間違いねえけど」

光瑠は少し口元を綻ばせて言った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

性転のへきれき

廣瀬純七
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

野球部の女の子

S.H.L
青春
中学に入り野球部に入ることを決意した美咲、それと同時に坊主になった。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

ナースコール

wawabubu
大衆娯楽
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

処理中です...