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1000日後
心は、夜中に目を覚ました。
なかなか寝つけず、ようやく眠れたと思ったら、すぐに目を覚ましてしまったのだ。
時計を見ると、午前四時を回ったところだった。
眠れない理由は自分でもわかっていた。
仕事を終え、控え室に帰ってきた心は、携帯に着信がある事に気付き、すぐにその相手に掛け直した。
「もしもし」
「もしもし、あ、心か?」
「宮埜さん、どうされたんですか」
「今日、会社に来たぞ。」
「えっ…」
「奥さんだよ。
愛ちゃんが。」
「…そうですか…」
「俺も色々聞かれたけど、何も知らないって言っておいた。」
「すみません…」
「お前が二ヶ月以上前に辞めたっていう事以外、何もわからずに肩を落として帰ってったよ。
ところで、仕事の方はどうなんだ?」
「ワタシですか?
はい。
今のところ楽しくさせていただいております。」
「そうか…
それは良かった…
俺もさあ、お前に対しては悪いことをしたって、ずっと思っててさあ。」
「えっ、ワタシに?
宮埜さんが?
なんで?」
「だって、お前がニューハーフになったのって、俺があの店に連れてったからじゃない?
あのとき、俺が連れて行かなければ、お前は今も同僚として、ウチの会社にいて、多分奥さんとも…」
「いえ、宮埜さんは悪くないです。
これは、ワタシの意思で決めた事です。
それに、今のこの姿が本当の自分であると、ハッキリ言えます。
だから、宮埜さんには、本当の自分に気付かせてもらえた事を心から感謝してるんです。」
「そうか…
そう言ってもらえると少し気が楽になるよ。
ところで、彼氏とは仲良くやってんのか?」
「いえ、一ヶ月前に別れました。」
「そうか。
まあ、まだ心もまだ若いんだし、またすぐに出来るよ。」
「宮埜さん、それより…
ワタシ、ちゃんとお礼もしないままに会社を逃げるように辞めちゃって…
今度会えませんか。」
「礼なんて、俺は何もしてないし、そんなのいいよ。
でも、お前には会いたいって思ってたとこなんだ。
また飯でも行こうや。
都合の良い日をまた教えてよ。」
「はい、ありがとうございます。
必ずご連絡します。
それじゃあ、またあらためて…
失礼します。」
心は、電話を切った。
帰宅した心は、お風呂に入り、肌のケアをし、少しだけ起きていたが、湯冷めするのでベッドに入った。
だが、妻の愛が東京にやってきて、自分を探しているという話を宮埜から聞いた事で、動揺してしまい、全然寝れなくなってしまった。
いよいよ寝れなくなった心は、ベッドを抜け出し、洗面台の前にボーっと立ち、鏡に映る自分の姿を見つめていた。
鏡の中の自分は、化粧を取っても、三年以上続く女性ホルモンと去勢を行った影響で、すっかり女顔になっている…
そして、パジャマの上からでもはっきりとわかるくらい、乳房は大きく膨らんでおり、体全体のフォルムも、皮下脂肪が付いて全身に丸みを帯びている。
お尻も大きくなったが、骨盤は変わっていないので、そこまでの変化は感じられない。
しかし、最後に愛と会ったときから、また半年以上が経過しており、あの時と比べると、心の顔も体も、全てが変わってしまった。
会社を辞めて、女性として生きるようになってから、女性化が一気に加速したのだ。
心は、鏡に映る自分に、何かを語りかけたくなったが、自嘲気味に笑い、やめた。
代わりに大きなため息をついた。
なかなか寝つけず、ようやく眠れたと思ったら、すぐに目を覚ましてしまったのだ。
時計を見ると、午前四時を回ったところだった。
眠れない理由は自分でもわかっていた。
仕事を終え、控え室に帰ってきた心は、携帯に着信がある事に気付き、すぐにその相手に掛け直した。
「もしもし」
「もしもし、あ、心か?」
「宮埜さん、どうされたんですか」
「今日、会社に来たぞ。」
「えっ…」
「奥さんだよ。
愛ちゃんが。」
「…そうですか…」
「俺も色々聞かれたけど、何も知らないって言っておいた。」
「すみません…」
「お前が二ヶ月以上前に辞めたっていう事以外、何もわからずに肩を落として帰ってったよ。
ところで、仕事の方はどうなんだ?」
「ワタシですか?
はい。
今のところ楽しくさせていただいております。」
「そうか…
それは良かった…
俺もさあ、お前に対しては悪いことをしたって、ずっと思っててさあ。」
「えっ、ワタシに?
宮埜さんが?
なんで?」
「だって、お前がニューハーフになったのって、俺があの店に連れてったからじゃない?
あのとき、俺が連れて行かなければ、お前は今も同僚として、ウチの会社にいて、多分奥さんとも…」
「いえ、宮埜さんは悪くないです。
これは、ワタシの意思で決めた事です。
それに、今のこの姿が本当の自分であると、ハッキリ言えます。
だから、宮埜さんには、本当の自分に気付かせてもらえた事を心から感謝してるんです。」
「そうか…
そう言ってもらえると少し気が楽になるよ。
ところで、彼氏とは仲良くやってんのか?」
「いえ、一ヶ月前に別れました。」
「そうか。
まあ、まだ心もまだ若いんだし、またすぐに出来るよ。」
「宮埜さん、それより…
ワタシ、ちゃんとお礼もしないままに会社を逃げるように辞めちゃって…
今度会えませんか。」
「礼なんて、俺は何もしてないし、そんなのいいよ。
でも、お前には会いたいって思ってたとこなんだ。
また飯でも行こうや。
都合の良い日をまた教えてよ。」
「はい、ありがとうございます。
必ずご連絡します。
それじゃあ、またあらためて…
失礼します。」
心は、電話を切った。
帰宅した心は、お風呂に入り、肌のケアをし、少しだけ起きていたが、湯冷めするのでベッドに入った。
だが、妻の愛が東京にやってきて、自分を探しているという話を宮埜から聞いた事で、動揺してしまい、全然寝れなくなってしまった。
いよいよ寝れなくなった心は、ベッドを抜け出し、洗面台の前にボーっと立ち、鏡に映る自分の姿を見つめていた。
鏡の中の自分は、化粧を取っても、三年以上続く女性ホルモンと去勢を行った影響で、すっかり女顔になっている…
そして、パジャマの上からでもはっきりとわかるくらい、乳房は大きく膨らんでおり、体全体のフォルムも、皮下脂肪が付いて全身に丸みを帯びている。
お尻も大きくなったが、骨盤は変わっていないので、そこまでの変化は感じられない。
しかし、最後に愛と会ったときから、また半年以上が経過しており、あの時と比べると、心の顔も体も、全てが変わってしまった。
会社を辞めて、女性として生きるようになってから、女性化が一気に加速したのだ。
心は、鏡に映る自分に、何かを語りかけたくなったが、自嘲気味に笑い、やめた。
代わりに大きなため息をついた。
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