38 / 468
許容範愛囲
自分を裏切り、何も言わずに逃げ出した無責任な夫
興信所まで使ってこの居場所を見つけ出し、怒り心頭で乗り込んできた…
激しく叱責するつもりで…
なのに、実際に会い、一つのベッドで体を寄せ合って寝るうちに、自分の心の中に封印していた愛情が溢れ出てしまった。
女として生活し、もはや男の片鱗さえ見えない夫に対し、愛は今でも否定しきれない愛情を持っていた。
それでも好き…
愛は、心の唇に吸い付くようにキスをした。
心は、また戸惑い、どうしていいかわからなくなったが、愛に対して申し訳ない気持ちでいっぱいだったので、愛が自分を許し、求めてくるなら応えるしかないと、その口づけに呼応した。
キスを終えると、愛は頬を紅潮させ、心の耳元に顔をくっつけるようにして
「悔しいけど、私…
まだ心の事を愛してるわ」
と、囁くように言った。
そんな愛に対し、心は何も言わずに、二度頷いた。
「心、あなたのやった事は許せないって思うけど、今さら何を言ってももう遅いし、意味がないって事はわかってるの。
だったら、前向きな話がしたい…」
「前向き?」
「ええ。
心、あなたを許すって言ったら、私の元へ帰ってきてくれる?」
「えっ…
でも、ワタシ…
もう男じゃないし、子供だって作れない体になってる…」
「それでもいいって言ったら、どう?」
「…ワタシを許してくれるっていうの?」
「うん。
だって、自分が今も…
どんな姿になっても…心…
あなたを愛してるってわかったから。」
愛の思いを受け入れ、夫婦生活を継続するという選択肢は、心には全くと言っていいほど、皆無であった。
しかし、こう言われた以上、愛のことを跳ね除ける事もまた、人として出来なかった。
「愛…何度も言うけど…
もう男じゃないワタシでもいいの?」
「うん。いいわ
だから、もう私を一人にしないで。
寂しかったんだよ、あなたがいなくなってからずっと…」
愛は、そう言うと、再び大号泣となった。
心も涙を流し
「ごめん…」
と、言いながら、愛の背中を優しい手つきでトントンした。
興信所まで使ってこの居場所を見つけ出し、怒り心頭で乗り込んできた…
激しく叱責するつもりで…
なのに、実際に会い、一つのベッドで体を寄せ合って寝るうちに、自分の心の中に封印していた愛情が溢れ出てしまった。
女として生活し、もはや男の片鱗さえ見えない夫に対し、愛は今でも否定しきれない愛情を持っていた。
それでも好き…
愛は、心の唇に吸い付くようにキスをした。
心は、また戸惑い、どうしていいかわからなくなったが、愛に対して申し訳ない気持ちでいっぱいだったので、愛が自分を許し、求めてくるなら応えるしかないと、その口づけに呼応した。
キスを終えると、愛は頬を紅潮させ、心の耳元に顔をくっつけるようにして
「悔しいけど、私…
まだ心の事を愛してるわ」
と、囁くように言った。
そんな愛に対し、心は何も言わずに、二度頷いた。
「心、あなたのやった事は許せないって思うけど、今さら何を言ってももう遅いし、意味がないって事はわかってるの。
だったら、前向きな話がしたい…」
「前向き?」
「ええ。
心、あなたを許すって言ったら、私の元へ帰ってきてくれる?」
「えっ…
でも、ワタシ…
もう男じゃないし、子供だって作れない体になってる…」
「それでもいいって言ったら、どう?」
「…ワタシを許してくれるっていうの?」
「うん。
だって、自分が今も…
どんな姿になっても…心…
あなたを愛してるってわかったから。」
愛の思いを受け入れ、夫婦生活を継続するという選択肢は、心には全くと言っていいほど、皆無であった。
しかし、こう言われた以上、愛のことを跳ね除ける事もまた、人として出来なかった。
「愛…何度も言うけど…
もう男じゃないワタシでもいいの?」
「うん。いいわ
だから、もう私を一人にしないで。
寂しかったんだよ、あなたがいなくなってからずっと…」
愛は、そう言うと、再び大号泣となった。
心も涙を流し
「ごめん…」
と、言いながら、愛の背中を優しい手つきでトントンした。
あなたにおすすめの小説
秘書と社長の秘密
廣瀬純七
大衆娯楽
社内の調査のため、社長・高橋健一はこっそり秘書・木村由紀と不思議なアプリで入れ替わることに。
突然“社長役”を任された由紀と、自由に動ける立場を手に入れた高橋。
ふたりの秘密の入れ替わり作戦は、どの様な結末になるのか?
世界の終わりにキミと
フロイライン
エッセイ・ノンフィクション
毎日を惰性で生きる桐野渚は、高級クラブの黒服を生業としていた。
そんなある日、驚くほどの美女ヒカルが入店してくる。
しかし、ヒカルは影のある女性で、彼女の見た目と内面のギャップに、いつしか桐野は惹かれていくが…