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破壊者
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突然、顔を両手で押さえて泣き出した愛に、心はビックリして、しばらくの間、何も声をかけられなかった。
しかし…
「愛ちゃん
何かあった?」
心は気を取り直し、愛に言った。
愛は、手で顔を覆ったまま、何も言葉を発せず、泣き続けた。
そして、泣くだけ泣いて、少し気が紛れたのか、心に対し
「ごめんなさい…」
と、謝った。
「愛ちゃん
ワタシでよかったら、話してよ。」
「ううん…
大丈夫
全然、大した事じゃないの、」
「そんな事ないでしょ?
ねえ、話したくないんだったらかまわないけど、もし、話して少しでもラクになるのなら、話して。
ワタシでも役に立てるかもしれないし…」
元夫の言葉に、愛は暫し沈黙を続けたが、やがて、意を決したのか、顔を上げて心を見つめた。
「心…
こんな話を聞いてもらう義理はないんだけど…
誰にも相談できなくて。」
「全然大丈夫よ。
言ってみて。」
「うん…
助けて欲しいの…」
「えっ」
「もう限界なの…
だから、全てを捨てて逃げてきたの。」
「何があったの?」
「でも…逃げてもムダなの。
弱みを握られてるから…」
「弱み…
愛ちゃん
話してみて。」
「…今の職場に勤めるようになって、好きな人が出来たの。」
「うん。
そう言ってたよね。」
「で、今
同棲してるんだけど…
私が男を見る目が無かったがために…
その男っていうのがとんでもないヤツで、私に変態的なプレイを求めてきて、それを一々録画していたの。
勿論、嫌だって言ったわ。
でも、拒否したら会社にばら撒いて、職場に行けなくなるようにしてやるって…」
「そんな…」
「それから、政治家だか企業の偉いさんだか知らないけど、そういう人間ばっかりが集まっている乱交パーティにも連れていかれて、私は…
何人もの男の人に…」
「…」
「私、今の仕事が大好きで、すごくやり甲斐を感じてたの。
でも、その職場にはその男もいるし、勿論、家に帰っても…
仕事のためだって、必死に耐えてきたけど、やっぱり限界がきちゃって…
気が付いたら、荷物まとめて出て行く準備を始めてて…
こんな事話せる人も頼っていく人もいなくて…
心しか頭に浮かんでこなかったの。
本当にごめんなさい。」
「いいのよ。
ワタシのところに来てくれてありがとう。」
「もう、仕事なんてどうでもよくなるくらい、私…
追い詰められてて…」
「とりあえず、ウチにおいで。
そこで、少し休んでから考えようよ。」
「でも、何日も家を留守にしたら、あの男が何をするか…」
「それを含めて、考えてみよう。
義母さんには話しにくいと思うから、言わなくてもいいと思うけど…
宮埜さんにも話をして、何か打開策を考えてもらおうよ。」
心がそう言うと、愛はハンカチで目頭を押さえ、何度も頷いた。
しかし…
「愛ちゃん
何かあった?」
心は気を取り直し、愛に言った。
愛は、手で顔を覆ったまま、何も言葉を発せず、泣き続けた。
そして、泣くだけ泣いて、少し気が紛れたのか、心に対し
「ごめんなさい…」
と、謝った。
「愛ちゃん
ワタシでよかったら、話してよ。」
「ううん…
大丈夫
全然、大した事じゃないの、」
「そんな事ないでしょ?
ねえ、話したくないんだったらかまわないけど、もし、話して少しでもラクになるのなら、話して。
ワタシでも役に立てるかもしれないし…」
元夫の言葉に、愛は暫し沈黙を続けたが、やがて、意を決したのか、顔を上げて心を見つめた。
「心…
こんな話を聞いてもらう義理はないんだけど…
誰にも相談できなくて。」
「全然大丈夫よ。
言ってみて。」
「うん…
助けて欲しいの…」
「えっ」
「もう限界なの…
だから、全てを捨てて逃げてきたの。」
「何があったの?」
「でも…逃げてもムダなの。
弱みを握られてるから…」
「弱み…
愛ちゃん
話してみて。」
「…今の職場に勤めるようになって、好きな人が出来たの。」
「うん。
そう言ってたよね。」
「で、今
同棲してるんだけど…
私が男を見る目が無かったがために…
その男っていうのがとんでもないヤツで、私に変態的なプレイを求めてきて、それを一々録画していたの。
勿論、嫌だって言ったわ。
でも、拒否したら会社にばら撒いて、職場に行けなくなるようにしてやるって…」
「そんな…」
「それから、政治家だか企業の偉いさんだか知らないけど、そういう人間ばっかりが集まっている乱交パーティにも連れていかれて、私は…
何人もの男の人に…」
「…」
「私、今の仕事が大好きで、すごくやり甲斐を感じてたの。
でも、その職場にはその男もいるし、勿論、家に帰っても…
仕事のためだって、必死に耐えてきたけど、やっぱり限界がきちゃって…
気が付いたら、荷物まとめて出て行く準備を始めてて…
こんな事話せる人も頼っていく人もいなくて…
心しか頭に浮かんでこなかったの。
本当にごめんなさい。」
「いいのよ。
ワタシのところに来てくれてありがとう。」
「もう、仕事なんてどうでもよくなるくらい、私…
追い詰められてて…」
「とりあえず、ウチにおいで。
そこで、少し休んでから考えようよ。」
「でも、何日も家を留守にしたら、あの男が何をするか…」
「それを含めて、考えてみよう。
義母さんには話しにくいと思うから、言わなくてもいいと思うけど…
宮埜さんにも話をして、何か打開策を考えてもらおうよ。」
心がそう言うと、愛はハンカチで目頭を押さえ、何度も頷いた。
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