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宮埜は、絶句し、視線を動かす事が出来なかった。
「お久しぶりです。
宮埜さん。」
何故なら、目の前に現れた心の姿が、あまりにも変貌していたからだ。
「あ、いや…
杉原か?」
「はい。」
「その声、どうしたんだ?」
容姿も勿論驚きに値するものだったが、心の声が完全に女性そのものになっているのに、宮埜は度肝を抜かれた。
「仕事辞めてから時間があったんで、発声練習して。」
心はそう言ってニコッと笑った。
また、その顔が可愛く、宮埜はドキッとしてしまった。
「発声練習なんかでそんな風に変化するもんなのかよ。」
「ええ。
メラニー法っていうやり方で。
実は会社にいた時からずっと練習はしてたんですよ。
さすがに仕事場では女声出すわけにはいかないから、成果を見せる機会っていうのはありませんでしたけど。」
「そうだな。
それにしても綺麗になったよなあ。」
「えっ、ホントですか?
嬉しい。」
心は両手で頬を押さえ、恥ずかしそうにしながら笑みを浮かべた。
「ところで、仕事は順調なのか?」
「はい。おかげさまで。
宮埜さんにご紹介いただいたお店は、みんな親切だし、毎日をすごく楽しく働かせてもらってます。
本当にありがとうございました。」
「いやいや、それなら良かった。
会社辞めてニューハーフに転身ってのも、なかなか大変だなぁって思ってて。
ずっと心配してたんだよ。」
「ワタシ、今のお仕事が天職だと思っていますし、この姿が本当の自分だと思ってます。
充実した人生を送れているなって、そういう実感があります。」
「そうか。
俺がニューハーフヘルスに連れていかなければ、こんな事になってなかったんじゃないかって、時々思う事があってな…
本当にこれでよかったのかって。」
「よかったと思っています。
あれがきっかけで本当の自分に気付かせていただいたと思いますし、みりあちゃんという親友に巡り会う事ができました。
全部、宮埜さんのおかげです。」
「いや、俺はそんな…
だけど、どうするんだ?
奥さんとのこと。
二ヶ月前に突然、愛ちゃんが会社に現れた時はビビったよ。
でも、かなり憔悴していたぞ。」
「…
愛には本当に申し訳ない事をしたと思っています。
勿論、このままズルズル行くわけにはいかないですし、近いうちに会って、ちゃんと話をしたいと考えています。」
「愛ちゃんが、お前の今の姿を見たら、その場で卒倒しちゃうんじゃねえか?」
宮埜がそう言うと、心は引き攣った笑みを浮かべ、俯いてしまった。
心が宮埜と会って話をしていた、まさに同時刻、
妻の愛は、東京駅に降り立ち、在来線に乗り換え、心の自宅に向かっていた。
「お久しぶりです。
宮埜さん。」
何故なら、目の前に現れた心の姿が、あまりにも変貌していたからだ。
「あ、いや…
杉原か?」
「はい。」
「その声、どうしたんだ?」
容姿も勿論驚きに値するものだったが、心の声が完全に女性そのものになっているのに、宮埜は度肝を抜かれた。
「仕事辞めてから時間があったんで、発声練習して。」
心はそう言ってニコッと笑った。
また、その顔が可愛く、宮埜はドキッとしてしまった。
「発声練習なんかでそんな風に変化するもんなのかよ。」
「ええ。
メラニー法っていうやり方で。
実は会社にいた時からずっと練習はしてたんですよ。
さすがに仕事場では女声出すわけにはいかないから、成果を見せる機会っていうのはありませんでしたけど。」
「そうだな。
それにしても綺麗になったよなあ。」
「えっ、ホントですか?
嬉しい。」
心は両手で頬を押さえ、恥ずかしそうにしながら笑みを浮かべた。
「ところで、仕事は順調なのか?」
「はい。おかげさまで。
宮埜さんにご紹介いただいたお店は、みんな親切だし、毎日をすごく楽しく働かせてもらってます。
本当にありがとうございました。」
「いやいや、それなら良かった。
会社辞めてニューハーフに転身ってのも、なかなか大変だなぁって思ってて。
ずっと心配してたんだよ。」
「ワタシ、今のお仕事が天職だと思っていますし、この姿が本当の自分だと思ってます。
充実した人生を送れているなって、そういう実感があります。」
「そうか。
俺がニューハーフヘルスに連れていかなければ、こんな事になってなかったんじゃないかって、時々思う事があってな…
本当にこれでよかったのかって。」
「よかったと思っています。
あれがきっかけで本当の自分に気付かせていただいたと思いますし、みりあちゃんという親友に巡り会う事ができました。
全部、宮埜さんのおかげです。」
「いや、俺はそんな…
だけど、どうするんだ?
奥さんとのこと。
二ヶ月前に突然、愛ちゃんが会社に現れた時はビビったよ。
でも、かなり憔悴していたぞ。」
「…
愛には本当に申し訳ない事をしたと思っています。
勿論、このままズルズル行くわけにはいかないですし、近いうちに会って、ちゃんと話をしたいと考えています。」
「愛ちゃんが、お前の今の姿を見たら、その場で卒倒しちゃうんじゃねえか?」
宮埜がそう言うと、心は引き攣った笑みを浮かべ、俯いてしまった。
心が宮埜と会って話をしていた、まさに同時刻、
妻の愛は、東京駅に降り立ち、在来線に乗り換え、心の自宅に向かっていた。
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