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pitch black darkness
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「愛ちゃん
いらっしゃい。」
心に連れられて家にやってきた愛を、宮埜が出迎えた。
「宮埜さん、ごめんなさい。
いきなりお邪魔してしまって。」
「何言ってんだよ。
この家の持ち主は美都子さんだよ。
つまり
俺も居候の身だから。」
そう言って宮埜が笑うと、愛も少しだけ笑みを浮かべた。
そして…
「心…
あの…
お母さんは?」
愛は、母の姿がない事に気付き、小さな声で聞いた。
「うん。
今、出掛けてるよ。
多分、夜まで帰らない。」
心がそう言うと、愛はホッとしたような表情を浮かべて頷いた。
そして、先ほど心に話した内容と同じ事を、さらに詳しく宮埜に話したのだった。
心に話した時は、外だったので周りにも人がいて、聞かれる可能性もあった。
しかし、ここではそんな心配はなかったので、赤裸々に語ったのである。
「なるほど…」
「誰にも言えなかったんです…
もう、恥ずかしくて死にたくなるくらい…」
神妙に話を聞く宮埜に、愛はため息をつき、肩を落として言った。
「でも、愛ちゃん
その男に脅されてるわけだし、どう考えても犯罪になると思う。
多分、こちらが警察に訴え出れば、破滅するのは相手の方だと思うよ。」
「そうよ。
特に、この前連れてかれたっていう、乱交パーティだっけ?
地位のある人ばかりだったんでしょ?
参加してたのは。
尚更警察もきっと動いてくれるわよ。」
宮埜と心が力を込めて言うと、一度は頷いた愛だったが、すぐに首を横に振った。
「ムリよ…」
「何がムリなの?」
「ワタシが連れていかれたその乱交パーティっていうやつなんだけど…
たしかに、地位も名誉もある人達ばかりで、この事が明るみに出れば、世の中がひっくり返るような事が起きるでしょう。
でも…
いえ、だからこそ、言えないんです。」
「どうして?」
「地位も名誉もありすぎるほどの人ばかりがいるからです。
政治家は、名前を聞けば誰でも知っているくらいの人ですし、警察幹部に裁判官、超一流企業の社長など、沢山の人達がそこにいたんです。
私が相手にした人の中にも、テレビとかで見たことある顔がいくつもありました。」
「つまり、訴え出ても…
揉み消される?」
「はい。
間違いなく…」
「だったら、週刊誌の方に行くのは?
ホラ、週刊文醜なんか効果的だよ。
忖度しないし、あそこだったら。」
「いえ…
文醜って文藝醜愁社でしたよね?
出版しているのって。」
「そうだけど。」
「その文藝醜愁社の社長も会員です。
私、その人も直接この目で見たので間違いありません。」
「…
ってことは…
文醜砲も出ないということか…」
予想以上に形成不利な条件下にいる事に、宮埜も心も絶望的な気分となった。
いらっしゃい。」
心に連れられて家にやってきた愛を、宮埜が出迎えた。
「宮埜さん、ごめんなさい。
いきなりお邪魔してしまって。」
「何言ってんだよ。
この家の持ち主は美都子さんだよ。
つまり
俺も居候の身だから。」
そう言って宮埜が笑うと、愛も少しだけ笑みを浮かべた。
そして…
「心…
あの…
お母さんは?」
愛は、母の姿がない事に気付き、小さな声で聞いた。
「うん。
今、出掛けてるよ。
多分、夜まで帰らない。」
心がそう言うと、愛はホッとしたような表情を浮かべて頷いた。
そして、先ほど心に話した内容と同じ事を、さらに詳しく宮埜に話したのだった。
心に話した時は、外だったので周りにも人がいて、聞かれる可能性もあった。
しかし、ここではそんな心配はなかったので、赤裸々に語ったのである。
「なるほど…」
「誰にも言えなかったんです…
もう、恥ずかしくて死にたくなるくらい…」
神妙に話を聞く宮埜に、愛はため息をつき、肩を落として言った。
「でも、愛ちゃん
その男に脅されてるわけだし、どう考えても犯罪になると思う。
多分、こちらが警察に訴え出れば、破滅するのは相手の方だと思うよ。」
「そうよ。
特に、この前連れてかれたっていう、乱交パーティだっけ?
地位のある人ばかりだったんでしょ?
参加してたのは。
尚更警察もきっと動いてくれるわよ。」
宮埜と心が力を込めて言うと、一度は頷いた愛だったが、すぐに首を横に振った。
「ムリよ…」
「何がムリなの?」
「ワタシが連れていかれたその乱交パーティっていうやつなんだけど…
たしかに、地位も名誉もある人達ばかりで、この事が明るみに出れば、世の中がひっくり返るような事が起きるでしょう。
でも…
いえ、だからこそ、言えないんです。」
「どうして?」
「地位も名誉もありすぎるほどの人ばかりがいるからです。
政治家は、名前を聞けば誰でも知っているくらいの人ですし、警察幹部に裁判官、超一流企業の社長など、沢山の人達がそこにいたんです。
私が相手にした人の中にも、テレビとかで見たことある顔がいくつもありました。」
「つまり、訴え出ても…
揉み消される?」
「はい。
間違いなく…」
「だったら、週刊誌の方に行くのは?
ホラ、週刊文醜なんか効果的だよ。
忖度しないし、あそこだったら。」
「いえ…
文醜って文藝醜愁社でしたよね?
出版しているのって。」
「そうだけど。」
「その文藝醜愁社の社長も会員です。
私、その人も直接この目で見たので間違いありません。」
「…
ってことは…
文醜砲も出ないということか…」
予想以上に形成不利な条件下にいる事に、宮埜も心も絶望的な気分となった。
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