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子は鎹
愛の部屋に、岸田が訪れる回数が劇的に増えた。
理由は、勿論、自分の子供が愛のお腹の中にいるからだ。
「愛さん、大丈夫?」
その日の夜も、愛の部屋に来た岸田は、心配そうに声をかけた。
「うん。
大丈夫よ。
まだこれからだと思うけど、今のところ全然」
「それは、よかった」
岸田は、ホッとした表情を見せ、笑顔になった。
愛は、そんな岸田の表情を見つつ、少し戸惑ったような顔になり、視線を切って俯いてしまった。
「どうしたの?
やっぱり、しんどい?」
「ううん。」
愛は、顔をまた上げて、少し笑みを浮かべたが、暫くの間、沈黙してしまった。
だが、岸田を見つめたまま、ぽつりぽつりと話しはじめた。
「岸田さん…
私、なんて言ったらいいのかなあ…」
「?」
「心境に変化があったの。
ヘンに思うかもしれないけど、聞いてくれる?」
「勿論。」
「私、ずっと子供が欲しかったの。
結婚してすぐに心が単身赴任したり、母が病気だったりで、それどころじゃなかったんだけど、少し落ち着いたら子作りしようって、心にも言ってたし、自分でもそう強く思ってたの。
でも、ご存知の通り、それからいろんな事があり、その思いが叶う事はなかったわ。」
「そうだね…」
「心の事は愛してるけど、もう子供を授かる事が出来ないのは事実だし、私の中でずっと葛藤があったのね。」
「うん」
愛は、話を続けたが、その内容に、岸田は驚きのあまり、言葉を失う事となる。
理由は、勿論、自分の子供が愛のお腹の中にいるからだ。
「愛さん、大丈夫?」
その日の夜も、愛の部屋に来た岸田は、心配そうに声をかけた。
「うん。
大丈夫よ。
まだこれからだと思うけど、今のところ全然」
「それは、よかった」
岸田は、ホッとした表情を見せ、笑顔になった。
愛は、そんな岸田の表情を見つつ、少し戸惑ったような顔になり、視線を切って俯いてしまった。
「どうしたの?
やっぱり、しんどい?」
「ううん。」
愛は、顔をまた上げて、少し笑みを浮かべたが、暫くの間、沈黙してしまった。
だが、岸田を見つめたまま、ぽつりぽつりと話しはじめた。
「岸田さん…
私、なんて言ったらいいのかなあ…」
「?」
「心境に変化があったの。
ヘンに思うかもしれないけど、聞いてくれる?」
「勿論。」
「私、ずっと子供が欲しかったの。
結婚してすぐに心が単身赴任したり、母が病気だったりで、それどころじゃなかったんだけど、少し落ち着いたら子作りしようって、心にも言ってたし、自分でもそう強く思ってたの。
でも、ご存知の通り、それからいろんな事があり、その思いが叶う事はなかったわ。」
「そうだね…」
「心の事は愛してるけど、もう子供を授かる事が出来ないのは事実だし、私の中でずっと葛藤があったのね。」
「うん」
愛は、話を続けたが、その内容に、岸田は驚きのあまり、言葉を失う事となる。
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